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2019/1/10 18:30

なんで「9」じゃなかったの? 最新iPhoneのイマと未来をフィリップ・シラーに聞いた

iPhoneの「AR」が創る未来

Xのテクノロジーが普及した次の10年間を想像したときに、どんな新しい未来が創られていくのでしょうかーー。スマートフォンの源流を遡れば「電話」、つまりコミュニケーションツールにいきつきます。そう考えると未来の私たちは、今はまだ馴染みのない新しいコミュニケーションを当たり前に扱っているかもしれません。

 

そういった意味で「AR(Augmented Reality:拡張現実)」への期待は高まります。すでにAppleでは、ARのプラットフォームである「ARKit 2」を提供中。これを使えば、iPhoneのカメラを通した画面上にキャラクターを表示し、それが床や机の上、壁などにピッタリくっついた状態で表現できます。また、複数人で同じARの空間を共有することもユニークです。A12 Bionicを搭載する最新モデルならば、こうした処理も快適しているでしょう。

 

フィリップ・シラー氏は、ARについてこうコメントしています。

 

「ARについては私たちもワクワクしています。まさに新しいアプリケーションの未来ですね。例えば、教育なら絵のように描いたレポートをARで見られるでしょう。また、芸術作品を見たり、インタラクティブなゲームを楽しんだりすることも可能です。ゲームの開発にはまだ時間がかかるかもしれませんが、みなさん楽しみにしているのではないでしょうか」

 

↑ピクサーの「Universal Scene Description」をベースして作られた「USDZ」フォーマットのファイルは、「Quick Look for AR」機能により3Dオブジェクトとして現実世界に配置可能。サイズ感などを確認できる

 

また、「USDZ」というオープンファイルフォーマットが登場したことも大きなポイントです。これはピクサーとAppleが協力して作ったもの。例えば、iPhoneのアプリから、3Dオブジェクトのファイルを起動したり、そのままARでカメラ越しに表示できるわけです。毎年行われているAppleのデベロッパー向けカンファレンス「WWDC 2018」では、Safariのウェブページから、商品の立体映像を確認してARで表示する様子が紹介されていました。

 

「ARは以前から注目されてきましたが、今まで何億人に広く行き渡るような製品は出てこなかったんです。アップルはようやくそれを実現できたと思っています。ウェブサイトで見ている商品がARで目の前に出てくるようになります。誰もが使いたがるのではないでしょうか。」

 

今後注目すべきは、このUSDZファイルを誰もが手軽に作成し、共有できるようになるか、という点でしょう。これについて同氏はこう続けます。

 

「最初のステップとして、Adobeが参画しています。USDZのフォーマットを使って、クリエイティブなユーザーが3Dオブジェクトのファイルを作れるようにしているところです。将来的にはもっと簡単に扱えるようになるのではないかと私は思っています」

 

↑Adobeの「Project Aero」が商品化されれば、Adobe Photoshop CCやDimension CCなどからUSDZファイルを作成できるようになるだろう

 

近い将来、何気なく3DオブジェクトでECサイトの商品を確認するようになったら、その時、「未来がやってきた」と感じるかもしれませんね。新しい端末とともに、ほかにもどんな変化が起こっていくのでしょうか。今から楽しみで仕方ありません。

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