あえて「無関心」をよそおう
あなたがネコを見つけるよりも先に、ネコはあなたをしっかり見定めている、と言ったら驚くだろうか。(中略)このヒトは大丈夫、そうネコが判断したときに、あなたの側に近づいてくるし、写真を撮らせてくれる。
(『カラー新版 ネコを撮る』から引用)
鷹の目(ホークアイ)は、けっして獲物を見逃さない、観察力のするどさをあらわす言い回しです。猫の目(キャッツアイ)だって負けていません。
ネコは、刹那のあいだに、あなたの人柄や危険性を見抜きます。本書『ネコを撮る』の著者いわく、ネコは「ネコに対する敬意」すらも感じ取ります。たかがネコという気持ちでいる撮影者には、けっしてベストショットを撮らせてくれません。
すべての出会いがシャッターチャンス!
カメラレンズに顔を向けてくれない。お尻や背中を向けられてしまう。ネコを撮影するときのお悩みあるあるです。
シャッターチャンスは1日に何回もあるわけではないし、1週間の取材でもおそらくシャッターチャンスは、2回か3回あるかないかだ。(中略)1週間のうちの5日目や6日目まで何も撮れなくて今回の取材はダメだと思うことがほとんどなのだ。
(『カラー新版 ネコを撮る』から引用)
ネコ写真のプロフェッショナル、日本有数の動物写真家でさえ、1週間で2〜3枚しかベストショットを撮影することができないそうです。
動物写真は「静止画」ですが、生きて動いている「一瞬」を切り取ったものです。ネコが動くのは当たりまえですから、ピンぼけや構図を気にせずに、愛情のおもむくままにシャッターボタンを押しましょう。
本書『カラー新版 ネコを撮る』には、100枚を超えるネコ写真がオールカラーで収録されています。ネコ撮影のノウハウを学べるだけでなく、何度も読み返せるネコ写真集としてもオススメです。お試しください。
【書籍紹介】
カラー新版 ネコを撮る
著者: 岩合光昭
発行:朝日新聞出版
岩合光昭さんのねこ写真の原点、ロングセラー『ネコを撮る』をオールカラーに。モデルねこの探し方、機嫌の取り方、決定的瞬間のシャッターチャンス……。岩合さんのねこ写真の秘密に迫る。傑作をオールカラーで楽しめる待望の新版で、新作も一部所収する。