大宮駅東口のすずらん通りの辺りは、駅周辺の再開発が進んだいまも昭和の面影をとどめる場所。昭和49年創業の「つくば本店」は、そんなすずらん通りの入口付近にある。
だしのうまみが利いた古きよき立ち食いそば
ドアを開けて店に入ると、中は幅が狭く、店の奥までカウンターが延びている。客は6~7人で満員。まさに古きよき立ち食いそば店といった趣きに満ちている。
そんな同店のそばもまた、懐かしい昭和の味だ。麺は中太のゆで麺で、食感は柔らか。だしへのこだわりは強く、枕崎のかつお節、さば節、日高の昆布をぜいたくに使っている。そのだしのうまみをやや甘辛のかえしで受け止めたつゆは、酸味とコクがほどよくあり、まろやかな一体感が感じられる。何度食べても飽きない味だ。
店の名物は「メンチそば」と「コロッケそば」。厚めで肉がギッシリ詰まったメンチカツは食べ応えがある。コロッケもじゃがいものかたまりが残る手作り感がいい。
またこの店は、おにぎりも名物だ。その季節で最も味のいい銘柄の米を仕入れ、海苔は巣鴨の老舗店のものを使う。一番人気はさけのおにぎりだ。
多くの常連が慕うおばあちゃんオーナーの温かい人柄も人気の秘密。大宮、いや埼玉に欠かせない名店といえる。
つくば本店 駅前店
住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-17
営業時間:7:30~23:00(月~金)、7:30~22:30(土、祝日)、7:30~20:00(日)
定休日:無休
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立ち食いそば名鑑120 首都圏編
定価:本体690円+税
発売日:2017年12月7日
発行所:(株)学研プラス