サッポロビールとファミリーマートの共同開発による「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」が2月2日に発売されました。各所でニュースとなっていたのでご存知の人も多いはずのこのビール、さっそく購入してきたので味わいをレポートしたいと思います。
話題になった理由と製法の特徴とは?
まずは改めて、このビールがなぜ話題となったのかに、簡単に触れていきます。当初は2021年1月5日に「1月12日から発売します」とのニュースリリースが出たのですが、3日後の1月8日に発売を中止するとの発表がされました。その理由は、デザインの一部に誤表記があったからです。
それを受け、「もったいない」「飲んでみたい」など発売を切望する声がネットを中心に駆け巡りました。これらの意見をもとにサッポロビールとファミリーマートでも慎重に検討が重ねられ、1月13日に、改めて2月2日に発売されることが発表されたのです。
この一連の流れが大きな話題となったわけですが、ビールの造り方にも注目すべきポイントがあります。それが、仕込釜において煮沸を3回行うことで麦のうまみを引き出す、ビールの伝統的な製法「トリプルデコクション」。
2回行うダブルデコクションは珍しくありませんが、3回ともなると時間がかかるため現代ではあまり採用されておらず、この点だけでも希少だといえるでしょう。そして、このトリプルデコクションは1876年に日本人による初のビール工場として開業した「開拓使麦酒醸造所」で用いられていた製法であることから、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」という商品名になっているのです。
ボディが豊かで濃厚。飲みごたえのある味わいだ
通常より手間暇がかかるトリプルデコクションを採用したビールは、力強く飲みごたえのある味わいになるのが特徴ですが、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」はどうでしょうか。いよいよ飲んでみます。
香りからして感じられるのは、麦芽の豊かな甘味。「LAGER」というのはラガー=貯蔵工程で熟成させたビールのことで、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」は爽快感もありながらボディがふくよかで濃厚な味わいです。
黒ラベルはビールらしいすっきりとした爽快感がありながらもコクが十分にあって、スイスイいける飲み口。ドリンカビリティ(おかわりしたくなるおいしさ)の高さを改めて感じます。一方の「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」は、どっしりとして甘味も苦味も豊か。ファミリーマートで購入する際は、こうして飲み比べるとより特徴がわかりやすいと思います。
ペアリングとして合わせるなら、魚よりも肉、塩系よりもタレやソース系の味付けの料理が合うと思います。ファミリーマートのおつまみとしては、個人的には「おつまみメンマチャーシュー」が特にオススメなのでお試しを。
総評としては、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」は無事発売されてよかった!と心から思うウマさでした。明治時代の製法を用いたビールということで、2月14日から新たに始まる、渋沢栄一が主人公の大河ドラマを観ながら一杯やるには最適なビールです。ちなみに、渋沢栄一はサッポロビールに繋がる「札幌麦酒株式会社」の会長を務めていました。
意外なところで話題性が高まった「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」ですが、これまでもサッポロビール×ファミリーマートの限定ビールは「ビアサプライズ」シリーズなど名作が多いカテゴリーです。今後もいっそう注目を!
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