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2019/10/30 21:45

本職の記者たちが追いかける噂の裏側――『週刊誌記者が追いかけた「本当かもしれない都市伝説」』

1996年の春から秋にかけ、とある奇妙な噂が文字通り日本中を駆け巡った。伝播のスピードは爆発的で、特に30代後半から60歳代の女性を中心層として一気に広まった。話の舞台は、世界的に有名なテーマパークである。

 

有名テーマパークの誘拐未遂事件

こんな話を聞いたことはないだろうか。

 

とある4人家族が◯◯◯◯◯ランドに遊びに行った時の話。人気アトラクションの列に並ぼうとした時、6歳になる息子がトイレに行きたいと言い出した。父親がトイレに連れて行き、入り口のそばで待っていたが、10分経っても出て来ない。父親が中に入って探してみると、息子がいなくなっていた。

 

慌てた父親がパークのスタッフに事情を説明すると、すべてのゲートを閉める措置をとってくれた。そして父親は母親と娘と一緒に出口ゲートに立ち、人の流れを見張ることにした。しばらくして、母親が「あっ!」と小さく叫んで指を指した。母親が指差したのは民族衣装を着た一団で、周りの大人たちに抱きかかえられている子どもがいる。母親が指さしていたのは、その子が履いていた運動靴だった。その運動靴は、息子が今日おろしたのと同じキャラクターものだった。

 

父親が駆け寄って大人たちを押しのけ、子どもがかぶっていた布を剥ぎ取ると、髪を金髪に染められ、カラーコンタクトを付けられたうつろな目をしたわが子がいた。

 

 

本職の記者たちが追いかける噂の裏側

この話、「体験者は私の友だちの友だち」と断ってから語られるのがほとんどだった。当時フリーライターになったばかりだった筆者はかなりの人に会って真相を探ったのだが、その過程でも、「被害者家族が直接話した人の友だち」から話を聞いたと主張する人が多すぎた。みんなが本当のことを話しているなら、同じような事件が同じテーマパークで何百回も起きているか、被害者家族の友だちが異常なまでに多いことになる。

 

都市伝説と呼ばれるジャンルの話は、こうしたパターンで広がっていく。そして、奇妙な噂を事実として誰かに話してしまう人は想像以上に多い。その一方で、噂の内容が本当なのか調べたいという気持ちにあらがえない人たちがいる。そんな人たちが書いた、都市伝説的な話の検証本を紹介したい。

 

 

目次だけでエンジン全開!!

大人がごく真面目に、怪しい話の裏を取るため検証を重ねる。そんなシチュエーションから生まれたのが『週刊誌記者が追いかけた「本当かもしれない都市伝説」』(ミステリー特別取材班・著/双葉社・刊)だ。“ミステリー特別取材班”を構成するのは、『週刊大衆』編集部の現役記者たち。まえがきによれば、メンバーは還暦目前記者と30代のデータマン、そして30代の男性編集担当だ。チームが追ったネタの中で、特に気になったものをいくつか紹介したい。

 

・証言者、軍の混乱、衝撃の結末…「1947ロズウェル事件」の真実

・米軍は地球製UFOを完成させていた!! 驚異の飛行性能を誇る「TR-35B」の正体

・世界一有名な未確認UMA “ネス湖の怪物”ネッシーは実在するのか!?

・ウィンドウズを凌駕していた驚異の性能 アメリカに潰された「幻の日の丸OS」

・決して表舞台に出ることがない本当の権力層 いつの時代も世界は「陰謀」で回っている!?

 

ターゲットとしては大ネタが多い。でも、タイトルに盛り込まれた「本当かもしれない」という言い方のニュアンスは十分に伝わるラインナップだ。たとえばロズウェル事件の項目は事件の時系列が実にていねいに綴られており、特にUFOに詳しくない人にも、あまり関心がない人にも引っかかりどころがあるはずだ。

 

ロズウェル基地の軍広報官だったウォルター・ハウト中尉は、2005年に死去した際、宣誓供述書を遺している。そこには、「ロズウェルで起きたことはすべて真実」と記されていた――。

『週刊誌記者が追いかけた「本当かもしれない都市伝説」』

 

すごーく含みを持たせたこんな終わり方も、いい感じの余韻が残る。

 

 

好奇心がものごとを動かす

まえがきに、こんな文章がある。

 

「そういや、昔はこういうネタが好きでよくテレビで見ていたな~。学研から出てる『月刊ムー』も、ちょいちょい買っていたな~」

突如、記者の胸に何か熱いものが込み上げてきた。

『週刊誌記者が追いかけた「本当かもしれない都市伝説」』

 

「週間大衆」編集部内にスペシャル・タスクチームの芽が出た瞬間だ。いつの時代も、どんな分野であっても、関わる人間が誰であっても、ものごとを推し進めていく一番の原動力は好奇心に違いない。

 

編集会議でネタに詰まるなか、好奇心が突破口を開くこともある。それが発火点になって連載記事が始まり、記事をまとめた本ができた。そういう過程でできた本を読んで、筆者は大いに楽しんだ。筆者と同じ感覚を抱く人は、ほかにも多くいるはずだ。スペシャル・タスクチームの初期メンバーが、どこかしら『Xファイル』に出てくる“ローン・ガンメン”を彷彿とさせるところがあることも記しておきたい。

 

 

【書籍紹介】

週刊誌記者が追いかけた「本当かもしれない都市伝説

著者:都市伝説特別取材班
発行:双葉社

週刊誌記者が、UFO、UMA、オーパーツといったオカルト伝説はもちろん、闇に葬られた和製OS、米軍が隠蔽する空飛ぶ超要塞兵器、プーチンの影武者、消えたマレーシア航空370便、ケネディ暗殺の超真相など、ありとあらゆる都市伝説ネタを追いかける!!

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