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2019/9/8 19:00

カレーや麻辣中華に合う酒を発見! 50周年で新作もウマい「杏露酒」が最適解

いま、グルメ界では街中華や辺境中華(雲南、山西、新疆ウイグルなどの地方調理)がジワジワ盛り上がっています。それに合わせたいお酒といえば、青島ビールや紹興酒などの中国酒が挙がりますが、「杏露酒」(しんるちゅう)も見逃せません。

 

↑1969年から飲まれ続けているロングセラー「杏露酒」(参考価格:税込810円)。黒いラベルは8月27日に新発売された「杏露酒 はちみつあんず」(参考価格:税込980円)

 

杏露酒は甘さがあるので料理との相性はどうかと思いきや、飲み方次第で絶妙な食中酒になるのも魅力。しかも今年は発売50周年ということで新商品が発売され、その発表会で多彩なアレンジを試してきました。歴史や組み合わせの妙、そして新作の特徴もレポートしたいと思います。

 

日本人に合う中国酒として半世紀前に誕生

50周年を迎えた定番ではあるものの、その来歴について知られていないことも少なくないでしょう。杏露酒は中国からの輸入酒ではなく、“日本人に合う中国酒”というコンセプトで、現在キリングループである永昌源が開発しました。着目したのは、中国の果物を使うこと。

 

一方、当時はまだ女性が気軽にお酒を飲める時代ではなかったのですが、より幅広く、女性も楽しめるような中国酒の入門になるようにという思いから、あんずが採用されることに。その甘酸っぱい風味を凝縮するとともにはちみつを効かせ、濃密な味に仕上げたのです。

 

↑使われているあんずは、かなりの大きさ。実は皮が柔らかく傷つきやすいため、手摘みで収穫するなど丁寧に扱われています(写真は開発担当者が漬けたもの)

 

ネーミングの決定にも紆余曲折があったとか。高度経済成長期であった当時はレジャーブームで、海外文化への憧憬も強かったことから横文字が人気でした。アイデアとしては「アプリコット」や「フィズ」といった案もあったそうです。ただ、“他社が絶対マネできない中国酒メーカー”としての矜持から、“あんずのつゆ”を漢字で書いた杏露酒がファイナリストに。この清々しさと「しんるちゅう」という美しい響きに、中味と商品イメージが完全一致したことから最終決定したそうです。

 

↑シリーズとして、いまや様々なフレーバーが仲間入り。茘枝(ライチ)酒や、ストレートで飲むタイプなどもあります

スパイス料理に寄り添うお酒に早変わり

発表会では、杏露酒による多彩なアレンジを試させてもらいました。割る素材によって、キャラクターを変えるのが興味深いところ。特に意外だったのが牛乳とのブレンドです。あんずのまろやかな酸味が見事にとけあい、杏仁豆腐やマンゴーラッシーのような爽やかで甘酸っぱい味になりました。

 

↑マイルドでオリエンタルな味わい。中華なら麻辣(マーラー)の効いた刺激的な料理に特にマッチ。マンゴーラッシーのようなニュアンスもあるので、カレー的なスパイス料理にも絶対に合います

 

↑無糖紅茶との組み合わせもナイス。カシスウーロン的な、最初にお茶の渋味が来て余韻にフルーティなフレーバーが抜けていく、すっきり系のおいしさです

 

8月27日に発売された「杏露酒 はちみつあんず」と、定番の杏露酒との飲み比べも体験。ちなみにこの新作は50周年を記念して、いっそう素材のよさにこだわった内容になっています。

 

↑新作のほうが濃密な印象。なお、色味の違いは出荷時期による瓶内熟成の違いとのことで、基本的には大差ないそうです

 

あんずは、特に国産となるときわめて希少性が高く、日本で採れるのは長野県のごく一部。生産量は国産梅の50分の1といわれているそうです。実は、「杏露酒 はちみつあんず」はその長野県産あんずを100%使っているのが最大の特徴。さらにはちみつをたっぷりとブレンドし、よりリッチな味わいに仕上げているとか。

 

↑バニラアイスにかけ、デザート風にして試食。ここでもミルクとの抜群の相性を実感しました

 

当初のターゲット通り、杏露酒は女性を中心に人気を博しているブランドです。とはいえ、割り方やペアリング次第では男女問わずに楽しめるお酒だと実感しました。特に、前述したような辛味の強い料理の刺激をリセットしたりやわらげたりするには効果てきめん。昨今はカレーをはじめとするスパイス料理が話題になっていますが、そういったエスニックフードにもベストマッチするのではないかと思います。ぜひ、男性でもお試しあれ!

 

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