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2022/7/31 6:15

2022年上半期大ヒットの翠ジンソーダ缶!「翠ジンをもっと身近な存在にしたい」開発担当者の強い思いがあった!

早いもので、2022年ももう折り返し!!ここでは、上半期に売れたモノ・話題になったコトを大きく「家電・デジタル」「レジャー・乗り物」「日用品」「フード」「エンタメ」にカテゴリ分けして総ざらいしていこう。今回は「翠ジンソーダ缶」を紹介。

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

翠ジンソーダ缶

サントリー

翠ジンソーダ缶

193円(350mℓ)、261円(500mℓ)

日常の食事にマッチする爽やかな味わいを気軽に楽しめるRTD。「翠(SUI)」と炭酸水を1:4で割ったことを想定し、ALC7%に設定した。ボトル同様の清々しいカラーリングとブランドロゴのデザインで爽快感を表現。

 

食中酒として徹底的に追求し“第3のソーダ割り”の地位を確立

ハイボールとレモンサワーに続く“第3のソーダ割り”として、勢力を拡大しているのがジンソーダ。この火付け役の「翠(SUI)」は、3月に発売した缶タイプも順調に売れている。なぜここまでヒットしたのか? 味の決め手は? その核心に迫った。

 

ジンブームの決定打となった食事に合うソーダ割り提案

酒は素材や製法などによって様々な種類に分かれるが、昨今、存在感を増しているのが「ジン」だ。最大の特徴は、ジュニパーベリーというスパイスを使っていること。作り手のこだわりが詰まったクラフトジンの登場や、消費者とスパイスが身近になったことで注目されていたなかで、サントリーの「翠(SUI)」が普及の起爆剤となった。

 

食事に合う味設計や、和の素材を採用した香り高さ、親しみやすいソーダ割りでの飲み方提案がウケて大ヒット。そして、その味を缶で再現した「翠ジンソーダ缶」が3月に発売された。いままでジンを飲んだことがない人でもトライしやすいサイズで、若年層の取り込みにも成功している。レモンサワーなどとはひと味違った爽快さでリピーターも多く、食中酒選びに新しい選択肢が加わった。

 

↑伝統的なジンに頻用される8種のボタニカルに加え、ゆず、緑茶、しょうがの3種の和素材をプラスした。繊細な香りが華やぐすっきりとした味を実現

 

【ヒットの裏付け】 発売1か月で年間販売計画を100万ケース増の上方修正

3月に発売後、1か月で当初の年間販売計画150万ケースの65%を超える販売数を記録。約1.7倍の250万ケースに上方修正された。「翠(SUI)」ブランドも1〜3月の販売数が前年比340%と、大きく伸長している。

 

 

【Interview】 担当者の強い思いがヒットを生み出した!

翠ジンをもっと身近な存在にしたい

「翠ジンソーダ缶」はどんな思いから生み出され、商品開発にはどんな苦労があったのか。2020年に発売された「翠(SUI)」の誕生秘話を含めて、担当者に舞台裏を聞いた。

 

この人に聞きました!

サントリーRTD・LS事業部 事業開発部課長

酒巻真琴さん

ボトルと缶を含めた「翠(SUI)」ブランド全体のマーケティングを担当する。翠ジンソーダ缶とのオススメのペアリングは、餃子と焼鳥。

 

“料理に合う味”と“馴染み”で世代を超えて支持される

「翠(SUI)」のヒットには、ソーダで割る“手軽さ”と、“食事に合う味”が大きく関係していると思います。従来のジンは「ジントニック」などのカクテルにして、バーで飲むようなハードルの高いイメージのお酒でした。これを気軽に楽しんでもらうためにはどうすれば良いか悩みましたが、ハイボールやレモンサワーの共通点がヒントに。馴染みがある手軽なソーダ割りで、なおかつ家庭の食卓に並ぶ料理と一緒に飲みやすい味であれば、お客様に新たな価値を提案できるかもしれないと考え、「翠(SUI)」を開発しました。

全国発売したのは2020年の3月10日。当初からの「居酒屋メシに翠ジンソーダ。」というコピーで、取り扱う飲食店が全国に広がりました。しかし、コロナ禍が始まって先行き不安な状況でしたが、ステイホームで家飲みが主流となり、試してみようというお客様が徐々に増加。さらに好みの濃さでお酒を楽しみたいというニーズに合致し、多くの人に楽しんでいただけるようになりました。ジン市場も、以前は半分ほどが輸入品でしたが2021年には「翠(SUI)」が比率を逆転。一躍ジンをけん引する存在となったのです。

とはいえ、700mℓ瓶はどんな味なのか、飲みやすいかなど試しにくいサイズです。そこで「翠ジンソーダ缶」を開発。「翠(SUI)」の最もおいしい飲み方は、氷が入ったグラスに「翠(SUI)」と炭酸水を1:4で注ぐレシピで、アルコール度数は約7%になります。この味を缶で再現するために、ボトルとは異なる素材を使用。缶入りパッケージにする際、熱処理などによって風味が少し飛んでしまうため、缶専用の柚子原料酒を加え、フレッシュな香りと味わいを実現しました。

3月の発売から先行して、コンビニでは2月15日から展開。すると発売初週のデータが、2016年以降の当社の新商品ではコンビニで最も売れた商品となったのです。いままでジンに触れてこなかった幅広い若年層の男女に刺さったのも要因に。ここまで受け入れられた理由は、柚子、緑茶、しょうがという日本に寄り添った3つの和素材を活用し、食事に合うジンソーダを気軽に楽しめる缶として商品化できたからだと思います。

4月には、シンガポールを含んだアジアへの輸出を開始。コロナ禍の規制も緩和され、飲食店を利用される方が増えていくと思います。業務用と瓶、缶の「翠(SUI)」で、ジンソーダによる新たなおいしさ提案をさらに広げていきたいです!

 

↑サントリー大阪工場で作られている「翠(SUI)」。異なる4種の単式蒸溜釜を使い分けることで、素材のおいしさが適切に生きる原料酒を生み出している

 

↑天ぷらやマリネ、唐揚げなどあらゆる料理にピッタリ。甘くないため料理を邪魔しないのもポイント。和風のおつまみとは特に相性抜群だ

 

ソーダはアレンジ多彩!

↑相性が良い和素材を使った“追い”アレンジもオススメ。しょうがをおろしたり、大葉をちぎったり、梅をつぶしたりと、何通りもの飲み方を楽しめる

 

コレもCHECK!

サントリー

ジン翠(SUI)

1518円

2020年3月に発売された700mℓボトルの翠ジン。ストレートや水割りなど、好みのスタイルで飲める。2021年の年間売り上げが前年比232%と、こちらも大躍進。

 

Impression

フードアナリスト

中山秀明さん

和洋中問わず、お酒の記事を多数執筆。スパイス料理の人気上昇に伴い、香辛料と好相性なジンの可能性に注目している。

 

この夏は和風カレーやうなぎ蒲焼きと一緒に

「和のボタニカル由来の、繊細な香りのニュアンスが心地良い爽快感を演出。七味唐辛子や山椒をかけたくなるような味の料理には基本的に合いますね。この夏オススメの例を挙げるなら、出汁やしょうがを効かせた和風カレーや、うなぎ蒲焼きとのペアリングです!」