本・書籍
2019/10/23 21:45

『フリースタイルダンジョン』のラスボス・般若――何者でもなかったラップ好き高校生が、武道館でライブをするまでの激動半生

時代がやっと追いついたか…。

 

『アメトーーク!』の「ラップ大好き芸人」を見て感じたさ。高校一年生で日本語ラップの魅力に取り憑かれ、ヒップホップとともに歩んできた約20年。YOU THE ROCK★のラジオ番組でもらった妄走族のCDを聞いていた私に今の景色、見せてやりてぇな。

 

なんてラップみたいな感じで始めてみましたが、本当にうれしかったんですよ! あの『アメトーーク!』で日本語ラップが話題にされるなんて!!! 番組の時間&時代の背景的にフリースタイルを中心に構成されていましたが、本当24時間でも語り足りないくらい、日本語ラップには面白い魅力がたっぷりと詰まっています。

 

今回は、狩野英孝さんが楽屋で「般若がヤバいってのは知ってたけど、お笑い芸人と思っていた」と言っていたラッパー・般若について語ります。彼の自伝『何者でもない』(般若・著/幻冬舎・刊)には、ファンでも知らなかった葛藤や苦悩が赤裸々に語られており、ファンはもちろん「般若って誰?」という人にも一人の人間のノンフィクションが詰まっているので、読み終わったあとに私もしっかり生きなきゃ! と思える要素がてんこ盛りですっ!

 

「般若」は最初はユニット名だった

テレビ番組の『フリースタイルダンジョン』でラスボスとして活動したり、多くのメディアでも注目されるようになった「般若」ですが、そんな般若が般若としてラップし始める前の高校時代は、YOSHIというMCネームで、RUMIという女性ラッパーとユニット「般若」として共に活動していたというのはご存知でしょうか?

 

高校時代に「ヒップホップかっこいいな〜」と思っていた少年・般若の前に、文化祭で日本語でラップを披露しているRUMIが現れます。その場で話しかけて、この二人は一緒に曲を作ることを始めます。その時のユニット名が「般若」だったのです。

 

RUMIと俺は「般若」というグループ名で活動を始めていた。今、俺が般若というMCネームで活動しているからややこしいんだけど、「般若」は最初は二人だった(後にDJのBAKUが加わって三人で動くようになるんだけど、その経緯はまたあとで書く)。

(『何者でもない』より引用)

 

そんな彼らは、とあるイベントでZEEBRAに渡したデモテープがYOU THE ROCK★がMCを務める深夜ラジオ番組で流され、一夜にして時の人に。そこから紆余曲折あり、般若は自然消滅してしまうのですが、「俺が般若だバカ野郎!」というリリックと共に、YOSHIから般若に名前を変えて活動していくようになります。

 

また地元ラッパーたちと共に「妄走族」というグループを組み、1997年より本格的に音楽活動を開始します。私も2001年に発売された「Grand Champion」を聞いていましたが、高校時代の私にとっては聞いているだけで、見知らぬ誰かから怒られているように感じてしまってじっくり聞けませんでした(笑)。そんな妄走族のいちラッパーとして活動していた般若ですが、こちらも紆余曲折ありソロ活動を始めます。そこには長渕剛さんとの交流も大きく影響しているのですが、その辺はここでは語り切れないので、『何者でもない』でぜひチェックしてください!!

 

RUMIはRUMIで音楽活動を続け、2009年にだした『Hell Me NATION』は私もいまだに聞いている大好きなアルバムです。女性ラッパーがなかなか注目されなかった時代でもしっかりと楽曲をリリースし続け、私も「RUMIみたいなラップがしたい!」と一人で『証言』(有名ラッパーがマイクリレーする有名曲)をカラオケでラップしたり、フリースタイル好きと集まってサイファーごっこをした時に、意識していたのはRUMIでした(笑)。

 

 

女はほぼゼロ! みんながラップを熱狂する渋谷公会堂

2008年、岩手から上京してきた私は、「せっかく東京にきたし、般若のライブを見たい、けど怖い」という気持ちを持ったまま、2009年代々木公園で開催された『B-BOY PARK』に遊びにいきました。そこにトリとして般若が登場するわけですが、自転車に乗ったままステージに登場して、2009年に発売された『HANNYA』から数曲やって「この後、ライブあるから続きはそこに来い」と言って去っていく彼はもうかっこ良すぎて「これが般若かぁーーー!!!!」と大興奮したことを覚えています。

 

その後、2011年『BLACK RAIN』というアルバムを提げたツアーが開催され、2012年年始に渋谷公会堂でファイナルを迎えます。ライブDVDもちゃんと見て、2008年のUMBのDVDもチェックして、ずっと楽しみにしていた念願の般若のライブでしたが、会場は9割男性なことと、会場の異様な熱気に始まる前からドキドキしていたのを覚えています。カッコ良すぎるライブはもちろんですが、そこで発せられた最高に痺れる一言も私は忘れません。

 

「俺の次の目標だ。三年以内に武道館でやらせてくれ」

(『何者でもない』より引用)

 

えええ〜〜! あの般若が武道館!? 最高なんですけど〜〜!!!

 

とライブ会場で言った記憶があるくらい痺れました(笑)。2012年以降の般若は武道館へ向けて精力的に活動し、2014年には父親になり、2015年からはテレビ番組『フリースタイルダンジョン』が開始。そこではラスボスとして君臨し、フリースタイルブームにさらに拍車をかけました。そして2019年1月、武道館でライブをやり遂げたのです。

 

 

時代は「フリースタイル」中心だけど、そこで止まるな日本語ラップ!

語りすぎてしまいましたが(笑)、ここに書かれてあること全てひっくるめて、般若なので、「般若=フリースタイル」だけじゃないことをわかってもらえればうれしいです(笑)。『アメトーーク!』で芸人さんたちが語っていたように、どこから好きになってもラッパーの過去の歴史を振り返りながら楽曲を深掘りしていく楽しさがあるので、本当にどんな曲でも誰から聞いても底なしに楽しめます。

 

最近では、音楽原作キャラクターラッププロジェクト“ヒプノシスマイク“こと『ヒプマイ』が人気となり、人気声優さんがラップをしたりと、日本語ラップの垣根が低くなり多くのファンが楽しめるようになったと思います。奥深くそして、幅広い日本語ラップの「ここ」が好き! という人がたくさん増えて、今、何者でもない人たちがライトを浴びまくることを日本語ラップファンとしてこれからも見守り続けながら、応援していきたいと思います!!

 

 

【書籍紹介】

何者でもない

著者:般若
発行:幻冬舎

最ッ低のMC、孤高のラッパー、ラスボス。異名の変化は、彼が全力で走り続けた証だった――。内気だった少年は、いかにして「般若」になったのか。入魂の自叙伝。

楽天koboで詳しく見る
楽天ブックスで詳しく見る
Amazonで詳しく見る

 

どうして日本はこんなに働き方改革をしないといけないの? 日本企業に迫られる『働かない技術』とは?

TAG
SHARE ON