本・書籍
2021/3/26 6:30

都心から6時間で楽しめる、ゆるゆる登山のススメ——『東京発 半日ゆるゆる登山』

春の便りが聞こえてくる今日このごろ。今年は少し運動をしたい、外の空気を吸いたい、と思っている人もいらっしゃいますよね。まだまだ遠出するのも厳しい日々が続きますが、感染対策をしっかりしつつ、半日ゆるゆる登山に出かけてみるのはいかがでしょうか? 今回は、なまってしまった体を起こすのにちょうどいい『東京発 半日ゆるゆる登山』(石丸哲也・著/山と渓谷社・刊)をご紹介します。

 

登山ってそんな簡単にできるものなの?

登山やアウトドアという言葉を聞くとギョエッ! とNG反応を起こしてしまう私の体ですが、『東京発 半日ゆるゆる登山』を読むと、不思議と行ってみたい気持ちになってきます。JR山手線の駅から出発して、半日でおさまる50コースが季節ごとに紹介されていて、高尾山くらいしか知らなかった私は、関東にはこんな魅力的な山々があるのかー! と驚くばかり。大きなリュックや登山グッズを揃えなくても、文字通り「ゆるゆる」楽しめるスポットがたくさん掲載されているのです。

 

また、『東京発 半日ゆるゆる登山』には、

 

・歩行時間、歩行距離
・標高
・アクセス(往復時間と運賃)
・適期
・モデルコース
・立ち寄りスポット

 

など、登山をしたことがない人でも安心なアドバイスがたくさん記載されているため、「ルート内に温泉あるの!?」とか「品川駅から2000円以内で行けるならいいね」とか自分で想像しながらプランを組み立てられるのも魅力です。

 

おすすめの季節ごとに紹介されているので、今週はここ、来週はあそこと本に沿って行ってみるだけでも十分に楽しめる一冊になっています。

 

4月1週目におすすめなのは「関東の吉野山」こと蓑山(みのやま)

『東京発 半日ゆるゆる登山』では、実際に著者の石丸さんが現地に赴き、「このルートで巡ったよ」という最寄り駅からのルート地図と共にその山の魅力がたっぷりと紹介されています。4月1週目におすすめなのが関東の吉野山と称される、埼玉県の蓑山。池袋駅から秩父鉄道の親鼻駅まで電車に揺られて1時間45分、そこから約1時間半歩いて蓑山へ到着します。

 

秩父鉄道が走る秩父周辺の荒川沿いは、手ごろな低山の宝庫で、蓑山もそのひとつです。他の山々は連なって、小規模な山脈状になっていますが、蓑山は少し離れて頭をもたげ、独立峰とも形容されます。全体的になだらかで、動物がうずくまったような趣。その平坦な山頂部に美の山公園が広がっています。埼玉県に桜の名所をつくろうと、10年がかりで桜を植え、1979年(昭和54年)に開園。全山で8000本が植えられているそうです。

(『東京発 半日ゆるゆる登山』より引用)

 

お弁当片手に、展望台で桜を眺めるなんて素敵ですよね。現在、埼玉県の「美の山公園」のウェブサイトに「宴会自粛のお願い」が出ているので、みんなでゾロゾロと遊びには行けませんが、感染対策をしっかりして混雑時を避ければ意外とのんびり過ごせる場所かもしれません。

 

途中には道の駅、すこし横道に入れば日帰り温泉もあり、蓑山に行って帰るだけなら半日ですが、1日ゆっくり過ごすプランも考えられそうです。

 

また、4月上旬は桜ですが、5月中旬はヤマツツジ、7月にはアジサイ、8月中旬〜10月上旬まではブドウ狩りも楽しめるとのことなので、季節を問わず「行きたい」と思ったその時に足を運べば、蓑山を堪能できること間違いなし! こんな時期なので、事前情報を調べてから行くようにしましょうね。

 

東京23区で一番高い山「箱根山」

メディアなどにも取り上げられている有名な場所なので、すでにご存知の方も多いかもしれませんが、東京23区内にも山があるのです! それが、標高44.6メートルの「箱根山」。23区で一番高い山として登録されています。ちなみに、箱根山がある戸山公園サービスセンターに行くと登頂証明書も発行してもらえるのだとか。

 

『東京発 半日ゆるゆる登山』では10月4週がおすすめとして紹介されていましたが、季節問わず楽しめる場所なので、仕事前の登山、お昼休みの登山、残業帰りの登山など都心で心を癒すスポットとして活用するのも良いかもしれませんね。

 

まだまだ油断はできませんが、少しずつ日常を取り戻そうしている昨今。春の陽気に誘われつつ、近場で楽しめるスポットを『東京発 半日ゆるゆる登山』から探してみましょう!

 

【書籍紹介】

東京発 半日ゆるゆる登山

著者:石丸哲也
発行:山と渓谷社

寝坊したから、時間がないから、とせっかくの休日に山をあきらめるのはもったいない。そこで東京都心のターミナル駅を起点に、半日のうちに行って歩いて登って安全に帰ってこられるコースをベストシーズンごとにセレクトしました。首都圏の奥多摩、高尾、奥武蔵などの山地から多摩や鎌倉の丘陵や里山、都心部の超々低山まで、花や歴史、味などの楽しみをあわせて案内します。

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