グルメ
2018/10/24 20:41

味噌汁だけじゃない! “味噌探訪家”が教える絶品「味噌レシピ」

体にいいと注目されている発酵食品。味噌は、日本を代表する発酵調味料としてどの家庭にもあるわね。家族が健康に過ごせるように毎日の食事に取り入れたい、でも味噌汁以外のお料理にはどう使えばいいのかわからないの……。

 

そういえば、ご近所の岩木みさきさんは、“味噌探訪家”として全国の味噌蔵を訪れていると言っていたわね。もしかしたら、おいしい味噌レシピを知っているかも! レシピを教えてもらいがてら、味噌の特徴についても聞いてみよう。

参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。きょうはお母さんが、なにやら困っているようです。

 

参田家の人々とは……
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ちょっと気弱なお父さん、元気でしっかり者のお母さん、もうすぐ小学生の娘、甘えん坊の赤ちゃん、家族を見守るオスの柴犬の4人と1匹家族。年中困ったことが発生しては、ご近所の専門家に解決策を伝授してもらい、日々を乗り切っている。

 

時短できておいしい味噌レシピを教えて!

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お母さん「味噌は体にいいって聞くけど、どんなメリットがあるんですか?」

 


岩木さん「味噌には麹菌・乳酸菌・酵母菌などいろいろな菌が含まれていて、腸内で善玉菌を増やしてくれるんです。免疫細胞の7割が腸にあり、味噌を摂ることで免疫力が高まるともいわれているんですよ。しかも、原料である大豆には食物繊維が豊富なので、便秘解消も期待できるんです!

 

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お母さん「免疫力がアップするなんて、これからの季節からは重要なポイントですね。しかも便秘にも効くなんて女性にはうれしい!」

 


岩木さん「味噌の原料である大豆には“イソフラボン”が含まれています。これは、女性ホルモンの“エストロゲン”に似た働きをするので、ホルモンバランスを整えてくれるほか、美肌効果も期待できます。ほかにも、発酵の効果で大豆の状態よりも“ビタミンB12”が増えます。料理で使うときにも、含まれている酵素の作用により分解され、体に負担をかけずに栄養素を吸収できるんです。さらに、微生物が分泌する酵素“アミラーゼ”がでんぷんをブドウ糖に、“プロテアーゼ”がタンパク質をアミノ酸に分解することで、甘みや旨みが生まれます 」

 

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お母さん「おいしく健康になれるのが味噌なんですね! 体にいいことはわかったけど、1日にどれぐらいの量を食べればいいのでしょう?」

 


岩木さん「一度にたくさん食べるより、毎日続けて食べることが大切です。継続することで、腸内の善玉菌が増えて腸内環境が整い、免疫力がアップしますから。具沢山の味噌汁を作れば、栄養バランスもばっちりですし、小腹が減ったときは、マグカップに大さじ1杯の味噌をお湯にとかして『簡単味噌スープ』を飲むのもおすすめですよ 」

 

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お母さん「でも、味噌汁ってワンパターンになりがちなんですよね……。ほかにも味噌を使ったレシピはないでしょうか?」

 


岩木さん「それなら『鶏むね肉の香味味噌だれ』なんて、いかがですか? 味噌は鶏肉を蒸す際の塩味、そして香味だれのコクととろみの3役をひとつでまかなうことができます。さらに、鶏肉を蒸したあとに残った蒸し汁は、味が染み出しておいしいので、チキンスープとしてもいただけますよ。ネギを加えて、味の濃さをお好みで整えるだけ。フライパンひとつで2品できちゃう、時短レシピなんです!」

 

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お母さん「おいしそう! しかも、一度に2品できちゃうなんてラクチンですね。味噌以外に調味料は必要ないんでしょうか?」

 


岩木さん「味噌を使った料理は、すべて味噌味になると思われがちですが、実はそれだけではありません。味噌をしょう油や塩の代わりに使うことで、塩味のほかにコクや旨みもプラスすることができます。難しく考えず、味噌+水=しょう油だと思って、いろんな料理に使ってみてください」

 

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お母さん「味噌をしょう油や塩の代わりに使うなんて目からうろこ! でも、味噌って地域によって違う種類があるから、使い分けるのが難しそうですね……」

 


岩木さん「味噌は、麹によって種類が変わります。米麹を使用したものは米味噌、麦麹を使用したものは麦味噌、大豆自体を麹にすれば豆味噌になります。大豆と麹の量によって味に差が出たり、タンパク質の量も変化します。どの料理にどの味噌が合うのかは、お好み次第! いろいろな味噌と旬の食材を組み合わせて、好きなパターンを見つけてほしいですね。ちなみに私は気温の高い季節には、熟成期間が短く麹の割合が高い甘めの味噌、寒い季節は熟成期間が長くコクがあり塩分高めの辛口の味噌が、旬の食材と相性がいいと思います」

