デジタル
2017/6/7 19:00

日本よりもスマホが普及! 似ているようでちょっと違う台湾のスマホ&SNS事情

突然ですが、このたび近くて美味しい国「台湾」に行ってまいりました! 台湾は東京から約4時間のフライトで到着できる、気軽に海外旅行に行きたい方にぴったりの国。小籠包、マンゴーかき氷、魯肉飯、タピオカミルクティーなどなど、お手ごろ価格で味わえるグルメがいっぱい! ああ、なぜ私は帰ってきてしまったの……。

 

冷静になって話を戻しますが、日本で10代のデジタルカルチャーを追いかけている私は、台湾のスマホ事情も気になって仕方ありません。そこで、日本でいえば原宿の竹下通りにあたる「西門町」に出かけてまいりました。地下鉄に乗ると、「あれ? ここは日本?」というほど皆さんの手にはスマホが。若い人だけでなく、おじさんもおばさんもみんなスマホに夢中です。

↑台湾の地下鉄車内
↑台湾の地下鉄車内。みんな熱心にスマホを見ています

 

それもそのはず。台湾のスマホ使用率は82.0%! 日本の59.0%に比べて、かなり高いことがわかりました(2017年2月アウンコンサルティング株式会社調べ)。ちなみに、スマホのOSはAndroid 68.8%、iOS 30.9%とAndroidが優勢。日本のAndroid 30.1%、iOS 68.9%とちょうど逆のイメージですね。

 

そして、日本との大きな違いは、電車でも通話をすること。アプリの通知音もあちこちから鳴っています。「電車内では静かにする」というマナーは特にないようですね。

 

台湾の原宿にはスマホグッズがいっぱい

西門町にはH&Mやユニクロなど、日本でおなじみのファストファッションの店や、プチプラ雑貨を扱うお店が並ぶ歩行者天国があります。当日は連休中だったので、若い人たちで大賑わい。かわいい女子たちは自撮りに励み、みんなで画像を確認して盛り上がっています。日本と変わらないな、とほほえましく思ったのもつかの間、通り沿いの店を見てびっくり。どの店も店頭のもっとも目立つ場所に、セルフィーライトを山盛りで売っています。

↑若者が集まる西門町の歩行者天国入り口
↑若者が集まる西門町の歩行者天国入り口

 

日本の女子高生はiPhoneを2台重ねて、1台はライトにして自撮りすることがありますが、台湾ではセルフィーグッズが人気となっているようです。

↑日本でも人気のセルフィ―ライト
↑日本でも女性に人気のセルフィ―ライト

 

 

↑みんなで撮れるライト付き広角レンズも人気
↑みんなで撮れるライト付き広角レンズも人気

 

自撮りグッズのなかに混ざって売られているのが、スマホに接続できるマイクです。台湾ではスマホを使ってカラオケを楽しむ文化があるようで、写真のマイクは大きめですが、親指ほどの小さなマイクも売られていました。

↑四角い箱状のものが付いているマイクはエコーの量などを調整できる
↑四角い箱状のものが付いているマイクはエコーの量などを調整できる

 

歩行者天国を歩いていくと、雑貨ショップだけでなく、洋服屋さんの店頭にもスマホカバーが大量に置かれています。若い人たちが集まる場所とはいえ、相当な数。価格は特価品で100元(日本円で約400円)なので、日本よりかなり安い印象です。

↑デザインの流行は日本の若者向けと似ている
↑デザインの流行は日本の若者向けと似ている

通りにはスマホの修理ができる店や、中古スマホを売る店もありました。中古スマホの品ぞろえを見ると、iPhoneのほうが断然多い! Androidユーザーが多い国とはいえ、人気はiPhoneのほうがあるのかもしれません。

↑スマホの修理をする店の看板。台湾では携帯電話のことを「手機」という
↑スマホの修理をする店の看板。台湾では携帯電話のことを「手機」という

 

LINEの利用率は日本よりも上

スマホで自撮りとくれば、日本でもSNSへの投稿が定番ですが、地下鉄で地元の若者のスマホをのぞいてみると、使っているアプリは圧倒的に「LINE」! そして、意外なことに中高生らしき女子も「Facebook」を見ています。日本で中高生がFacebookを見ているシーンはほとんど見かけないので、データを調べてみました。

 

すると、台湾の人はFacebookの利用率がかなり高いことがわかりました。2017年5月1日付の蘋果日報によると、Facebookが90.9%、LINEが87.1%と2つのSNSが圧倒的な利用率になっています。日本でのデータを見るとFacebookが36.1%、LINEが72.1%(2016年8月ICT総研調べ)ですから、Facebookユーザーの多さに驚きますね。台湾のFacebookユーザーは年齢層の偏りもないようです。

 

LINEの様子も知りたくて、新光三越にある「LINE FRIENDS CAFE & STORE」に出かけてみました。LINE FRIENDS CAFE & STOREは、LINEキャラクターの雑貨屋とカフェが併設されているショップです。日本では「LINE FRIENDS STORE」が原宿と福岡にありますね。

↑LINEグッズは台湾でも人気
↑LINEグッズは台湾でも人気

 

新光三越は、台湾では有名な大きなデパートです。その中にかなり広いスペースでLINEの店舗がありました。店内にはおなじみのLINEキャラクターのクッション、スマホケース、ぬいぐるみなどが所狭しと置かれています。そして、店内にはLINEキャラクターと一緒に写真が撮れる撮影スポットが4か所も。メインの大きなぬいぐるみには、行列ができていました。中学生ぐらいと思われる女子たちが思い思いのポーズを撮って撮影しています。

↑LINEキャラクターと写真を撮るための行列
↑LINEキャラクターと写真を撮るための行列

 

そして、日本にはないであろうLINEの浸透ぶりを見つけちゃいました。それは美容師さんとLINEで「友だち」になり、予約ができるという画期的な仕組み。美容院の看板に、なんとLINE IDが公開されています。試しに検索してみたら、LINE@のような公式アカウントではなく、個人アカウントでした。もしかすると美容師さんは予約専用にLINEアカウントを作っているのかもしれませんが、それにしてもLINE IDを公の場に掲示するなんておおらかなお国柄です!

↑美容院の看板には美容師のLINE IDが
↑美容院の看板には美容師のLINE IDが

 

でも、予約するためには自分のLINEアカウントを美容師に教えることになります。台湾ではFacebookが普及しているため、実名や顔を出してネットサービスを使うことに慣れているのかもしれません。プライバシーをサービスに提供すればその分便利になりますが、危険を招くケースもあります。日本では抵抗を感じる人が多くて実現は難しいかも。

 

数日の滞在でしたが、台湾は「スマホとSNSが大好き」という、日本と共通項がありながらも、その密着ぶりは日本の一歩先を行っていることがわかりました。スマホを手にして歩いている人が多いので、旅行客がGoogle Mapを見ながら歩いていても大丈夫。週末を利用して、自撮りの旅を楽しんでみてはいかがでしょう。