12月に入ったとたんに、家の汚れが急に目につきはじめる。キッチンの油汚れ、お風呂や洗面台の水アカ、居間や寝室のすき間のホコリ……。日ごろからマメに掃除をしていたつもりでも、汚れるスピードのほうがずっと早いので、思わずため息がでてしまう。さ~て、どこから手をつけるべきか? と悩んでいたところこれは使える! という本を見つけた。
『いま「使える時間」×キレイにしたい「場所」で選ぶ 楽ラク掃除の基本』(高橋ゆき・著/学研プラス・刊)がそれ。
この本には掃除をすることが、おもしろい! 楽しい!と思えてくるアイディアやテクニックが満載なので、大掃除を目の前に今、夢中で読んでいるところだ。
楽ラクでキレイのお掃除メソッド
家事研究家の高橋ゆきさんによると、楽ラクキレイにするには、まず3つの心がけが必要だという。
お掃除で大切なのは、考え方です。私はいつもあせらず、あわてず、やさしい気持ちで取り組むことをおすすめしています。(中略)大切な家族と住む家に、居心地の良い「空間エネルギー」を漂わせるよう心がけましょう。
(『いま「使える時間」×キレイにしたい「場所」で選ぶ 楽ラク掃除の基本』から引用)
あわてて掃除をすると前よりも散らかってしまうリスクがあるし、あせってやろうとすると無駄な力が入り、家や家具をキズつけてしまうことも。そうならないためには、常にやさしい気持ちで取り組むことが大切だそうだ。
次に、覚えておきたいのが以下の基本の6つのルールだ。
1 ①水拭き ②乾拭き ③仕上げ磨き 拭き掃除はこの3段階で行うと美しさに差がでる。
2 始める前に、お掃除スケジュールをしっかり組む。
3 一度に全部お掃除しようとしない。”輝くべき場所”を輝かせておけば、それだけで家全体が美しく見えるもの。
4 好きなもの、キレイなものを身のまわりに置く。「いらないものは捨てる」とは逆の発想で、好きなものだけ残して 整理する。
5 拭くときはつねに一方方向。拭きムラを残さないためには、常に「上から下」を基本に。
6 最後に素手や素足で必ず確かめる。掃除の最後は目で確認するだけでなく、素手や素足で触って感触を確かめる。
以上を、一度習慣にしてしまえば、キレイは驚くほど持続するそうだ。
掃除をラクにするアイデア・ツール
ところで、掃除道具やクリーナー類を揃えて、さぁ! と張り切って掃除をはじめたのに、思ったほどキレイにならずガッカリという経験は誰にでもあるはず。そんな負のスパイラルに陥らないために本書では、いくつかのアイデア・ツールが紹介されているが、これが最高! 高橋さんの経験から生まれたお掃除グッズだが、私も真似してみたらスルス汚れが落ちるのでホントに驚いているのだ。
では、紹介してみよう。
- マンゴカットスポンジ/スポンジに格子状の切込みを入れて、これで挟み込むように磨くと細かい汚れもスッと落ちる。
- 軍手ぞうきん/ゴム手袋の上から軍手をはめて、これで拭き掃除。ぞうきんより、指先の感覚で掃除できるのですき間もキレイに。
- 綿棒せんす/綿棒5本を扇状に輪ゴムで止め、手指が入らない細かい場所をこれで掃除する。
- トイレットペーパーノズル/トイレットペーパの芯に切り込みを入れて、使い捨てのノズルとして活用。窓の桟などの掃除に便利で掃除機にも装着可能。
- 三つ編みストッキング/ストッキング3本を三つ編みにして、蛇口やステンレスの仕上げ磨きに使うとピカピカに。
- ストッキングだんご/古靴下を丸め、伝染したストッキングに入れてだんご状にする。静電気効果で、ホコリや汚れがスッと落とせる。
- ストッキングハンガー/針金ハンガーをひし形に曲げ、ストッキングをかぶせる。手が届かないところ、掃除機の入り込めないすき間のホコリをこれで簡単にキャッチできる。
この他にも牛乳パックを使ったブラシ、歯ブラシの活用など、どこの家にもある身近なものが掃除に役立つことを教えてくれている。これらを使ったテクニックは、家の各部屋の掃除法でそれぞれ写真つきで詳しく解説してあるのでとてもわかりやすい。
子ども、ペットのいる家庭の掃除法
本書では掃除にまつわるお悩み相談コーナーもあり、愛するペットとキレイに暮らす方法、子どもの”やっちゃった”を解決する方法なども紹介されている。
たとえば、ペットの毛はラップの芯に輪ゴムを6~7本巻いたものをゴロゴロ転がすと簡単に掃除できるそうだ。逆にガムテープなどを使うと粘着成分が残り、かえって毛がつくようになるので注意とのこと。さらに、ラグや畳の汚れはペットがなめても安全な重曹を使って落とし、消臭にはエタノールアロマ(消毒用エタノールにアロマエセンスオイルを混ぜたもの)をすすめている。
また、子どものやっちゃった対策にはお掃除救急セットとして、バケツにキッチンペーパー、重曹、酢、水、ゴム手袋、マスク、レジ袋などを入れて、置いておけば、いざというとき慌てずにすむとのこと。食べこぼし、嘔吐、怪我による血液汚れ、いたずら書きなど、それぞれの掃除法はQ&Aで詳しく解説している。
この他にも掃除スケジュールの立て方、伝統の掃除テクなど、楽ラクキレイなお掃除の情報はすべて網羅されている。是非、大掃除の参考に。
【書籍紹介】
楽ラク掃除の基本 いま「使える時間」×キレイにしたい「場所」で選ぶ
著者:高橋ゆき
発行:学研プラス
忙しい人でも、「出かける前の1分」「入浴前の4分」など、ふと手の空く時間があるもの。そんなすきま時間を利用してできるお掃除法を、掃除のプロ ベアーズの高橋ゆきさんが紹介。家のあらゆる場所が、この1冊で楽ラクキレイ。
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