ボケ表現の評価について
一眼カメラのボケ表現は主に大口径レンズの効果によるもの。一方、スマホの場合は画像の自動合成などによる疑似的なものです。その合成技術や加工技術が、どこまで一眼に近づいたかをチェックしてみました。
自動合成ならではの自在なボケ描写が楽しめる
一眼カメラならば、レンズのF値を小さくするほど大きなボケ効果を得られますが、スマホの場合はそれを模した画像処理効果。そのため、レンズのF値などはあまり関係がありません。しかし、被写体までの距離を計測して、それをもとに必要なボケ効果を付加したり、レンズで実際にボケた画像を作り出して合成したりしており、かなり自然なボケ描写が得られるようになりました。
なかでも、Xperia XZ3とGalaxy Note9は効果が高く、見栄えのするボケ描写が得られました。iPhoneでは、望遠レンズに切り替えられるXS系が、ポートレート撮影に向く印象です。
【コレが基準!】
オリンパス
OM-D E-M10 MarkⅢ
より大きなボケ効果を狙うため、レンズにM.ZUIKO DIGITAL 45㎜ F1.8を使用。絞り開放(F1.8)で撮影。大きく自然なボケ味が得られ、人物が浮き上がって感じられます。
※撮影画像は16:9の画面比になります。ここでは左右をトリミングしています
【その1】Xperia XZ3
ボケ効果が大きく見栄えがする
2枚を合成するボケエフェクトモードで撮影。輪郭部に若干不自然さを感じましたが、効果は絶大。効果は無段階で調節できます。
評価:18/20点
【その2】Pixel 3
効果は大きめだが、不自然さも
ポートレートモードで自動適用。効果は比較的大きく、ズームも可能です。輪郭部に若干の不自然さが出るのが惜しい。
評価:16/20点
【その3】HUAWEI Mate 20 Pro
適度なボケ量で自然な効果
ポートレートモードで自動適用されます。ボケ量は適度で自然な写りです。ボケの形を変えられる機能が付くのがユニーク。
評価:17/20点
【その4】iPhone XS Max
輪郭部に若干の不自然さが
ポートレートモードで自動適用。レンズが望遠側になりますが、ズームは不可。適度なボケだが、輪郭部に不自然さも感じました。
評価:16/20点
【その5】OPPO R17 Neo
効果は弱めだが、自然な写り
ポートレートモードで自動適用。無理に効果を高めていないこともあり、写りに不自然さはありません。ズーム時は使用不可。
評価:15/20点
【その6】Galaxy Note9
大きめのボケ効果で自然な写り
ライブフォーカスモードで設定可能。効果は7段階(作例は効果最大)です。ボケ効果が大きく、自然な写りに仕上がりました。
評価:18/20点
【その7】iPhone XR
ボケの形状は光学レンズに近い
ポートレートモードで自動適用され、ズームは使用不可。形は自然ですが、ボケ量と実際のピントの深さにズレを感じます。
評価:15/20点
【その8】iPhone XS
疑似ライティングも付加できる
使用感や画質は、iPhone XS Maxと同様。「スタジオ照明」や「ステージ照明」といったライティング効果も付加できます。
評価:16/20点
【作例ギャラリー】※GetNavi web本サイトでのみ閲覧できます
写真・解説/河野弘道、井上 晃 製品写真/高原マサキ モデル/幸田彩加(ABP inc.)
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