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2018/10/31 18:00

「究極のレモンサワー」に使うなら、コレ以外ありえない! 瀬戸内の「レモン島」で「皮が違う」絶品レモンに遭遇

「究極のレモンサワー」を志すGetNaviプロデューサー・松井謙介。前回は宮崎県の高鍋町にある宝酒造「黒壁蔵」を訪れ、最適な焼酎の候補を手に入れた。今回は、レモンサワーにぴったりなレモンを探すべく、「瀬戸田レモン」で知られる国産随一のレモンの生産地、広島県の生口島(いくちじま)を訪問。果たして、最高のレモンは見つかるのか? 地元JAの全面協力のもと、レモン探しの旅が始まった!

 

国内随一のレモンの産地、広島県の生口島に到着!


「来たぜ、生口島! そして来たぜ、JA三原せとだ支店へ」

 

改めて説明しよう! 生口島とは瀬戸内海に浮かぶ島のひとつで、人口は約8700人。広島県と愛媛県を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」のほぼ中央に位置する。住所でいえば広島県尾道市にあたり、島の東南部を除くほとんどの地域が瀬戸田町だ。瀬戸田町は柑橘類の栽培に適した「瀬戸内式気候」(※)で、1928(昭和3)年にレモンが栽培され始めてから約90年後の現在、「瀬戸田レモン」の名産地として全国に名を轟かせるに至った

 

ちなみに、島の農家の99%がレモンやみかんなどの柑橘を栽培しているとのこと。つまり、この島の農家のほとんどがレモン作りのプロなのだ。特に島の西端の垂水地区は栽培が盛んで、「レモン谷」と呼ばれる名所も存在する。

※瀬戸内式気候……瀬戸内海沿岸地域に見られる気候。年間を通じて晴天が多く、降水量が少ないため、乾燥しているのが特徴

 

…と、そんな情報はつゆ知らず、「レモンといえば瀬戸田」というざっくりした情報のもと、生口島に渡った松井。まずは情報収集のため、「JA三原せとだ⽀店」を訪れた次第である。今回はなんと、JA三原の運営委員会会長、原田 悟さんがじきじきにお会いしてくれることに。

↑JA三原の理事で、運営委員会の原田 悟会長

 

瀬戸田町はレモン栽培には最適な気候

例によって、松井は基本中の基本から質問していく。

 

瀬戸田って、どうしてレモン作りが盛んなんですか?

 

やっぱり一番は気候ですね。レモンって、寒すぎると冬を越せないんです。降水量の少なさと日当たりの良さもポイントですね」(原田会長)

 

環境について詳しく述べると、瀬戸田町の年平均気温は15.5℃と温暖で、年間降水量は1058.8mmと少なめ。また、島の大部分が水はけのいい花崗岩(かこうがん)で、なおかつ土地の約半分が急斜面となっていて日当たりも良好だ。さらに、瀬戸内は北の中国山地と南の四国山地に守られた位置にあり、台風が上陸しても、その勢いが弱まりやすい。

 

「台風のような荒れた天候になりづらいことがレモン栽培には重要というのも、レモンの木にはトゲがあって、強い風が吹くと自らのトゲで葉や実に傷をつけてしまう。そうなると、傷口から『かいよう病』(茶色い斑点ができる病気。レモンはかかりやすい)に感染してしまうんですよ」(原田会長)

 

これを聞いた松井、「へえ、自分のトゲで自らを傷つけてしまうなんて。強すぎる自意識を抱え、自らを責めていた、あのころのオレのようだ」。…と、勝手に同情するとともに、気候、地形の面から瀬戸田はレモンの栽培に理想的な地であることを理解した。

↑瀬戸田町では、瀬⼾⽥レモンを使った商品開発も積極的に行っている。応接室にはのど飴やはちみつ、化粧品などがズラリ。取材に訪れた芸能人の色紙も多数飾られていた

 

フレンチの有名シェフが瀬戸田レモンを高く評価

ちなみに、瀬戸田レモンの味の評価ってどうなんでしょうか?

