デジタル
2017/2/26 14:00

廃業寸前? AIに怯えるアラフォーライターがプログラミングをやってみた!

コンピューターやロボットの進化が著しい昨今、よく話題に上るのが「AIやロボットが人の仕事を奪う」問題です。これは、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授による「AIなどによって代替可能な職業」の発表が発端となっているようですが、皆さんはいかがお考えですか? 筆者はこうした話題を見かけるたび、「いやいや、実際にはねー」などとのんきに考えていました。しかし、2017年の正月気分もさめやらぬある日、私は厳しすぎる現実を突きつけられたのです。

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不惑目前の男、AIの脅威を感じて転職を考える

突然ですが、以下の記事をご存じでしょうか?

 

おはようございます。今日から新学期がスタートする学校が多いと思います。1月10日の九州北部(福岡県福岡地方)の天気予報は、晴れ時々くもりでしょう。降水確率は午前、午後ともに10%でしょう。傘は持たなくても大丈夫です。
(中略)
今日のお出かけには、コートを着ないと寒いでしょう。今夜の夜空は、よく見れば星が現れるかもしれません。

(西日本新聞「AIが新聞記事を書いてみた 執筆1秒、でも設定は人間」記事(http://www.nishinippon.co.jp/feature/attention/article/304013)より引用)

 

テレビなどの天気予報で読まれる、何の変哲もないニュース原稿です。でも驚くなかれ、実はこの原稿は今年1月10日、西日本新聞の取り組みとしてAIが書いたものなのです。ネット上でも話題になっていたので、ご存じの方もいるかもしれません。

 

おそらく、この文章を読んでも大半の方は、「ふーん、人が作ってるのと変わらないなあ」くらいにしか捉えないでしょう。ですが、私のようにライター業に勤しむアラフォーには脅威以外の何者でもありません。ほとんど違和感のない文章がわずか1秒でアウトプットされ、しかも100万通りのバリエーションを持たせることができ、この瞬間もどんどん進化しているのです。むしろ、未来にライター必要?

 

AIを作る側になるためプログラミングに挑戦

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↑Gakken Tech Programで行われた子ども向けプログラミング学習イベントの様子

 

ですが、いくらAIが進化しているとはいえ、このままむざむざと引き下がるわけにはいきません。廃業の危機を感じた私は、ある秀逸なアイデアを思いついたのです。

 

「今からプログラミングを勉強してAIを作る側になればいいんじゃね? むしろ、才能なきライターはオレのAIで駆逐してやる!」

 

プログラマー、エンジニアの皆さん、お仕事をナメてごめんなさい。でもコチラも必死なんです。

 

早速、調べてみると、巷ではプログラミング教室やイベントが大流行とのこと。もちろん大人向けのものもあれば、子ども向けのものもあります。大人向けは難しそうなのでまずは子ども向けのイベントを調べていると、教育大手のベネッセでは英語とプログラミングをかけ合わせた「タッチ&スクラッチ」、同じく大手の学研では「Gakken Tech Program」というプログラミングイベントを開催。教育系だけでなくIT系の企業も様々なイベントを行っており、サイバーエージェントでは「テックキッズキャンプ」というものを行っているそうです。

そのなかで学研にはちょっとしたツテがあったので、Gakken Tech Programの教材を緊急入手! 廃業・転職の前に、まずは一度、子ども向けの教材でプログラミングにチャレンジすることにしました。

 

膨らむプログラマーへの夢!

