本・書籍
2020/8/5 21:45

超高齢化社会にむけて、「自分の身体は自分で管理する」−−『高城式健康術55』

高城 剛は、多くの人にとって驚きの存在でしょう。『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』という著書があるように、世界中の津々浦々に住み、多彩な活動を続けています。

 

移動しながら、健康でいられるのか?

ドラえもんの「どこでもドア」を持っているのではと思うほど、彼は素早くあちらこちらに移動します。
担当編集者によると、アマゾンの奥地で生活したり、電気や水道もないアフリカで暮らしているかと思うと、いったんヨーロッパに戻り、それでいながら、いつのまにか日本に帰国しているというのです。

 

そんな暮らしのなか、高城 剛はいったいどうやって健康を保っているのでしょう? そこが一番の謎でした。
私は移動するのが、大の苦手なのです。

 

旅行自体は好きなのですが、遠出すると決まると、一か月くらい前から緊張してよく眠れません。行き先が海外となると、心身共にもうめちゃくちゃです。

 

忘れ物がないか、いざというときの薬は持ったか、靴は何足必要か? などなど心配事が重なりドギマギします。とくにここ数年は、飛行機に乗ると激しい耳鳴りと腰痛に悩まされます。

 

 

自分で自分を管理する

そんな私にとって『高城式健康術55』(高城 剛・著/光文社・刊)は驚きの本でした。彼がここまで医療に詳しいとは! まさに、びっくり仰天です。

 

けれども、よく考えてみるとそれも当然のことでしょう。彼は世界中を動き回る毎日を送っています。移動に次ぐ移動を続けていれば、どんな超人でも体調を崩すに違いありません。時差と戦い、天候の変化や慣れない食事に、耐えなくてはなりません。

 

分刻みのスケジュールが組まれる状態にありながら、仕事の質を落としてはならぬと、自分に命じてきたといいます。当然、忙しさに負けない体を保たなければなりません。

 

そのために彼がしたこと……。それは自分を知ることでした。どんなに医療が発達しても、素晴らしい医師に巡り会うことができても、結局、自分の体を管理するのは自分です。自分の主治医は自分しかつとめられないのかもしれません。

 

まずは、どんな医師、病院・クリニックも教えてくれない、「本当の自分」を知る検査からはじめたい。

(『高城式健康術55』より抜粋)

 

この信念のもと、研究を重ねてきたのです。

 

 

高齢化社会は目の前です

日本は、これまでにない超高齢化社会を迎えようとしています。『高城式健康術55』が書かれた理由も、そこにあります。どんなに抗おうとも、2025年には国民の3人にひとりが65歳以上となり、5人にひとりが75歳以上になります。

 

では、自分がその日に備えて生きているかというと、私はまったく自信がありません。

 

私の母は、若年性のアルツハイマー病で亡くなりました。自分もいつかは母の道をたどるのだろうと思いながらも、何の手立てもせぬままに、母が亡くなった年齢に達しようとしています。たまらない不安を感じながらも、「ま、何とかなるわ。いざとなったら、息子夫婦がなんとかしてくれるっしょ」と、勝手に決めています。

 

しかし、何とかなるのでしょうか?
本当にどうにかなるのでしょうか?

 

このままでは、きっと息子に迷惑をかけるに違いありません。高城 剛も息子としての悩みを抱えていることを、今回初めて知り胸を打たれました。

 

実は、元気だった僕の母(80代後半)も、ボケがはじまり、医師によれば「アルツハイマー型認知症」と診断が下され、数種の薬を処方された。

(『高城式健康術55』より抜粋)

 

けれども、彼はうろたえたりはせず、お母さまに数種のサプリメントと点滴、そして食事を変えるようにアドバイスしたといいます。その結果、ボケが始まる以前より、お母さまはお元気になり、白髪が黒髪になるほどの効果を得たというのです。

 

すごい。高城 剛は、やっぱり、すごすぎる。それもこれも、彼の研究の賜でしょう。もちろん、お母さまへの愛が一番の力になったのは言うまでもありません。

 

55の療法のうち、どれを選ぶかは、あなた次第

『高城式健康術55』には、55の健康に関するトピックが詳しく書かれています。私が既に知っていた療法もあれば、名前すら聞いたこともない療法もありました。

 

腸内リセット、アーユルヴェーダ、環境毒検査、玄米食、Bスポットクリーニング、ファスティング(断食)については、知っていました。けれども、マイコトキシン検査やアシュワガンダ・レーヒムは、聞いたこともありませんでした。そもそも名前さえ覚えられず、本を見ながら写す有様です。

 

55の方法から、私はどの療法を選ぶべきなのでしょうか。その答えも、自分を知ることにつきます。どんなに素晴らしく、効き目があるとされる点滴や薬も、全員に効果があるわけではありません。

 

『高城式健康術55』で一番最初に挙げられているのは、SNPs(スニップス)検査についてでした。SNPsという遺伝子検査を受けると、自分の祖先や、自分が罹る可能性の高い病気までわかるといいます。

 

まずは、正しい自分を知ること。どこへ出かけるのにも、自分の場所がわからなければ、目的地どころか、はじめの数歩で、道に迷ってしまうのは間違いない

(『高城式健康術55』より抜粋)

 

 

自分の主治医になりましょう

自分の体はどうなっているのか。これから起こる不調はどういうものか。今までの私は知るのがこわいと思ってきました。気づかないでいれば、のんきなままでいられるのだから、それにこしたことはないと、信じていたのです。

 

けれども、心の中は不安でいっぱいでした。そして、その不安こそが私の心身を蝕んでいたような気がします。自分の体をしっかり把握すれば、自分に適合する療法を選ぶことができるはず……。

 

これまでは、体の調子が悪いとインターネットでサプリメントを探していました。そして、呆然とします。これほど膨大な情報を整理するのは不可能だと思い知るからです。そもそも、いったい何と戦えばいいのかさえわかっていません。せめて自分の体の傾向がわかれば、次の手を打つことができるでしょう。

 

とりあえず、今日からは自分の主治医は自分と言い聞かせながら、生きていこうと思います。もちろん、お医者さんのアドバイスや助けは必要です。けれども、医師に頼り切ったまま「なんとなく不調」な状態を続けるのも、医師に対して失礼だと思うようになりました。

 

今もなお世界中を震撼させている新型コロナウイルスの感染拡大から自分を守り、生き抜くためにも、自分をよく知ることが必要です。そのことを『高城式健康術55』に教わったような気がしています。

 

【書籍紹介】

高城式健康術55

著者:高城 剛
発行:光文社

絶えず世界各地を行き来しながらクリエイターとして活躍を続ける高城剛、55歳。時差・気候や標高の変化、撮影のための長距離移動、不衛生な土地、分刻みのスケジュールの中でも常にパフォーマンスの質を保つために、あらゆる最先端の医療の知識を取り入れ、また自らも身体にいいアイテムを開発・使用しながら活動を行なっている。そんな高城氏が注目・実践する、現在、そして次世代の最新医療とは。医師ではない、健康マニアを“こじらせた”クリエイターが、変わってしまった「食事と環境」を是正することによって健康を取り戻した経験、さらに家族や友人たちの経験をもとにしてマニアックに書いた一冊。

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