 

素朴な疑問に答えてくれたのが、同席していたJA三原の柑橘事業本部の宮本悟郎部長。

↑俳優の遠藤憲一に似ているJA三原、柑橘事業本部の宮本悟郎部長

 

「私はそこまで食べ比べたことがないので、よくわからない部分はあります。ただ、数年前に広島県がPRの一環で、瀬戸田レモンを東京の一流レストランの料理長たちに味わっていただく機会を設けてくれまして。その際、あるフレンチの有名シェフに『世界中のレモンを現地で味見してきたが、瀬戸田レモンはシチリアのレモンに次いでおいしい。芳醇な香り、まろやかさが違う』と。『ほかではマネできない素晴らしいモノを作っていることに対して、もっと自信を持っていい』とお言葉をいただきまして。味の感じ方には個人差があるとは思いますが、その言葉がひとつの自信になっています」(宮本部長)

 

おお、世界に冠たるシチリアレモンの次というのがスゴイ! しかも、世界中のレモンを食してきたシェフが言うのだから、説得力が違う!

 

さらに、先述の原田会長は、外国産とは違って「防腐剤や防カビ剤、ワックスを使わない安全性も、瀬戸田レモンの特徴」という。

 

事実、瀬戸田では“皮まで食べられるレモン”を目指しており、2008年には安全・安心の指標となる広島県の特別栽培農産物の認証を取得。現在は、広島県産レモンの最高峰となるプレミアムブランド「せとだエコレモン」を形成するに至った。

↑こちらがエコレモン。左が完熟レモンで、右がグリーンレモン

 

ん? 「皮まで食べられるレモン」だって? その言葉を聞いて、松井は思い出した。たしか以前、宝酒造さんが、レモンサワーに使うレモンは「皮が重要」と言っていたような……。

 

その記憶は正しかった。レモンサワーの知見が深い宝酒造によると、レモンの皮を搾る際ににじみ出るレモンピールオイル(レモン精油)が重要とのこと。そのフレッシュかつスウィートな香りが、レモンサワーの味わいをさらに高めてくれるのだとか。その点、瀬戸田レモンならば、安心して皮をまるごと使える……! まさにレモンサワーにはうってつけではないか!!

 

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完熟レモンとグリーンレモンにはそれぞれ違う魅力が!

続いて、JA三原の方々のご厚意により、実際にレモンを味⾒をさせてもらえることに。フレンチの巨匠が認めたというそのお味は……?

「おお、完熟レモンは味が濃い! 後味に奥行きがあるね。確かにすっぱいけど、ツーンとしないから、味がやわらかく感じるというか。皮もなんだかサクサクしてて面白い!」

「そして、今が旬だというグリーンレモンのほうは……うん、若々しくてフレッシュ!  とにかく香りが抜群で、なんともいえない爽やかでフルーティな香りがする。皮の苦味も心地いいし……。さて、『究極のレモンサワー』には完熟とグリーン、どちらがいいか……。これは迷うところだが、グリーンレモンのあの爽やかな香り…どうしても忘れられない。旬ということもあるし、今回は、グリーンレモンを使おう!

そう決意したところで、レモンサワー作りのヒントになるかも…との思いから、「地元ではレモンをどんなふうに使っているんですか?」と聞いてみた。

 

「定番でいえばはちみつレモンとか。珍しいところでは、皮ごと輪切りにして香り付けをするレモン鍋、また、ポン酢に搾る柑橘にレモンを使うことは多いですね。ほかには、かきあげの具のひとつにレモンの皮を使う人もいますよ。飲み物でいえば、レモネードやっぱり、炭酸との相性がいいですね。炭酸の泡がはじけるときに、香りが広がりますから。単に炭酸水に果汁をしぼっただけでもおいしいですよ」(宮本部長)

 

「おお、ということは、レモンサワーにも……」

 

「間違いなく合いますね。瀬戸田のレモンは甘味が豊かでコクが深いから、レモンサワーに入れても味わいが際立つはず。ぜひこのレモンでサワーを作っていただきたいですね!」(原田会長)

↑瀬戸田のレモンと宝焼酎を使ったレモンサワー、タカラ「産地の恵み」<瀬戸田レモン>も地域限定で発売されている

 

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海が見える農園の素晴らしいロケーションには理由があった

ちなみに、先述の原田会長は自身でもレモン栽培を行っており、農園を所有しているとのこと。案内してくださるとのご厚意に甘え、JA三原せとだ支店からクルマで約10分の場所に位置する農園を訪れた。

