【仮想通貨の勘違い③】仮想通貨で得た利益の税率は最高55%!?
仮想通貨で得た利益の税率も気になります。様々な数字が噂で飛び交っていますが、これも不確かな情報だと木下さんは言います。
−−仮想通貨の所得に対する税率は55%と、メチャクチャ高額だという噂があります。これは本当でしょうか?
木下:税率は仮想通貨から得る所得に対して決まります。例えば、仮想通貨以外の所得で2000万円があったとします。それに加えて、仮想通貨で100万円を儲けました。合計2100万円となり、これぐらい高い金額の総所得になると税率も高くなります。逆に、仮想通貨で100万円だけを儲けて、他の所得が0円だった場合は、税率は所得税・住民税合わせて15%で済みます。
ですので、必ずしも税金の上限である55%になるということではなく、総所得に対して税率が変わってきますので、これは一概に「仮想通貨は◯◯%の税金がかかる」とは言い切れません。
【仮想通貨の勘違い④】確定申告は自分でできる!?
こうなってくると、少しややこしくなる確定申告のやり方。通常、件数の少ない収入の場合は、個人でやる人のほうが多く、ネット上でも「仮想通貨の申告は個人で」という意見もあります。しかし、実際はどうなのでしょうか?
−−その確定申告ですが、個人でやるべきなのか、それとも税理士さんなどの専門家に依頼してやるべきなのか、実際はどうなのでしょうか?
木下:仮想通貨がない場合でサラリーマンの方が確定申告する機会というのは、医療費控除や住宅ローン控除などを適用し税金を還付する場合がほとんどではないでしょうか。一番の厄介は、仮想通貨での儲け(所得)をどのように計算するか。売り上げはいくらで売却したかですので、把握はすぐにできますが、これに対して、経費計算が煩雑になるのです。
最も煩雑なのは購入した仮想通貨のうち、いくら分を売り上げに対応するもの(売上原価)にするかだと思います。頻繁に売買を繰り返す方はその把握がかなり煩雑になるため、税理士などの専門家に依頼することも検討の余地があります。それほど頻繁に売買をされない方であれば、ご自身で計算することも可能かと思います。
また、経費は売上原価だけだと思っている方が多く見られますが、そうではありません。例えば、仮想通貨関連の書籍代・セミナー参加費・専用PC・専用スマホなどは経費計上可能です。さらに、通信費・電気代・部屋代・仮想通貨取引以外でも使用しているPC代・スマホ代などはプライベート部分を除外する必要がありますので、按分計算のうえ経費計上が可能です。
節税のポイントは、経費をこまめに集計できるかどうかにかかっていると思います。