ソニーの2018年主力スマートフォン「Xperia XZ2 Premium」「Xperia XZ2」「Xperia XZ2 Compact」が発売されました。今回は各製品の「ディスプレイ」と「サウンド」の機能をチェックしていきたいと思います。
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3モデルすべてにHDR対応ディスプレイを搭載
3機種とも前機種である「Xperia XZ Premium」「Xperia XZ1」「Xperia XZ1 Compact」に比べてディスプレイサイズが大きくなっています。XZ2 Premiumは現時点で発売されているスマホの中でも唯一となる4K/HDR対応のディスプレイを搭載。モバイル向けの4K/HDRコンテンツ配信はまだ多くはありませんが、XZ2 Premiumなら4K/HDR動画を端末単体で「撮って・見る」ことができます。コンテンツ不足はある程度解消されたと言えるのではないでしょうか。
XZ2は画面のアスペクト比が18対9の縦長ディスプレイ。XZ1と比べてディスプレイ面積が約13%拡大していながら、端末の横幅サイズは1mm狭くなっています。FHD+(2160×1080画素)/HDR対応の独自高画質化技術「X-Reality for mobile」や「トリルミナスディスプレイ for mobile」を搭載することで、高品位な映像再生を実現。
XZ2 CompactはXperiaのコンパクト機としては初めて720HD画質を超えるFHD+/HDR対応を実現しました。サイズも約4.6インチから約5.0インチに大きくなっています。画面のアスペクト比を18対9としたことで手に心地よく馴染むハンドリング感が特長。
静止画表示を見比べてみる
3つの端末を並べて、別途デジタルカメラで撮った静止画を表示、比較してみます。画質は端末の画面設定から「色域とコントラスト」の項目を「スタンダードモード」に統一して、「ホワイトバランス」はデフォルト設定のまま比較を行っています。
↑最近のXperiaシリーズは3つの映像モードを搭載しています。今回は「スタンダードモード」にして、「ホワイトバランス」はデフォルトのままで画質を比較
4K/HDR対応のXZ2 Premiumは陰影の繊細な再現力に長けていることがわかります。特に明部の情報量が豊富で、青空に浮かぶ雲の模様や形が正確に描けています。吸い込まれるような奥行き感とリアリティはさすがフラグシップモデル。色合いも全体にナチュラルなバランスなので、木の葉の緑色にも妙な強調感はありません。XZ2 Compactはディスプレイの画素数がXZ2 Premiumよりも低くなりますが、丁寧なディテール表現、ナチュラルな色再現など映像チューニングの傾向はXZ2 Premiumにとても近く感じました。
2つのモデルに比べると、XZ2はやや明暗のコントラスト感が強くメリハリが効いています。前機種のXZ1と並べて比較してみると、人物の肌色のトーンはやや濃厚な色合いで、輪郭もXZ1に比べて力強い線に感じました。
3つのモデルが共通して搭載する、SDR映像をHDRライクな映像に高画質化するアップコンバージョン機能は、デフォルトで設定オンになっています。ディスプレイの設定メニューから、「動画再生時の高画質処理」をオフにもできますが、基本的にはYouTubeなどに公開されているようなSDR画質の動画なども輪郭にキレ味が加わるので、オンにしたままの方がメリットは大きいです。
XZ2 Premiumは家庭用の大画面テレビで普及しつつある4K/HDRを、モバイル環境でも先取りしながら楽しめる先進的なスマホです。ただそのインパクトは5~6インチ前後のディスプレイでは、やや薄いようにも思います。スマホの大画面化競争が一段落して、今はスリム化や全画面化にシフトしつつあります。しばらくは各社上位モデルでは、FHD+前後の解像度でHDR対応ディスプレイが主流になりそうなことを考えると、モバイル向けの4Kコンテンツが一気に増えることはあまり考えにくいかもしれません。
一方でHDRについてはiPhoneも対応しており、今後も各社ハイミドルクラスの端末が搭載してくると予想されるので、ぜひ今後スマホを買い換える際にはHDR対応を意識しておきたいところです。HDR対応のコンテンツは配信系を中心に増えていますが、HDRライクな映像へのアップコンバート機能があると、HDR以外のコンテンツも楽しめるのでお得のように思います。
あえてXZ2シリーズの中で、ディスプレイの画質や操作感、コスパを含めてトータルでお買い得なモデルを選ぶとしたら、筆者はXperia XZ2を選びます。