ベルキンは米国に拠点を置く周辺機器メーカー。1983年に設立して以来、スマホやパソコンのアクセサリーを中心に開発してきました。多くの人はAppleの純正アクセサリーを開発しているブランドとして、同社名を認識しているのではないでしょうか。今秋に発表されたiPhone X/8/8 Plus用のワイヤレス充電パッドも、同社が手掛けていましたね。そんなベルキンが去る10月12日、都内にて事業戦略説明会を開催。同社のブランド展開と、事業戦略について概要を説明しました。そこで、今後のベルキンがネットワークと周辺機器にどんな未来を見据えているか。興味深い内容が聞けたので、まとめてお届けしたいと思います。
ベルキンは「Belkin」を含め4つのブランドを展開中。「Belkin」では、先述の通り、ワイヤレス充電パッドや、充電ケーブル、ドッグなどを取り扱っています。
「LINKSYS」は、ネットワーク関連機器を取り扱うブランド。元々はシスコという企業が展開する家庭向けネットワーク事業部門ブランドでしたが、2013年にベルキンが買収しています。同ブランドでは、家全体をカバーしやすいメッシュネットワークに対応したWi-Fiルータなどを提供しています。
「WeMo」は、スマートホーム関連機器を取り扱います。定番のアイテムとしては、iPhoneから制御できる家庭用電源リモートスイッチなど。「Siri」や「Google アシスタント」、「Amazon Alexa」など、自然言語による音声操作のプラットフォームをサポートする商品を展開していく予定です。
そして、新たに紹介された「Phyn」では、水の使用量をモニタリングするシステムを開発中。水圧計を搭載したハードウェアを設置することで、シンクやシャワー、植物に与える水の量までを把握できるようになるとのこと。
ベルキンが9月に発表したアクセサリーも展示
会場では、本年9月に発表された最新アクセサリーも展示されていました。「Boost↑Up Wireless Charging Pad」は、Qi規格に対応するワイヤレス充電器。対応機器では7.5Wの充電が可能。9月15日から全国のApple Storeおよびベルキンのオンラインストアで販売されています。
「3.5mm Audio + Charge RockStar」は、二股のLightningアダプター。イヤホンジャックの無い、iPhone 7以降でも、Lightningケーブル経由で充電しながら有線イヤホン・ヘッドホン・ヘッドセット等を活用できます。MFi認証も取得しているので、EarPods接続時に、マイクやコントローラーも活用可能。9月19日よりApple Store、およびベルキンのオンラインストアで販売されています。
「Trueclear Pro」はiPhoneフィルムを綺麗に張れるサービス。専用の機材とフィルムを用い、主にショップスタッフが活用します。同社曰く、本年2月時点ででの導入店舗数は24。現状では60強に増えているとのこと。年度末までには200店舗規模までの拡大を目指すそうです。
ワイヤレス充電パッドはこれから広がりを見せる
ベルキンジャパン、ナショナルセールスマネージャーの石井靖人さんは、iPhoneがワイヤレス充電に対応したことを踏まえ、「(現状展開している充電パッドについては)あくまでもはじまりであり、今年度、年度末から年明けにまたがってさまざまなワイヤレス充電の製品を発売してまいります」と述べています。
安い製品では、発熱による危険性がないとも言い切れない。同社としては安全性を売りにしていくとのこと。「問題が起きない製品を提供し、同市場でのリーディングカンパニーを目指す」といいます。具体的には、「各認証の基準を満たすのはもちろん、それよりも厳しい基準で開発を行っている」こともアピールされました。
ベルキンは同説明会の中でも“「技術」と「人」の架け橋になる” という目標を何度も繰り返し主張していました。ユーザーのより良い経験をとても重視している点には、好感が持てます。
繰り返しとなりますが、本年末から年明けにかけて、いくつかの新製品が発表される見込み。忘れずにチェックしておきましょう。