スマホやタブレットが普及し、ネットサーフィンやメール、動画の視聴だけならパソコンを使わずに済ませるという人も多いのではないでしょうか。しかし、書類を作成したり、本格的な写真・動画の編集を行ったりする場合は、やはりキーボードを備えたパソコンが便利。今回は、初心者やライトユーザーにおすすめな5万円以下のエントリーモデル4機種をピックアップし、「ビジネス用途」と「プライベート用途」の両面から使い勝手をチェックします。
チェックしたのは、デジタル機器に詳しいフリー編集者/ライターの柳 雄大さんと、GetNavi web編集部の一條 徹の2人。スペックだけではわからない実際の使い勝手まで、実機を使ってしっかり確認しています。
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5万円以下のノートPCはどれを選ぶべき? 自分に合った1台がわかる4機種徹底比較
【比較機種】
1.モバイルに最適な11.6型ノートPC
ASUS
VivoBook E203NA-464
直販価格3万9744円
●OS:Windows10 Home(64bit)●CPU:Celeron N3350デュアルコア1.1GHz●GPU:Intel HD Graphics 500●メモリ:4GB●ストレージ:eMMC 64GB●ディスプレイ:11.6型HD (1366×768ドット)●インターフェイス:USB 3.0×2、USB Type-C×1、HDMI、ヘッドホン/マイク●バッテリー:連続使用約7.6時間●サイズ/質量:286×193×16.9mm/約980g
2.大画面で見やすいA4サイズノートPC
レノボ
ideapad 320(Celeronプロセッサーモデル)
直販価格6万2640円、Eクーポン適用時4万2595円
●OS:Windows10 Home(64bit)●CPU:Celeron N3350デュアルコア1.1GHz●GPU:Intel HD Graphics 500●メモリ:4GB●ストレージ:500GB HDD●ディスプレイ:15.6型HD (1366×768ドット)●インターフェイス:USB 3.0×1、USB 2.0×1、イーサーネット (RJ-45) ポート、HDMI 、ヘッドホン/マイク、DVDマルチスーパードライブ●バッテリー:リチウムポリマー(連続使用5.5時間)●サイズ/質量:378×260×22.9mm/2.2kg(バッテリー含む)
3.持ち歩きもできる14型ノートPC
Acer
Aspire 1
実売価格4万5000円前後
●OS:Windows10 Home(64bit)●CPU:Celeron N3350デュアルコア1.1GHz●GPU:Intel HD Graphics 500●メモリ:4GB●ストレージ:64GBフラッシュドライブ●ディスプレイ:14型HD (1366×768ドット)●インターフェイス:USB 3.0×1、USB 2.0×2、イーサーネット (RJ-45) ポート、HDMI ●バッテリー:2 セル 4810 mAh リチウムポリマー(連続使用9時間)●サイズ/質量:343×245×17.95mm/1.7kg
※(今回試用したモデルはPentium搭載モデル)
4.脱着型キーボードを備えたWindowsタブレット
マウスコンピューター
MT-WN1003
直販価格4万2984円
●OS:Windows10 Home(32bit)●CPU:Atomプロセッサー x5-Z8350(1.44GHz)●GPU:Intel HD Graphics 400●メモリ:2GB●ストレージ:64GBフラッシュドライブ●ディスプレイ:10.1型 (1280×800ドット) マルチタッチパネル●インターフェイス:USB 3.0×1、microUSB×1、miniHDMI、ヘッドホン●バッテリー:連続使用8.2時間●サイズ/質量:259×174×10mm/約916g(キーボード、カバー含む)
今回は、自宅で使う「プライベート用途」としての使い勝手をチェック! 「デザイン・カラ―バリエーション」「ディスプレイ」「スピーカー・サウンド」「インターフェイス」の4項目で比較しています。
①所有する喜びにつながる「デザイン・カラ―バリエーション」
仕事用のノートPCならシンプルなデザインのものでいいですが、プライベートで使うならデザインやカラーにこだわりたいもの。好みのデザインなら愛着を持って長く使えそうですね。
ASUS「VivoBook E203NA」:全3色
「指紋が付きやすいプラスチック製でややチープな印象もありますが、個人的にはあまり気になりませんでした」(柳)
レノボ「ideapad 320」:全6色
「ビビッドなカラーバリエーションが揃っているので好みの色を見つけられそう。マットな天板とメタリックなキーボード部のコントラストもスタイリッシュです」(一條)
Acer「Aspire 1」:全1色
「シンプルなブラックのみですが、ブラシパターンがアクセントに。表面に凹凸感があって手触りがサラサラなのは好印象です」(一條)
マウスコンピューター「MT-WN1003」:全1色