↑レモン農園の目の前が瀬戸内海という素晴らしいロケーション

 

到着すると、思わず「老後はここに住みたい……」と考えてしまうほどの素晴らしいオーシャンビュー。海と道路を隔ててすぐの場所に傾斜のある丘が広がっており、丘の斜面にはレモンの木がびっしり。ここだけで年間6万トンものレモンが収穫できるという。

↑レモンの木が実をつけている姿を見るのはもちろん初めて。「うおっ、ホントになってる。なんか感動!」と喜びを隠せない

 

↑レモンを収穫する原田会長

 

ちなみに、眼前に海があり、斜面であることはレモン栽培に適した条件のひとつだそう。なぜなら、海面が陽光を反射することで、斜面に届く光の量が増えるから。また、斜面だと太陽の光を受ける面積が増え、海から反射される熱も浴びやすい。もうひとつ、傾斜地は水が溜まらずに流れるのもメリット。降雨が少ないことも手伝って、果実が水分を蓄えようとするため、おいしいレモンができるという。

 

減農薬・防腐剤不使用ゆえの苦労も多い

↑軽トラックの荷台に積まれたグリーンレモン。鮮やかな緑が印象的だ

 

ふと軽トラックの荷台に目をやると、カゴに入った収穫したばかりのレモンが。どれもハリ、ツヤがあり、ワックスがついていないのが信じられないほど。これほどのレモンを育てるには、多くの苦労が伴うはずだ。

 

除草剤をまかないわけですから、こまめに雑草を刈らなきゃいけない。こうしないと、土のなかにある栄養が木にいきわたらんのです。あとは先ほどもお話しした『かいよう病』対策ですね。強い風で木のトゲが実や葉を傷つけないように、また、傷ついてしまった場合は、かいよう病が広まらないように、しっかりと対策をすることが大切です」(原田会長)

↑こだわりを語る原田さん

 

↑5月ごろから咲き始めるという清楚なレモンの花。鼻を近づけるとほのかにレモンのニオイがした

 

ハート型のレモンなど、新たな取り組みも行っている

防腐剤やワックスを使っていないため、必然的に新鮮な状態を維持できる期間が短いのも苦労のタネ。そのため、一度に収穫するのではなく、出荷のタイミングに合わせて少しずつ摘んでいかなければならないのだ。一方で、心が躍る新たな取り組みも行っているという。

 

「これ、見てくださいよ。オリジナルの枠に入れて育てたレモンなんですけど、横から見ると、ホラ、ハート型でしょ? カットすると、キレイなハートになるんです。普通のレモンより高いんですけど、カフェやレストランで大好評ですね」(原田会長)

 

確かにこれがレストランで出てきたら、インパクトは絶大だろう。松井も「スッゲエ! これは絶対インスタ映えしますね!」と興奮し、撮影した画像をその場でツイートしたほど。…ブランドの価値を高める一方で、新たな挑戦も忘れない。こうした気概こそ、瀬戸田レモンが人気を博すもうひとつの理由なのだろう。

↑こちらがハート型。今後も型枠の材質や色などを試行錯誤しながら、よりよいものに進化させていくそう

 

↑カットした状態

 

レモン農園をあとにし、生口島を去るときがやってきた。

 

「…温暖で乾燥した理想的な気候。日照が多く、台風の被害が少ないという最適な環境で、生産者が農薬や防腐剤に頼らず、熱意と愛情をもって栽培に取り組んでいる。そんなレモンが、レモンサワーに合わないわけがない。そして、間違いなく黒壁蔵で選んだあの焼酎にも合うはずだ

 

…ここで手に入れたレモンは、絶対にムダにはしない。必ず、究極のレモンサワーを完成させてみせる!」

 

瀬戸内の海に向かい、松井は固く心に誓ったのであった。

 

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次回は、「宝焼酎」と「瀬戸田レモン」をはじめ、全国から集めた最高の素材、機材、技術を使ってレモンサワーを試作。試飲の末、「究極のレモンサワー」のレシピを決定する。試飲会には「飲み姿がかわいい」と話題の某グラビアアイドルも参加予定。お楽しみに!

 

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