 

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お母さん「味噌ってバラエティ豊かで奥深いんですね!」

 


岩木さん「私がおすすめする百川味噌は、木桶仕込みの本格派の味噌です。木桶仕込みの味噌は全国の味噌生産量の1%以下といわれていて、とっても貴重なんですよ。長年使用している木桶には個性豊かな菌が住んでいるので、木桶ごとに異なった蔵独自の味になります。これを“蔵ぐせ”と呼んでいるんですよ」

 

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お母さん「木桶によって違う味わいの味噌になるなんて驚きです!」

 


岩木さん「百川味噌は木桶で約1年間熟成させた天然醸造の越後味噌。原料に国産大豆、国産米、赤穂の天塩を使った10割麹の米味噌で、酵母が生きたままの生味噌です。香りも豊かですし、腸内環境を整えるのにもおすすめ。せっかくなので、『鶏むね肉の香味味噌だれ』のタレで使う分は加熱せず、菌をそのまま腸に届けちゃいましょう!」

 

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お母さん「おいしくって、腸内環境を整えてくれるなんて、実は味噌って万能なんですね。なのに、うちの娘はたまに味噌汁を残すんですよ……」

 


岩木さん「『味噌づくり材料セット』で、娘さんと一緒にお味噌作りをしてみてはどうでしょう? 食育としてもいいですし、寝かせる期間によってお好みの味加減にできるのでご家庭の味を作れますよ」

 

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お母さん「それはいいですね! きっと愛着が湧いて残さず食べてくれるはず。できあがったら、いろんな料理に味噌を使ってみます!」

 

フライパンひとつで2品! 「鶏むね肉の香味味噌だれ」

①鶏むね肉を斜め半分に切る。長ネギは緑色と白色の部分に分け、白色部分はみじん切りにする

 

②フライパンに鶏むね肉、長ネギの緑色部分、混ぜ合わせた<A>を入れる

 

③蓋をして強火で1分、弱火で7分、火を止めて5分蒸らす

 

④ボウルで<B>を混ぜたら、みじん切りにした長ネギを加え、和える

 

⑤ ③の鶏むね肉を食べやすい大きさに切り、④をかけたら出来上がり!

 

⑥フライパンに残った汁は、茶漉しで漉し、お好みの濃さに味を調整し千切りにした長ネギの緑色部分を加えてチキンスープに!

 

【材料(2人前)】

鶏むね肉…1枚(300g)
長ネギ…1/2本
大根…適量
かいわれ大根…適量
ラディッシュ…適量

<A>
水…100ml
酒…大さじ2
百川味噌…大さじ1
おろししょうが…大さじ1/4

<B>
百川味噌…大さじ1/2
米酢…大さじ1/2
ゴマ油…大さじ1/2
砂糖…大さじ1/4

 

まとめ

香味味噌だれで免疫力アップ!

岩木さんに教えてもらった「鶏むね肉の香味味噌だれ」は、しっとりとしたお肉に香り豊かな味噌だれがぴったりだったわ。香味味噌だれの長ネギには「アリシン」、つけあわせの大根には「イソチオシアネート」が含まれていて、殺菌効果も期待できるんですって。季節の変わり目や、乾燥する冬には喉を守ってくれて風邪予防にもなりそう。今から整腸作用と免疫力アップ効果がある菌がたっぷり含まれた、「生味噌」を仕込まなくっちゃ!

 

【商品情報】

DIDYCO「味噌づくり材料セット(出来上がり4kg用 樽付き)」
3437円

 

教えてくれたのは……

実践料理研究・味噌探訪家/岩木みさきさん

10代の頃、拒食症・過食症・ひどい肌荒れに悩み、食生活を見直し改善に成功。短期大学を卒業後し栄養士の委託会社に就職し3年間病院勤務後、独立。“日々の中で実践出来ることが健康につながる”と考え、レシピ考案・撮影、地方の中小企業支援、ラジオやTV等のメディアにも出演。料理教室misa-kitchenを主催。“みそ”に魅せられ各地のみそ蔵を訪問。木桶仕込みのみそを「ガチみそ」と名付け、日本の伝統調味料を沢山の方の伝えたいと活動中。【Instagram】@iwakimisakimiso
https://www.misa-kitchen.jp/