「全体的にシンプルなデザインですが、カバーの素材がスエード調なので大人っぽい印象がありますね」(柳)
②動画や写真をキレイに映す「ディスプレイ」
ネット動画やSNSの写真を見るなら、ディスプレイの画質にもこだわりたいですよね。今回は、YouTubeの映画の予告編動画を視聴して画質をチェックしてみました。
ASUS「VivoBook E203NA」:11.6型HD (1366×768ドット) TFT液晶/グレアタイプ
「光沢のあるグレアタイプということもあり、動画や写真が色鮮やかに見える印象です。TFT液晶は視野角が狭いため、正面以外からだと見え方が変わってしまいますが、机の上で楽しむ分には問題ないでしょう」(柳)
レノボ「ideapad 320」:15.6型HD (1366×768ドット) ノングレアタイプ
「光沢のないノングレアタイプは、映り込みが少なく、長時間見ても目が疲れにくい点がメリット。ただし、グレアタイプのディスプレイに比べると若干白っぽくぼやけた感じに見えます。ここは一長一短といったところですね」(柳)
「液晶画面は視野角が狭いのでTFT液晶だと思われますが、せっかくの大画面なのに大人数で動画を視聴できないのは残念」(一條)
Acer「Aspire 1」:14型HD (1366×768ドット) ノングレアタイプ
「こちらも目が疲れにくいノングレアタイプ。視野角は狭いのでTFT液晶だと思われます。ideapad 320と同じような印象です」(一條)
マウスコンピューター「MT-WN1003」:10.1型 (1280×800ドット)マルチタッチパネル IPS液晶/グレアタイプ
「4機種のなかでは唯一のタッチ対応。IPS液晶なので、ななめから見てもキレイです。鮮やかな発色のグレアタイプなので動画や写真が映えますね」(一條)
「ディスプレイ部を取り外してタブレットとして楽しめる点に注目したいです。ソファーやベッドで横になりながら動画を楽しむといった使い方がしやすいのがこのタイプの特長です」(柳)
③エンタメ性を左右する「スピーカー・サウンド」
ディスプレイとともに重要なのが内蔵スピーカー。サウンドがリッチだと、動画コンテンツの迫力が倍増します。ディスプレイと同様に、映画の予告編動画を再生して音質をチェックしました。
ASUS「VivoBook E203NA」
「独自の『SonicMaster』技術により音質を強化。低音の迫力こそありませんが、ステレオ感のあるサウンドが楽しめます」(一條)
レノボ「ideapad 320」
「Dolby Audioに最適化されたスピーカーを内蔵しており、タイトな低音と臨場感のあるサウンドが楽しめます。エンタメ性の高い1台といえるでしょう」(一條)
「音量・音質ともに満足度が高かったです。画面が15.6インチと大きめなこともあり、テレビ代わりに使うにもよさそう」(柳)
Acer「Aspire 1」
「音量は十分ですが、低音が不足しているため迫力は感じられませんでした」(一條)
マウスコンピューター「MT-WN1003」
「タブレット部にスピーカーを搭載しているため、サウンドは4機種のなかでは最も貧弱。イヤホンやBluetoothスピーカーなどを活用しましょう」(一條)
④色々な記録メディアに対応する「インターフェイス」
デジタルカメラで撮った写真を鑑賞したり、DVDビデオを視聴するならインターフェイスが充実している機種がおすすめ。自分に必要な端子などが備わっているか、購入前に必ずチェックしておきましょう。
ASUS「VivoBook E203NA」:USB 3.0×2、USB Type-C×1、HDMI、ヘッドホン/マイク、microSDカードスロット
「HDMIやUSB Type-Cを備えているので将来的にも様々な機器と接続して使えます。カードスロットがmicroSDのみ対応なのが残念」(一條)
レノボ「ideapad 320」:USB 3.0×1、USB 2.0×1、イーサーネット (RJ-45) ポート、HDMI 、ヘッドホン/マイク、DVDマルチスーパードライブ、SDカードスロット
「今回比較した製品では唯一DVDドライブを備えており、DVDビデオを再生したり音楽CDを取りこんだりすることができます。SDカードスロットもついているので、デジカメの画像データの取り込みにも不便がありません」(柳)
Acer「Aspire 1」:USB 3.0×1、USB 2.0×2、イーサーネット (RJ-45) ポート、HDMI、SDカードスロット
「外部ディスプレイやプロジェクターに映像を出力するのに必須ともいえるHDMI端子を備えています。さらにSDカードスロットのほか、USB端子も3つ付いておりインターフェイスは優秀ですね」(柳)
マウスコンピューター「MT-WN1003」:USB 3.0×1、microUSB×1、miniHDMI、ヘッドホン、マイク、microSDカードスロット
「タブレットながらインターフェイスは頑張っている印象。miniHDMIも備えているので、外部ディスプレイやプロジェクターなどに映像を出力できます」(一條)
次回は、これまでの項目をまとめ、どの機種がどのようなユーザーに向いているのか詳しく解説します!
協力:楽天市場