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クレカ
2018/10/3 17:30

決済に現金を使わない「キャッシュレス」の時代到来! お得な電子マネー3選

クレジットカードや電子マネーの普及で、決済に現金を使わない「キャッシュレス」の時代が、2020年を前に日本でもいよいよ本格化しつつある。今回はそうした状況の変化を、クレカ道場師範の岩田昭男が解説!

 

【今月の悩める小羊】

鋤田 万札(46歳)

・キャッシュレス化の現状を教えてほしい

・そもそもキャッシュレス化のメリットって何なの?

・買い物や食事の支払いに便利な電子マネーのオススメも教えて

事務機器メーカーに勤める会社員。高額の買い物はクレカ、少額の場合は現金で支払っているが、最近部下がほぼ現金は使わないと聞いてビックリ。キャッシュレスの現状を教わりに道場を尋ねた。

 

キャッシュレス化って本当に進んでいるのか教えて!


岩田師範「キャッシュレス化について質問があるというのはおぬしか」

 


鋤田「はい。会社の若手に『最近、現金をほぼ使わない』と聞きまして。そんなこと可能かなと」

 


岩田師範「わしも支払いはほとんどカードと電子マネーじゃがな」

 


鋤田「でも電子マネーってコンビニとかでしか使えないでしょ?」

 


岩田師範「何を言う! いまやファストフード店、スーパー、ファミレスにカフェ(プロントやルノアールなど)、タクシーと、電子マネーの利用範囲はかなり広い。音楽フェスでも飲み物や食べ物、グッズ購入に電子マネーが使えるようになり、支払いがラクだと好評じゃ」

 


鋤田「でも、そもそも電子マネーは何がラクなんですか?」

 


岩田師範「一番は財布を出したり、小銭を持ち歩いたりする必要がないことじゃな。おサイフケータイやApple Payを使えばスマホだけで買い物が可能。店員にカードを渡したり暗証番号を打ったりする手間がなく、端末にかざすだけで支払いが完了する」

 


鋤田「確かにスマホはいつも持ち歩くし、財布を忘れても安心ですね。でもなぜ最近電子マネーを使える店が増えてきたんですか?」

 


岩田師範「それは共通端末の普及が大きい。ひとつの店で多くの電子マネーが扱えるようになり、客も決済に使いやすくなったんじゃ」

 


鋤田「なるほど。でも電子マネーって色々あるけど、どれがオススメですか?」

 


岩田師範後払い式のiDやQUICPayは利便性が高いな。前払い式はカードにチャージしないと使えんが、後払い式は紐付けしたクレジットカードから引き落とすからカードの限度額まで使える。また、日本で使える場所はまだ少ないが、VisaやMastercardも電子マネーを展開。Visaのタッチ決済は海外の多くの国で使われ、国内ではマクドナルドなどが対応、来年からイオンも対応端末を導入する。これらはインバウンド対策の意味が大きいが、日本のクレカでもオリコやジャックスにVisaのタッチ決済機能搭載カードがあるぞ」

 


鋤田「ちなみに各電子マネーでオススメのカードって何ですか?」

 


岩田師範iDならdカードかの。ローソンなど様々な特約店でポイント上乗せ、割引がある。QUICPayではセブン‐イレブンやAmazonで2%ポイント還元(※1)のJCB CARD Wが魅力。Visaのタッチ決済なら海外での利用でポイント加算が2倍になるOricoCard Visa payWaveがよかろう。ちなみに、今後のキャッシュレス化の動きではQRコード決済にも注目。これはクレカや電子マネーより導入コストが安く、手数料も安めで、個人商店も導入しやすい。これが普及すれば、日本も本格的なキャッシュレス社会に突入じゃ」

 

【今月の注目カード】

特約店でiDを使うと最大5%ポイント還元や割引が受けられる

NTTドコモ
dカード
ドコモと三井住友銀行が開発したiDをおトクに使えるカード。支払い100円につき1Pが付くが、特約店では還元率が2~5%にアップする。ローソンで使うと3%割引に(※2)。

 

国際ブランド:Mastercard/Visa
ポイント還元率: 1%
年会費 :1350円(初年度無料/年1回の利用で次年度無料)

 

 

QUICPayを使いたい39歳以下は絶対に作っておくべき1枚!

ジェーシービー
JCB CARD W
年会費無料ながら1000円につき2Pと、JCB一般カードの倍のOki Dokiポイントが貯まる39歳以下WEB入会限定のカード。入会後は40歳を過ぎても継続利用可能だ。

 

国際ブランド:JCB
ポイント還元率:1%(※3)
年会費:無料

 

 

 

海外で使うとポイントが2倍になるうえに海外旅行保険も充実

オリエントコーポレーション
OricoCard Visa payWave

海外の買い物に便利なVisaのタッチ決済機能搭載。海外のVisa加盟店で使うと、通常の2倍のポイント(スマイル)が付く。最高2000万円の海外旅行傷害保険も自動付帯。

 

国際ブランド:Visa
ポイント還元率:0.5%
年会費:1350円(初年度無料/年1回の利用で次年度無料)

 

 

※1:JCB CARD Wでは支払い1000円につきほかのJCBカードの2倍のOkiDokiポイントを付与。セブン‐レブンやAmaon.co.jpではさらに2倍分のボーナスポイントがもらえる。ただし、Amazon.co.jpでの買い物の場合は、JCBのポータルサイト「Oki Dokiランド」経由で買い物し、さらにWEB明細サービス「MyJチェック」に登録していることが条件 ※2:ローソンでの買い物代金が請求時に3%割り引かれる。さらにポイントカード提示の1%、支払い時の1%と合計2%分のポイントも付与される。一部対象外のサービスがある ※3:ポイント(OkiDokiポイント)の交換レートは移行ポイント先により、0.3~0.6%と異なる。本文では汎用性の高いnanacoポイント、Tポイント(らくらく自動移行コース)での移行レート、0.5%を基準に表記した

 

 

黒帯になるためのキーワード解説

●共通端末

複数の電子マネーを読み取りできる端末。以前はSuicaやEdyなど電子マネーごとに異なる方式の端末が必要だったが、共通端末の登場で顧客と店舗の利便性が大きく向上した。近年はクレジットカードと電子マネーの両方に対応するマルチ決済端末も普及しつつある。

 

●Visaのタッチ決済

Visaが展開する後払い式電子マネー。国際標準規格であるTypeA/BのNFCを採用し、アメリカやイギリスなど世界71の国と地域で利用できる。国内では現在マクドナルド、ローソン、TSUTAYAなどで利用可能だが、2020年の東京五輪に向けて今後導入が加速するはず。

 

●QRコード決済

専用アプリを使い、QRコードを介して支払いを行う決済法。客側のスマホに表示したQRコードを店側が読み取る方法と、店頭に表示したQRコードを客がスマホで読み取る方法がある。経産省が同決済の規格統一に乗り出すなど、QRコード決済への注目が高まっている。

 

 

 

【Profile】

岩田昭男:クレジットカード分野のオピニオンリーダーとして、20年以上取材・研究に携わる。「Suicaが世界を制覇する」(720円+税/朝日新書)など著書・監修書多数。

 

文/平島憲一郎 イラスト/マガポン