元FacebookのMeta社は、5月9日(米現地時間)に同社初の実店舗をオープンすることを発表しました。同社が熱く推進しているメタバースの中ではなく、米カリフォルニア州バーリンゲームにあるキャンパス内にて物理的なショップが営まれることになります。
これはMeta社が仮想世界に軸足を置きながらも、ハードウェア事業の比重が増していることを表す動きでもあります。「Meta Store」はReality Labs(AR(拡張現実)とVR(仮想現実)を研究する部門)の近くにあり、同社のVRヘッドセット製品であるMeta Quest 2や、スマートグラスの「Ray-Ban Stories」 のほか携帯デバイスが展示され、お客は従業員とビデオ通話したりVR体験をしたりとインタラクティブなデモが楽しめる予定です。
Meta社にとって実店舗は、単にハードウェアを売るだけでなく、より多くの人にVRとARの技術を知ってもらうための位置づけです。店頭でのVRデモは「壁から壁までの」巨大なLEDディスプレイで行われ、たとえばヘッドセット内に表示されている『ビートセイバー』のゲーム画面などが現実の視界いっぱいに広がるというぐあいです。
また、マーク・ザッカーバーグCEOも、自らのFacebookページにてMeta Storeを予告しています。「私たちの製品が人々をつなぎ、メタバースを構築していくなかで何が起こるかが分かる素晴らしい体験です」とのことです。
最初の店舗は1550平方フィート(約144平方メートル)という控えめなものですが、米The New York Timesは昨年秋、Meta社が世界中にリアル店舗を開くことを検討していると報じていました。同社のメタバース部門は2021年に100億ドルの損失を出していましたが、粘り強い努力を期待したいところです。
Source:Meta