米マイクロソフトが日本時間の9月23日0時から、新製品発表イベントをオンラインで開催。最新OSのWindows 11を搭載する「Surface Laptop Studio」や、「Surface Pro 8」など、複数の新製品を発表しました。
史上最もパワフルなSurface「Surface Laptop Studio」
Surface Laptop Studioは、14.4インチのディスプレイを搭載する、クリエイター向けの変形型ノートPCです。一般的なクラムシェル型の「ラップトップモード」に加え、画面を寝かせてディスプレイを上向きに固定した「スタジオモード」、キーボードを隠し、タッチ操作や最新スタイラス「Surface Slim Pen 2」での操作に向いた「ステージモード」の3モードに変形させて使うことができます。
【Surface Laptop Studioの外観】
パームレストの手前側下部にはSurface Slim Pen 2の収納スペースを設けているうえに、収納している間は充電が可能。また、Surface Slim Pen 2は、Surface Laptop Studioからのシグナルを受け、擬似的に紙に書いているかのような振動を表現する「触覚フィードバック」の機構を備えているとのことです。
サイズは約323.28×228.32×18.94mmで、重量は最軽量構成時で約1742.9g。このほか主なスペックはOSがWindows 11 Home、ディスプレイが14.4インチの2400×1600ドット、CPUがCore i7-11370H/Core i5-11300H、GPUがGeForce RTX 3050 Ti(Core i7モデルのみ)、メモリー容量が16GB LPDDR4x/32GB LPDDR4x、ストレージが256GB/512GB/1TB/2TB SSDなど。
なお、インターフェイスにはThunderbolt 4に対応したUSB Type-C×2、3.5mmヘッドホンジャック、Surface Connect ポートを搭載するほか、ワイヤレス通信規格としては、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1、Xbox Wirelessに対応。また、バッテリー駆動時間はCore i5モデルが最大19時間、Core i7モデルが最大18時間です。
これに加えて、最大120Hzのリフレッシュレートに対応したパネルを搭載するほか、HDR規格のDolby Visionにも対応。なめらかかつ階調の優れた表現で、コンテンツの再生が可能です。
発表時、マイクロソフトはSurface Laptop Studioを「史上最もパワフルなSurface(the most powerful Surface ever)」であると紹介しました。現在のSurfaceシリーズのノートPCのラインナップでは、脱着式のディスプレイを搭載する「Surface Book」がフラッグシップに位置付けられていますが、これを上回る、新たなフラッグシップとなりそうです。
日本での発売は2022年の前半を予定としており、詳細な発売日は現時点では未定。また、価格は1599.99ドルからとなっています。
順当に進化した2 in 1ノートPC「Surface Pro 8」
Surface Pro 8は、2019年発売の「Surface Pro 7」の後継にあたるモデル。ディスプレイのサイズを従来の12.3インチ(2736×1824ドット)から13インチ(2880×1920ドット)へと拡大しています。
さらに、リフレッシュレート120Hzのパネルを搭載するほか、着脱式の「Surface Pro Signature キーボード」にSurface Slim Pen 2を収納する機構も設け、スタイラスを使った作業がより快適になっています。Surface Laptop Studioと同様に、Surface Slim Pen 2の触覚フィードバック機能にも対応しています。
サイズは約287×208×9.3mmで、重量は最軽量構成時で約889g。また主なスペックはOSがWindows 11 Home、CPUがCore i7-1185G7/Core i5-1135G7、メモリー容量が8GB LPDDR4x/16GB LPDDR4x/32GB LPDDR4x、ストレージが128GB/256GB/512GB/1TB SSDなど。
インターフェイスとしてはThunderbolt 4に対応したUSB Type-C×2、3.5mmヘッドホンジャック、Surface Connect ポートを搭載。またワイヤレス通信規格は、Wi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.1に対応します。さらに、バッテリー駆動時間は最大16時間のほか、カラーバリエーションは、グラファイトとプラチナの2色展開です。
従来モデルのSurface Pro 7のサイズは292×201×8.5mmでした。一方のSurface Pro 8のサイズは287×208×9.3mmなので、高さと厚みは微増していますが、幅は5mmほど小さくなっています。
これは、ベゼル幅を狭くすることで、表示領域を拡大したことによるもの。デザインもより洗練された印象です。これまでのSurface Proの流れを汲み、順当に進化しているモデルなので、Surface Pro 6やSurface Pro 7からの乗り換えには最適な選択肢となるでしょう。
