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2020/4/21 17:30

テレワークが「働く時間の概念」を変える――ひろゆき流「幸せな引きこもり」になる秘訣【前編】

なまけもの時間術』(ひろゆき・著/学研プラス・刊)を刊行したばかりのひろゆきさん。折しも世界中がコロナ禍に襲われるなか、図らずも世界規模の「引きこもり」現象が巻き起こっています。そこでGetNavi webでは、ひろゆきさんのインタビューを前後編で緊急配信。前編となる今回は、「テレワーク時代」の働き方について伺います。(※記事の内容は、2020年4月10日の取材に基づいたものです)

 

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「外に出てはいけない」=「堂々と家にいられる」という自由

--ひろゆきさんがお住まいのフランスでは、最近、さらに外出制限がきつくなったんですよね。

 

ひろゆき そうですね。昼間にジョギングなどをしていた人が多かったんですけど、今はそれもできなくなって、本当に外出しなくちゃいけない人しか、昼間は出歩いちゃいけないという状況です。

 

--徹底してますね。政府から通達されているだけでなく、街中での取締りも厳しいんですか?

 

ひろゆき はい。たとえば、出勤するために日中に街を歩いていると警察に呼び止められて、政府発行の「特例外出証明書」と、所属する会社が発行している「この人は職務柄、テレワークができません」みたいな証明書、この2種類の書類を提示しないと、逮捕されたり罰金をとられたりするんですよ。しかも、あとから「テレワークできるじゃん」って判明したら、たぶん政府からの補助金が減らされたり打ち切られたりとかもあって、けっこう厳しい措置になってます。

 

--ひろゆきさん自身は、何か生活上で変わったことはありますか?

 

ひろゆき 僕は、もともと引きこもりなんで(笑)

 

--ですよね(笑)

 

ひろゆき 外出禁止になって、ますます「外に出られない」というか、僕としては「出なくてよくなった」ので、もっとラクになりましたね。前は奥さんに「カフェ行こう」とか「レストラン行こう」とか言われて、ちょっとめんどうだなと思うことも多かったんですが、それもなくなって(笑) 家族以外でも、ますます人に時間を縛られるということが減って、もっと自分の好きなように時間が費やせるようになっています。「日中に外出してはいけない」ので、堂々と昼寝もしやすくなった(笑)

 

--じゃあ、ひろゆきさんの生活は大して変わらないというか、むしろカフェとかレストランに出かけないぶん、もっと自由になったと。ひろゆきさんは日本の企業ともお仕事をされていますが、何か日本人の働き方には変化を感じていますか?

 

 

テレワークの普及で「無駄な会議」が増える?

ひろゆき そうですね。僕は3日に1回くらいのペースでスーパーに行って買い出しをして……という以外はあまり変わりませんが、仕事では、じつは逆に会議が増えたという。

 

--え、そうなんですか?

 

ひろゆき もともと日本人って会議が好きじゃないですか。ただの報告会とか、僕からすれば「一斉メールでよくね?」って思いますけどね。前はテレビ会議ができない人が多かったので、そういう「会議すること自体、無意味だと思っていた会議」は、「すみません、パリにいるので参加できません。あとで議事録、読みますね」で済んでいたんです。でも、ここ最近は「オンラインでやることになったので、パリから参加してください」って言われます(笑)

 

--なるほど、そんな余波が。ひろゆきさんが関わっている日本企業というとITに強いイメージですけど、前は、あまりテレビ会議はなかったんですか?

 

ひろゆき テレビ会議は、前からやっていた会社もありますけど、今は、前からやっていなかった会社もやるようになってきたことで、単純に数が増えちゃったんですよね。会議をする側も、たぶん「ひろゆきは、どうせ家にいるんだから、呼び出せば出るだろう」みたいな感じだと思います。僕は、家でいろいろとやることがあるので、ヒマじゃないんですけどね……。

 

--『なまけもの時間術』にも、「僕は毎日、忙しい」って書いてありましたね。

 

ひろゆき はい。映画とかドラマを見たり、ゲームしたりしなくちゃいけないんで(笑)

 

--テレビ会議によって、会議そのものの数が増えたというのは予想外の変化でした。でも、いわれてみればそうですね。手軽だから。

 

ひろゆき 今は覚えたてのZoomとかを使いたがるところが多いんですけど、実際のところ、たいていの意思疎通はチャットで十分なんですよね。だから、テレビ会議で止まってないで、早くTextChatとかSlackとかも始めてくれっていうのが正直なところです。

 

--今はまだみんな、テレビ会議が物珍しくて、ちょっと楽しくなってしまっている段階。

 

ひろゆき そう見えますね。まあ、日本の企業全体で見ると、まだ、そこまでテレワークは普及してませんけど。いずれ普及したら、会議が手軽になるぶん、ますます無駄な会議が増えるんじゃないかという気もしますね。実際に集まる会議だと、会議室を予約して、参加者が確実に社内にいる日時を調整して……って、けっこうめんどうじゃないですか。でも、たとえばZoomだったら、会議のURLを取得して参加者に送るだけですし、参加者はURLをクリックすれば簡単に参加できますから。

