グルメ
2018/1/25 11:00

和食は「トガったコンセプト」で選ぶ時代。“多彩な出汁”で勝負する自由が丘の「ちそう」が新しい!

たまにはちょっと贅沢な食事をしたい。ってとき、ありますよね? そんなときにふさわしいお店を探しているなら、明確にこだわりを打ち出した“コンセプト和食”はいかがでしょう。今回紹介するのは、本格的でありながらも大胆な発想で新たな和食の可能性を楽しませてくれる一軒。2017年10月5日にオープンした、自由が丘の「和食や ちそう」です。どんなコンセプトなのか、料理と一緒に解説していきましょう!

 

出汁を生む食材の選び方と活用法に流儀あり

「和食や ちそう」が最も大切にしているのは“お出汁”。ただ、和食であれば出汁にこだわるのは当たり前といえるでしょう。ほかと大きく何が違うのか、それは元となる食材と活用法にありました。たとえば、料理によって出汁に使う素材を変えることで味付けに広がりを持たせています。また、西洋の食材を用いて和食で表現するのも同店の特徴ですが、その際に和食としてうまく味わいが調和するように出汁を使い分けている点も秀逸。メニューで見ていきましょう。

 

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↑本日の椀もの ~真鯛の白玉包み 焼き葱 柚子~ 1000円

 

和食の献立の顔となるのがお椀です。同店では旬に合わせ2~3週間で内容が変わり、この日は焼き葱と鱈の白子が具の中心に。そして合わせる出汁は、メジマグロの削り節を使用。これによって口当たりをまろやかにして、全体的によりふんわりとした優しい味わいに仕上げています。

 

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↑完熟トマトととろけるチーズの温かいおでん〜炙りチーズの香り〜 500円

 

こちらの出汁は、カツオと昆布をベースにイワシとサバ節を加えて調合。ここまではオーソドックスな出汁ですが、トマトのなかに鶏と豚の合い挽き肉を詰め込んでいるのがポイント。さらにトッピングのおぼろ昆布やとろけるチーズと合わさることで、日本酒にもワインにも合う和洋が調和した味わいになるのです。

 

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↑日本酒はもちろん、和食の店でありながらワインが豊富なのも魅力。いま注目の国産ワインを中心にそろえています。写真は「鳥居平今村 勝沼ルージュ」グラス680円

 

 

才能あふれる若き料理人の自己の集大成が出汁の店だった

でも、なぜ出汁をコンセプトにしたのでしょうか。その背景には、同店誕生のストーリーが関係していました。「和食や ちそう」のオーナー・関 斉寛(なりひろ)さんは1984年生まれと若いながらも、28歳の時に独立して「創業5年で5店舗出店する」という目標を掲げて切磋琢磨してきた料理人。その5年目の2017年にオープンした記念すべき5店舗目が「和食や ちそう」なのですが、それ以前の4店舗も、それぞれにコンセプトがあったのです。

↑ホールマネージャーの田崎龍一さん(左)と同店料理長の中村圭一郎さん(右)が話をしてくれました

 

1店舗目は各地の鮮魚と地酒をカジュアルに楽しめる「等々力 うおいちばん」。2店舗目は旬の食材と魚料理が豊富な「自由が丘 魚斉」。3店目は本格的な”すし”と”天ぷら”をリーズナブルに堪能できる隠れ家的 懐石料理屋「二子玉川 せき亭」。4店目は鰹の藁焼きや炭火焼きにこだわった「上野毛 魚光」。それらの集大成となったのが、和食の基本である出汁を主軸にした「和食や ちそう」なのです。なお、お出汁料理以外でも独自性を感じることができます。

 

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↑季節の豆皿八寸 〜和食の技法を存分に取り入れた一皿〜 1人前1200円。東京しゃもの出汁を使った卵地蒸しや、クリームチーズを忍ばせた干し柿の天ぷらなど、旬の食材を使った肴がズラリ

 

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↑御造里 ~旬の魚をお任せで五種~ 二名様盛り 1900円〜(三名様盛りもあり/2850円~)。この日は左から、能登産 天然寒鰤、青森産 天然平目、高知産 天然生本まぐろ、明石産 天然真鯛、長崎産 鰹。隠し包丁を入れたり、炙ったり、藻塩を添えたりとネタに合わせた手法で食べさせてくれます

 

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↑特選和牛ステーキ 100g 朴葉味噌焼き 3680円。この日の部位はザブトン。甘めに調合された味噌と朴葉(ほおば)の爽やかな香りが、脂ののったお肉と絶妙にマッチします。なお味付けには「藻塩と本山椒 3480円」もあり

 

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↑海鮮4種の土鍋炊き込みご飯 一合 1900円~。牡蠣、イクラ、雲丹、カニがのった、鮮やかな色合いも楽しめる逸品です

 

伝統的な和食の調理法と出汁の風味を大切にしながら、時に洋風のエッセンスなどを加えて現代的に落とし込んでいく。そんな一皿は、きっと前衛的な日本酒やワインとも美味なるマリアージュを楽しませてくれるでしょう。

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↑少人数で行くなら、白木のカウンターが特等席といえる絶好のシート

 

明かりが落とされた空間は、凛とした雰囲気で非日常感も満点。職人の動きや会話を楽しめるフルオープンキッチンカウンターのほか、まったりくつろげる個室やテーブル席もあります。接待やデートなど、特別な会食にもオススメなのでぜひこの冬に訪れてみてはいかがでしょうか!

 

【SHOP DATA】

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和食や ちそう

住所:東京都目黒区自由が丘1-26-14 オクズミビル 地下1階 北側

アクセス:東急線「自由が丘駅」正面口徒歩3分
営業時間:月~土17:00~23:30(L.O.22:30)、日祝16:00~23:00(L.O.22:00)

定休日:なし