ファーウェイがMWC19で発表した「Mate X」。5G対応の「フォルダブル(折りたためる)フォン」として注目を集めています。日本での発売は未定ですが、今回実機に触れる機会を得たので、その感想をお伝えします。
大きすぎないサイズ感
Mate X最大の特徴はもちろん、折りたためる(=開ける)こと。折りたたむと、前面と裏面の両方にディスプレイがある状態になります。
まずは折りたたんだ状態で持ってみました。手に取る前は「巨大なスマホ」という印象でしたが、意外にも「少し大きめ」程度のサイズ感。縦約161mm、幅約78mmと一般的なハイエンドスマホとさほど変わりません。とはいえ、ディスプレイは6.6インチ。ノッチもないぶん画面自体は大きく感じられます。
厚さは約11mm。持ちにくさはさほど感じず、手帳型のカバーをつけたスマホと同じぐらいの感覚です。重量は約295gと、手にずっしりくる重さ。
背面のディスプレイは約6.38インチ。内蔵するセンサーが天地を感知し、画面表示が自動で切り替わります。
ディスプレイ横の部分には、ライカのトリプルレンズを搭載。カメラを起動すると、背面にも映像が映るようになっており、被写体側が自分の写りを確認できる仕組みです。両面にディスプレイがあるからこその機能と言えます。
正方形のようなかたちに
広げるには、背面(3眼レンズの下)にあるボタンを押します。「カチッ」と音がしてロックが外れるので、背面のディスプレイをぐっと開いていきます。
広げたときのサイズは約8インチ、解像度は2480×2200。2台のスマホを横に並べたのとほぼ同じ大きさになります。
折り目である中央部分は、しわが寄ったりすることもなく、ほぼ平面に広げられます。白い画面のときや、光の当たり具合によってはわずかに波打っていることがわかりますが、気になるほどではなく、視認性に問題はないように感じました。
2つのアプリを同時に起動できる「マルチタスク」に対応します。上下に画面が分割され既存のAndroidと比べて、Mate Xは左右に分割されるので表示範囲が広がり、かなり見やすく操作もしやすいと感じました。
広げるとカメラを搭載する部分が出っ張る形になるので、そこを取手として持てば片手でも安定して持つことができます。
「Falcon Wing」と呼ばれるヒンジ部分は、じゃばら状の構造。スプリングが内蔵されており、抵抗があるので開閉にはやや力が必要です。動画視聴時など、画面が点灯している状態でも折りたためます。
その他のスペックとしては、OSがAndroid 9、CPUがkirin 980、デュアルSIMに対応。メモリは8G、ストレージは512Gで、外部メモリによりストレージを拡張可能です(対応はファーウェイ独自の「NM Card」のみ)。バッテリーは左右に1つずつ搭載し、容量は合わせて4500mAh。30分で80%を充電できる「Super Charge」に対応します。常に安定した通信速度を保つために、本体に4つのアンテナを内蔵しています。また、本体側面の電源ボタンが指紋センサーを兼ねているのも特徴です。
今回実機を触った感想は、スマホでできることが変わりそうだということ。マルチタスクにとどまらず、よりPCライクな使い方ができるのではと感じました。また、たとえば複数人で1つの画面を操作するような新しい使い方もこれから生まれるかもしれません。
実際にファーウェイも「5G時代に向けた新しい体験を提供するデバイス」と説明していました。フォルダブルフォンは、5Gの速さを最大限に楽しむための形といえるでしょう。