 

--その可能性はありますね、嫌だな(笑)

 

 

「紙・印鑑」文化、「窓口」文化をチャラにする

--日本でのテレワークの普及率の話も出ましたけど、ある調査では、日本の企業の54%が「テレワークの実施予定なし」、20%が「現在検討中」、26%が「テレワークを実施している」と回答した、というデータもあります。この「実施している26%」というのが多いのかどうか……。

 

ひろゆき いずれにせよ、あんまり増えないと思うんですよね、今のままだと。LINEが行ったアンケートでは、およそ2400万人の回答のうち「仕事はテレワークにしている」という人は、わずか5.6%ですよ。

 

--たったの5.6%……!「今のままだと増えない」というのは、どういうことですか?

 

ひろゆき 今の欧米は「原則、外出しない」、日本は「原則、外出していい」で、これらの結果は、まったく違うっていうことです。今の日本って「外出の自粛を要請」というだけなので、会社から「出勤しなさい」って言われたら、みんな行くじゃないですか。しかも、「テレワークにする」っていうのは会社の上層部の決定ですけど、日本の企業は、割と高齢の上層部が多いから、あまり新しいことを導入したがらない。要は、行政の強制力はないし、企業はテレワーク導入に消極的っていう結果が現状なんですよ。ヨーロッパの国々のように、罰則つきの「外出禁止」となれば、否がうえにも導入せざるを得ませんよね。

 

--そこまでしないと、ラッシュ時の満員電車もなくならない気がしますね。なかには自主的に「出社禁止」を決めた会社もあるみたいですが、それはそれで、社員たちが「明日からどうしよう」って、てんやわんやになっているんだとか。そういう混乱も見られます。

 

ひろゆき 体制がちゃんと整っていないなかで無理やり進めようとすると、情報漏洩リスクなんかも増すでしょうね。導入する側があんまりわかっていないと、リスク管理面でもいろいろ厳しいと思います。Zoomも脆弱性が指摘されましたし。

 

--そうですね、たしかに。そういうリテラシーの低さなどで導入しづらいっていう話とは別に、ひろゆきさんから見ると、実際に、どれくらいの企業がテレワークに移行できると思いますか? 「テレワークの実施予定なし」という企業が54%っていうのは、明らかに多すぎる気がするのですが。

 

ひろゆき それ以前に、たぶん、企業単位でとっているアンケートの手法が問題ですよね。たとえば、よく「モノ作りの企業はテレワークできない」って言いますけど、それは、製造ラインにいる人がテレワークできないっていうことです。その他、管理職、経理や総務などの事務職、営業職などは、テレワークしてもぜんぜん問題ないはずなんです。だから、1つの企業内で「この職務だとテレワーク無理だよね」っていう人が3割くらいいて、残りの7割はテレワークできるとか、そういうふうに考えれば、テレワークできる人はもっと増えると思いますよ。

 

--何でも紙に印刷して提出するとか、上司の印鑑をもらわなくてはいけないとか、銀行窓口に行かなくてはいけないとか、社内の経理システムを使わなくてはいけないとか……、超えなくてはいけないハードルがたくさんあります(苦笑)

 

ひろゆき とりあえず、「紙・印鑑」文化とか「窓口」文化を、ぜんぶチャラにしたらいいんじゃないですか? まず書類のやり取りなんて、すべてメールで済みますよね。銀行手続きはオンラインバンキングを使えばいいし、社内の経理システムだって、会社に行かなくても済むやり方がある。それを知らない人が「無理です」って言って、言われた側も「ああ、無理なのか。じゃあ出社しなくちゃ」って思い込んでるだけですよ。

 

--そのあたりもチャラになれば、テレワークが普及しやすくなりそうです。

 

 

テレワークで、時間の使い方が一気に自由になる

ひろゆき まあ、それ以外の理由でもテレワークが厳しい人はいると思いますけどね。

 

--というと?

 

ひろゆき たとえば、社内でのキャラと家庭内でのキャラが違う人とか。社内ではふんぞり返っているけれど、家では小さくなっているという人が、家だとテレビ会議しづらいから出勤して、誰もいない社内で参加する、みたいな(笑)

 

--それはありそうです。日本の住宅は狭小ですしね(笑)

 

ひろゆき たしかアメリカ人のエピソードだったと思いますけど、こういうのもありますよ。奥さんが人事系の管理職で、ある日、テレビ会議で部下に「人はこうやって動かすものだ」と指導しているのを、たまたま旦那さんが聞いて、「ああ、自分はこうやって妻にコントロールされていたんだ」って気付いてしまったという。普段の妻の対応は愛情や親切からではなく、人事的なテクニックだったんだ、と(笑)

 

--テレビ会議のせいで、知らなくていい事実に気付いてしまった(笑) そういえば、テレワークが普及すると不倫しづらくなるっていう話も聞いたことがあります。

 