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↑Gakken Tech Programで使われているプログラミングの学習教材

 

今回、(強引に)入手した教材は3冊に分かれており、Gakken Tech Programの「キャンプ」と呼ばれる1日集中講座で使用しているもの。キャンプでは「マインクラフト(通称マイクラ)」というゲームを使ってプログラミングを学んでいくようです。

 

念のため、ご存じない方に説明しておくと、マイクラはもはや知らない子どもはいないほどの大人気のゲーム。ブロックを積み上げたり、地面を掘ったりして自由に探索するのが特徴で、簡単に言ってしまえば「レゴ」みたいなものです。アラフォー世代にお馴染みのマリオやドラクエと違って「明確なゴール」がないことに戸惑いますが、子ども達にとってはその自由さがウケているようです。

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↑マイクラのスタート画面。教材では「Mod」と呼ばれる拡張機能を使用する

 

というわけで、早速トライ。マイクラはスマホでちょっと触ったことがありますが、プログラミングは初めて。ドキドキしながら教材のページをめくります。

 

Gakken Tech Programの教材で学ぶのは、javaやC言語といった有名なプログラミングではなく、「lua」という言語。正直なところ、lua言語にどれぐらい汎用性があるのかわかりませんが、プログラミング超初心者のアラフォーが「プログラミングとは何ぞや」を学ぶには関係なさそうなので、深く考えずにトライします。

 

「コードを書いたら動く」に感動!

最初のレッスンはマインクラフトの操作に慣れるというものですが、1日の大半をパソコンに向かっている筆者は軽くクリアー。でも、迷路のような家の中を歩き回っているだけでワクワクしますし、子どもたちはきっとそれ以上に楽しいことでしょう。

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↑レッスン1に用意されたクイズ。ここはパソコン操作に慣れた筆者には楽勝だった

 

続いてレッスン2。ここからいよいよプログラミング開始です。教材では「タートル」と呼ばれる特殊なブロックを、コードを書いて命令し、動かしていきます。コードはマイクラのなかではなく、事前に準備しておいたエディタを使うため、一気にプログラミングっぽくなります。

 

そして書いたコードをマイクラのなかで呼び出してみると・・・。

 

「タートル」が動いた! ちょっと感動。レッスン2の最終課題は「タートル」を指定された場所まで動かすことなのですが、タートルを動かすのが楽しすぎて、思わず脱線。タートルが右に左に動き回るコードをコピペを駆使して作り、得意げにタートルが眺めます。楽しい! これがプログラミングですか!

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↑画面にうつっている「箱」がタートル。白いマスから1歩動いただけでもうれしい

 

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↑タートルをしばらく動かすために筆者が入力したコード

 

そしていよいよレッスン3。これまではタートルを動かすだけでしたが、レッスン3では、タートルを動かすと同時に、マイクラの根幹ともいえる「ブロックを置く」ことを命令し、「クリーパー」という敵キャラを描いていきます。当然、書くコードも増えますし、思うようにタートルがブロックを置いてくれないトラブルも発生。でも、教材はそんなミスも見越しているのか、詰まりやすいところはしっかりと解説されているため、問題もすぐに解決しました。

 

そうして、初プログラミングから約2時間。ついにクリーパーが完成! タートルを動かしているだけでも楽しいのですが、ひとつずつブロックが置かれ、絵になっていく様を見ていると、気分はもうプログラマーです。

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↑見よ!これが完成したクリーパー。どことなくガチャピンにも似ているような…

 

手元にある教材はレッスン3までだったので、ひとまず人生初のプログラミングは終了。率直な感想は、「とにかく楽しい」ということ。(ライターから転職するかはさておき)できれば、もう少し本格的にやってみたいところです。いい年した大人でも夢中になるぐらいですから、子ども向けのプログラミングイベントが大盛況なのも納得です。

 

AIに脅威を感じるかはともかく、今後、ますます仕事や生活にプログラミングがかかわってくるのは間違いないはず。一度、体験してみるのもいいのではないでしょうか?

 

<マインクラフトプログラミングキャンプ概要>
○開催日:2017年4月2日(日)
○開催時間:10:00〜17:00(昼食と休憩時間含む)
○開催場所:学研プラス3Fホール(東京都品川区西五反田2-11-8)
○定員:100名(先着順)
○参加費:15,000円(税別)
○対象:小学1年生〜中学3年生(小学1年生未満、高校生以上はご相談ください)
※筆者は大人ですが、キャンプは子ども向けです

<申し込みサイト>
http://gakken-tech.jp/camp/