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2018/1/24 15:00

100ページのパワポより1枚のA3ノート! あなたの思考を広げるノート術

スピーチを考える。プレゼンの資料の準備をする。あるいは、ミーティングの内容を記録する。アイデアを図式化したり、話の内容をまとめたりするために、どんなツールを使っていますか?

 

 

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アイデアの視覚化としてのメモ

筆者が気に入っているのは、階層型メモアプリだ。思い浮かんだことをざっくり項目別に分け、サブテキストの部分を書き足していくというやり方が自分に合っている。少し前はマインドマップのアプリを使っていたのだが、持ち歩いているのがiPhoneなので、ちょっと見づらい。片手でも作業ができるものということで、階層型メモアプリに落ち着いた。

 

階層型メモアプリは縦軸の情報整理にはとても具合がいいのだが、情報を横並びにして比較するとなると、ちょっと使い勝手が悪い。筆者が欲しかったのは、階層型メモアプリの掘り下げとマインドマップの広がりの双方を実現してくれるアプリだ。

 

暇さえあればアプリストアをチェックし、少しでも近いものを探しているが、なかなか見つからない。そんな中、とても使いやすく、意外にもアナログなツールについて語ってくれる本に出会った。

 

一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?』(横田伊佐男・著/学研プラス・刊)には「すべてを紙1枚にまとめる仕事術」というタイトルがつけられている。筆者の横田さんによれば、以下で触れていく三つの思考に従ってノートを作っていけば、100ページのパワーポイント資料よりもインパクトがあってわかりやすい1枚のメモが作れるという。舞台となるのは、297×420ミリの方眼紙だ。

 

 

拡大思考

広いスペースに課題やアイデアを展開することで、「発想」を拡大する。

 

横田さんは、“思考のサイズ感”をそのまま紙の上で展開していくことのメリットを強調する。そして、それを実現するのに最適のツールとなるのがA3のノートであると語る。どういうことか。

 

通常ビジネスで使うA4の2倍の面積。この大きな紙面を開くだけで、普段見慣れたサイズの倍の広さによって思考が拡大し、これまでにはなかった新しい発想やアイデアが湧き上がってくるのを実感できるはずです。

『一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?』より引用

 

たしかに、ビジネスマンにしても学生さんにしても、使うノートや書類のサイズは圧倒的にA4が多いだろう。上の文章はものすごく単純に響くかもしれないが、実際にやってみると大きな違いを実感できる。横田さんは、この感覚を「ノートのサイズは思考のサイズ」と表現する。

 

 

分割思考

目的に応じてフレーム分割することで、段階的に試行を「整理」する。

 

筆者が横軸の情報整理と呼ぶものは、まさにこの思考だ。整理の段階でムダなものを削ぎ落していくことが可能になり、フレームを作ることでつながりが明確になり、内容を圧縮して示すことができるようになる。横田さんは、プレゼン資料を例示しながら次のように説明する。

 

料理でいえば、彼らはすべてを試食してくれないのはもちろん、素材やレシピの説明など聞いている暇などありません。スプーンですくい取ったひと口の味見が唯一のチャンスなのです。そして、ビジネスでこのスプーンの一口に相当するのが、A3ノート1枚なのです。

『一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?』より引用

 

Jリーグ発足時、初代チェアマンとなった川渕三郎氏のもとにリーグ参加を希望する多くのクラブから分厚い企画書が寄せられた。しかし川渕氏が一番気に入ったのは、「こういう形で参加したい」ということだけが書かれた2ページの企画書だったという。

 

 

俯瞰思考

ムダのない情報を1枚にまとめ、俯瞰することで「行動」を加速させる。

 

A3の紙1枚にまとめられた情報を俯瞰するのは、自分だけではない。多くの人たちが同じ情報を共有することによって個々の行動が速くなり、グループ全体、さらには組織全体の動きが速くなる。横田さんは、「同時に多数の人が、核心と全体を見渡せる」と語る。

 

人間には、意思決定するにあたって、「視覚」に大きな影響を受ける習性があります。ですから、全員で1枚の同じイメージを共有することができれば、議論のポイントが明確になり、最終的な合意形成もしやすくなるのです。

『一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?』より引用

 

ただ、これを行うには情報の取捨選択をして、本当に伝えるべきことだけを最小限に収める「要約力」が必要となる。要約力を養うために必要な基盤は何か。それは、頭の中にいくつか作っておくべきフレームである、と横田さんは語る。前の項目で触れたフレームという概念は、ここでも活きる。

 

 

そして筆者は、こうします

これで方針は決まった。まず、ミーティングの内容記録やアイデア出しはA3の方眼ノートを使って手書きで行う。途中で×をつけたり、書き直しをしたりする箇所もそのまま残しておいて全体を撮影し、それをエバーノートやドロップボックスにファイルする。こうすれば、どこにいても、誰にでも見せることができる。

 

それに、コンビニのプリンターで印刷できるアプリがあるから、オリジナルをプリントアウトして、手書きでアップデートを加えることもできる。

 

ああ、こういう段取りは、考えるだけでも楽しいな……。

 

【著書紹介】

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一流の人は、なぜA3ノートを使うのか?

著者:横田伊佐男
出版社:学研プラス

一人で責任を負うプレゼンも、300人の力を結集するプロジェクトも、成功の法則は「A3用紙1枚にまとめる」こと。世界最大級の外資系金融企業で著者が培った、どんなビジネスパーソンでも「発想」⇒「整理」⇒「行動」できる、最短にして最強の思考法。

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