ひろゆき テレビ会議だと、いくら部屋が区切られていても何となく家庭内の雰囲気って伝わってくるんですよね。だから「奥さんと不仲って言ってたのに、じつは仲いいんじゃないの?」なんて、社内不倫の熱が一気に冷めたりとか。あとは「パートナーはいない」ってウソついて社内で浮気していた人が、部屋の様子からパートナーの存在がバレて浮気できなくなるとか。

 

--不埒な輩が活動しづらくなっていく(笑)

 

ひろゆき というわけで、テレワークって社会的にはいいことが多いんですよ(笑) まあ、そういうのは笑い話として、テレワークになったほうが、優秀な人が炙り出されやすいっていうメリットもあると思いますね。ただ会社にいるとか、ただ会議に出ているとか、そういう点がカウントされなくなって、純粋に成果だけで評価されるようになっていくので。

 

--そのなかで、何か働き方のアドバイスはありますか? 自宅でテレワークだと、ベッドやテレビが近くにあるし、基本的に人の目もない。誘惑が多すぎて仕事にならないっていう声もありますが。

 

ひろゆき 僕は基本、だらだらしているし、自分に甘いので、あまりアドバイスにはならないと思うんですけど(笑) たぶんテレワークが導入されると、かなりストレスが減ると思いますよ。

 

--通勤のストレスとか、上司と顔をつきあわせるストレスは消えるでしょうね。

 

ひろゆき ですし、もっと大きいのは、時間の使い方がほぼ自分裁量になることですね。人に予定を左右されるっていうのが格段に減って、自分で時間をコントールできるようになる。テレビ会議さえちゃんと参加していれば、いつ働いてもいいわけですよ。好きなだけ寝て、起きて、何時くらいにはスーパーに行って、これくらい時間をかけて食事を作って食べてとか、自分が好きなサイクルの中で「じゃあ、仕事はこの時間帯にやろう」みたいな時間の組み立て方ができる。

 

 

自宅にある「誘惑」には、いったん負けてしまえばいい

--なるほど。それにしても、やっぱり誘惑が多いのは悩ましいです。ひろゆきさんは、どうですか? あまり誘惑に打ち勝って仕事しているという感じでもなさそうですけど……。

 

ひろゆき まったく違いますね(笑) ただ、本当に丸1日とか2日とか、好きなことばかりして過ごすと、だいたいの人は「これじゃダメだ」って罪悪感を感じたり、「クビになるんじゃないか」とか不安を感じたりして、結局は仕事しちゃうと思うんですよね。とくに日本人って罪悪感と不安を感じがちな人たちなので。

 

--むしろ自分を甘やかして、罪悪感や不安を使って自分を仕事に向かわせたほうがいいですか?

 

ひろゆき そこまで徹底的に遊んでから仕事したほうが、効率的じゃないかって気がします。そもそも、たとえば1週間ずっと仕事をサボり続けられるような人って、たぶん会社員として続いてないと思うんですよね。会社員として今までやってこられた時点で、たぶん、そこまで「サボれないタイプ」の人なので、テレワークの最初はサボり倒しても大丈夫じゃないですか。仕事的な帳尻さえ合えば、別に「8時間勤務」を厳守してデスクにずっといる必要もありませんし。

 

--「勤務時間」という考え自体、変わっていくかもしれない。

 

ひろゆき 一説によれば、人間の集中力って30分くらいしかもたないそうです。8時間もずっと集中するなんて不可能で、「すげえ仕事したな」って実感がもてるのは、たぶん1日に3回もないと思うんですよね。突き詰めれば、1日3時間くらい働くだけで、すごく作業が進んだりする。だから、8時間勤務という考え方ではなく、「集中できるタイミング」をうまく仕事時間に当てはめればいいんじゃないかと思います。

 

--だらだら仕事するよりも、短時間集中で、自分の最大馬力をガッと出したほうがいい。テレワークになれば、そういう働き方もできるようになりそうです。

 

ひろゆき それに、だらだらしながらできる作業も、じつはけっこうあるんですよ。たとえばメールのチェックとか簡単な返信なんかは、隣でYouTubeとか流しながらでもできますよね。こうやって、会社にいるより、どんどんストレスなく仕事が進むっていう。

 

--遊ぶ、だらだらしながら作業する、集中して仕事する……っていう時間の使い方を自分で決められるんですね。会社員が、ある種「フリーランス的な働き方」を疑似体験している、ともいえるかもしれません。

 

ひろゆき しかも会社員は、フリーランスと違って給料が保証されているうえで、その働き方ですからね。かなりいいと思いますよ。楽しんでください(笑)

 

後編は4月24日(金)に公開予定!

 

取材・文:福島結実子  写真:干川 修

 

【書籍紹介】

なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23

著者:ひろゆき
発行:学研プラス

「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」「ペンギン村」……誰も思いつかなかった「価値」を生み出して「お金」も「自由」も手にした男が語る「時間をかけずに、コスパよくひとり勝ちする」方法とは…? 「時間」と「成果」に追われる人におくる、成果主義社会を生き抜く時間術。

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