ロンドンをベースとしたNothing Technologyは以前より投入を予告していた、ブランド初となるスマートフォン「Nothing Phone(1)」を正式発表しました。これまでのAndroidスマートフォンとは一線を画す、若い感性による新鮮なデザインが特徴のスマートフォンです。
中身が丸見えなスケルトンデザイン
Nothing Phone (1)のデザイン上の最大の特徴となるのは、本体背面のスケルトンデザインです。これにより、充電コイルやカメラパーツ、基板など、内部の様子が丸見えに。この外観から、米アップルがかつて投入した中身が透けて見える「初代iMac」を思い出す方もいらっしゃることでしょう。
背面には、974個のLEDによる発光機能「Glyph Interface(グラフ・インターフェイス)」を搭載。このGlyph Interfaceがさまざまなパターンで発光することにより、電話の着信からスマートフォンの充電状態まで、画面を伏せたままで表示することができます。さらに、グラフ・インターフェイスは動画撮影時には補助ライトとしても利用できるんです。
シンプルかつソリッドな本体
Nothing Phone(1)の本体フレームは100%リサイクル素材の、アルミニウム。また、プラスチックは本体外部には利用されていません。これにより、軽量かつプレミアムな質感を実現しています。フラットな外周は、かつてアップルから投入された「iPhone 4S」を連想させます。また本体は、IP53の防塵・防水仕様に準拠しています。
6.55インチの有機ELディスプレイには、業界でも高グレードなパーツを採用。ディスプレイの端を折りたたむことにより、画面の四隅(ベゼル)の太さを統一しています。具体的なスペックは、可変120Hz駆動、タッチサンプリングレート240Hz、10ビットカラー表示とHDR10+に対応、ピーク輝度は1200ニトなどなど。搭載プロセッサは米クアルコムの「Snapdragon 778G Plus 」で、ハイエンドなスペックではありませんが、日常仕様からゲーム用途まで十分なパフォーマンスを発揮してくれるはずです。
本体背面には、デュアルカメラを搭載。メインカメラには1/1.56インチのソニー製5000万画素イメージセンサー、超広角カメラにはサムスン製5000万画素イメージセンサーを搭載。OIS(光学手ブレ補正)とEIS(電子動体ブレ補正)をくみあわせることで、十分な撮影画質を確保しながら、カメラモジュールの薄型化にも貢献しています。そしてこれに、ステレオデュアルスピーカーが組み合わされています。
余計なものを省いた独自カスタムOS
OSは、Android OSをカスタムした「Nothing OS」を採用。ソフトウェアからハードウェアまで、一貫したウィジェットカラーを採用しています。さらにプリインストールアプリを40%削減し、アニメーションを最小限に抑えることで、サクサクとした動作を楽しむことができます。
なお、おサイフケータイに関しては現在対応を検討中。こちらは、普段遣いのスマートフォンとしては若干不便に感じるかもしれません。
日本市場への最適化が鍵に
Nothing Phone(1)の本体カラーはブラックとホワイトの2色で、まず公式サイトにて予約を開始。国内価格は、RAM 8GB/内蔵ストレージ256GBモデルが6万9800円となっています。標準的なミドルレンジ市場向けのスマートフォンらしい価格設定ともいえますし、強烈な円安の中でよく頑張った、とも考えることもできるかもしれません。
Nothingはプレブリーフィングの会場にて、繰り返し「既存の(Android)スマートフォンはつまらない」という言葉を繰り返していました。私もその点に関しては完全に同意しており、Androidスマートフォンはスペック以外に魅力を感じることがあまり多くありません。
しかしNothing Phone(1)はスケルトンデザインやGlyph Interfaceを採用することで、他のAndroidスマートフォからは一線を画す、「持ってカッコいい/ワクワクするスマートフォン」という立ち位置を確立しています。おサイフケータイへの未対応は残念ではありますが、ガジェット好きなアーリーアダプターとしては、ぜひ手に入れておきたい1台ではないでしょうか。
Source: Nothing
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