価格は14万8280円からで、11月1日に発売する予定です。
2世代目、マイクロソフト製の2画面Androidスマホ「Surface Duo 2」
「Surface Duo 2」は、デュアルスクリーンタイプのAndroidスマートフォンです。
折り畳んでコンパクトに携帯でき、使用時は2画面合計8.3インチ(2688×1892ドット)という大画面を楽しめる点が最大の特徴。それぞれの画面で異なるアプリケーションを起動し、画面を見比べながら使用することも可能です。
サイズは開いた状態で約145.2×184.5×5.50 mm、閉じた状態で約145.2×92.1×11.0mm、重量は最軽量構成時で約284g。また、OSにはAndroid 11を、プロセッサーにはクアルコムのSnapdragon 888 5Gモバイルプラットフォームを採用し、5G通信に対応しています。
リアカメラは望遠(画角51mm)、広角(画角27 mm)、超広角(画角13mm)のトリプル仕様。これに加えて、ビデオ会議などにも対応しやすい画角24mmのフロントカメラも搭載しています。解像度は広角と望遠およびフロントカメラが12メガピクセル、超広角が16メガピクセルで、30fpsと60fpsの4Kビデオの撮影も可能。さらに、光学式の手ぶれ補正にも対応しているとのことです。
ワイヤレス通信規格としてはWi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.1に加えて、非接触決済などのためにNFC規格にも対応します。
マイクロソフトは前モデルの「Surface Duo」を2020年に発売していますが、残念ながら、日本で発売されることはありませんでした。ところが、Surface Duo 2は日本版の公式サイトにもしっかりとラインアップされ、2022年前半に発売予定との記載が確認できます。現時点では、正式な発売日や価格が明かされておらず、断言はできませんが、日本国内での発売に期待してもいいのではないでしょうか。
CPUを刷新し、Windows 11を搭載した「Surface Go 3」
「Surface Go 3」は、Surfaceシリーズの中でもコンパクトなボディと手頃な価格が魅力の、Surface Go 2の後継にあたるモデルです。
Surface Go 2からの主な進化はOSがWindows 11になった点と、CPUがPentium Gold 6500Y/Core i3-10100Yになった点です。サイズは約245×175×8.3mmで、重量は最軽量構成時で約544g(本体のみ)。
主なスペックはOSがWindows 11 Home(Sモード)、ディスプレイが10.5インチの1920×1280ドット、メモリー容量が4GB LPDDR3/8GB LPDDR3、ストレージが64GB eMMC/128GB SSDなどとなっています。
インターフェイスとしてはUSB Type-C、3.5mmヘッドホンジャック、Surface Connect ポートを搭載し、MicroSDXCカードリーダーも備えています。また、ワイヤレス通信規格は、Wi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.1に対応。このほか、バッテリー駆動時間は最大11時間です。
Surface Laptop StudioやSurface Pro 8と比べればスペックは控えめで、文教モデルとしての意味合いも持っているモデルですが、Surfaceシリーズならではの優れた質感や使用感を、シリーズのほかの製品と比べて比較的安価に楽しめるという点は魅力。
それほど高い性能を必要としないユーザーや、サブのWindowsマシンとしてもおすすめできるモデルだと思います。価格は6万5780円からで、10月5日の発売を予定しています。また、2022年の前半には、LTE通信に対応したモデルの発売も予定しているとのことです。
ラインアップ一新でますます選ぶのが楽しいSurface
発表会の終盤に登壇したCEO兼会長のサティア・ナデラ氏は、「この1年半で、コンピューターが仕事や学習、人とのつながりに欠かせないものであることを、改めて強く認識させられた」とコメント。そのうえで、「新しいWindowsが出るたびに、ハードウェアにもイノベーションが起こる。今日発表したSurfaceと、パートナー企業が最近発表したデバイスを見て、その認識を新たにした。これらのデバイスを使って、みなさんが何を作り出すのかがとても楽しみ」と話しました。
クリエイティブ用途での使用を強く意識したSurface Laptop Studioや、もともと十分だった完成度をさらに高めたSurface Pro 8、手頃な価格でコンパクトなSurface Go 3、そして日本での発売が期待されるAndroidスマートフォンのSurface Duo 2など、今回の発表会では、Surfaceシリーズを一新する、魅力的なモデルが次々に発表されました。PCの買い替えを考えている人たち、ガジェットが大好きな人たちにとっては、悩ましい秋となりそうです。
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