本・書籍
2020/8/20 21:45

ダンスは脳にいい? −−脳を大切にするために必要なこと

暑い日が続いています。

 

「暑い〜〜。もう駄目。こんな暑い夏は記憶にない〜〜」と、ぶつぶつ言いながら、ふと、去年も一昨年も、同じ言葉を繰り返していたことに気づきました。現に、昨年の日記を見てみると「脳が溶けそうに暑い」などと、書いてあります。結局のところ、記憶が怪しくなっているのかもしれません。

 

 

脳が夏バテしてる?

私は元々、暑いのは好きで、かつ強いはずでした。以前、中国のトルファンという町に旅行に行ったときも、40度の暑さをものともせず、観光に精を出しました。それなのに、今年は冷房をがんがんにかけた部屋で「ステイ・ホーム」しているというのに、暑さで頭がぼーーっとして、「夕飯、何を作るんだっけ?」などと思っています。

 

私の場合、夏バテしているのは、体より脳だといえそうです。「暑さで脳がやられたに違いない」と、心配になった私は、前から読もうと思っていた『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』(ジョン・メディナ・著/東洋経済新報社・刊)を手に取りました。

 

脳を大切にするために必要な5つの提言

『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』の著者であるジョン・メディナ博士は、分子発生生物学者であり、人間の脳の発達や精神障害の遺伝学的研究を専門とする研究者です。

 

何やら難しそうな学問ですが、内容は単純で、素人の私でも悩むことなく読了しました。おそらく博士は万人が理解できるように、一般向けの書籍は広く浅くをモットーとしているのでしょう。

 

彼のもうひとつの著書『ブレイン・ルール 脳の力を100パーセント活用する』は31もの言語に翻訳され、世界累計で100万部を突破しているといいます。世界中の人々が、脳を若々しく保つために何かしなくてはと考えていることがよくわかります。

 

博士は次の5つの提言をしています。

 

1 社交には驚きのプラス効果がある
2 脳の劣化を抑えるための具体的方法
3 体と脳の深いつながりを意識しよう
4 脳に良いライフスタイルですごそう
5 決して引退してはいけない

 

コロナに対処するためにも脳の力は大切だ

現在、世界中を震撼させている新型コロナウイルスに賢く対処するためにも、脳の力が大切だと私は思います。

 

「コロナにかからないためには一体どうすればいいのだろう?」と、毎日、皆が頭をしぼっていますが、人類が初めて遭遇したウイルスです。賢く対処する方法など、わかるはずがありません。脳をフル回転し、自分と家族を守る方法を自分で考えるしかありません。

 

『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』では、健康な脳が最強の資産であることをくり返し強調しています。億万長者でも、早死にしてしまってはそれを使うことはできません。たとえ長生きできたとしても、脳にダメージを受けると、楽しい人生を送ることが困難になるでしょう。

 

メディナ博士は、人生を楽しむため、脳を若々しく保つ方法を具体的に教えてくれます。その方法は「えっ、そんなことでいいの?」と聞きたくなるほど、簡単で、日常的なことです。

 

ダンスが脳活に?

まず、「ダンスを始めよう」と博士は勧めます。人間は孤独のうちに生きていると、認知症になる確率が高いというのです。その理由は過度の孤独でミエリンが破壊されてしまうからだそうです。

 

ミエリン? 何、それ? 辞書を引いてみると、「神経繊維の有髄神経繊維の髄鞘を構成する物質」と、あります。何のことやら、私にはさっぱりわかりません。けれども、私は学者ではないので、ミエリンのなんたるかを理解する必要はありません。早い話が、ミエリンなるものを失わないようにすればいいのです。

 

では、そのために、何をしたらいいのでしょう。

 

メディナ博士によれば、ダンスがいいというのです。ダンスをすることによって社交が生まれ、体の触れあいによって脳に良い結果がもたらされるからです。

 

踊って、踊って、踊りまくろう。ダンスは運動になり、社会的交流を増やし、認知機能を高める

(『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』より抜粋)

 

「え〜〜!! 本当?」と、いぶかしく思いつつも、現在、私の生活にダンスや社交や人との触れあいが欠けているのは事実だという思い至りました。たとえダンスを始めることができなくても、それに気づいただけでも儲けものです。

 

大切なのは楽観的な態度

メディナ博士の提案は続きます。次に示されるのは「感謝する習慣を身につけよう」ということです。年を取ると、がんこになり、思い混みが激しくなります。それは仕方のない、年を取るとはそういうことだと、私は思ってきました。けれども、次の言葉に私は励まされ、考え直しているところです。

 

楽観主義が脳に及ぼす影響は、目で見てもわかる。彼らの海馬は、悲観的な人の海馬ほどには縮小しないのだ。これは重大な発見である。

『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』より抜粋)

 

若者も年を取るのがこわいはずです。次第に頑迷になっていく祖父母や両親を見ているうち、いつかは自分もあんな風になるのではないかとふさぎこみたくなる人もいるでしょう。けれども、「年を取るのはそんなに悪いことじゃない。楽しいことだってある」と思うことで、自分を救うことができるような気がします。

 

もちろん、それは簡単なことではないでしょう。しかし、誰もが年を取るのです。体は衰え、忘れっぽくもなります。それを「ま、いいか」と、楽観的に受け止めることで、自分を救うことができるのだとしたら、悪くはないなと思います。

 

『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』で勧める方法には、私にもできると思うものと、現実問題できないと思うものが混在しています。けれども、すべてを実行しなくてはいけないわけではありません。広く浅く「少々、取っ散らかっている」と言いたくなるほど数多くの提言の中から、自分でできそうなものを取り入れて、やってみればいいのだと思います。

 

何より大切なのは、これから先まだまだ良いことが待っている、新しい知識を得てワクワクできる、そう思うことによって人生を豊かにできるはずです。せっかくこの世に生まれてきたのだもの。いつか必ず死ぬ日が来るとわかっていても、そのときまで、驚いたり好奇心を満たしたりしながら生きていきたいと思います。

 

人は皆、それぞれのブレイン・ルールを持っています。社交が苦手な人は無理をして社交することはないように思います。ダンスが苦手な人はしなくてもいいでしょう。要は、自分のブレイン・ルールが何かを確かめ、楽しく生きることが大事なのだということを、この『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』に教えてもらったような気がしています。

 

【書籍紹介】

ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である

著者:ジョン・メディナ
発行:東洋経済新報社

友だちづくり、マインドフルネス、ソーシャルな活動、感謝する、テレビゲームで脳トレ、学び教える、カロリー制限、有酸素運動、ずっと現役、ほか。脳科学が教える、効果が実証ずみの10のルール。

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