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2022/7/20 18:00

M2 MacBook Airは512GB以上を選ぶべき? 分解動画が公開される

先週M2チップを搭載した新生MacBook Airが発売されたばかりですが、そのベースモデル(SSDが最低容量の256GB)の分解動画がさっそく公開され、内部構造や「内蔵SSDのスピードがなぜ遅いか」が解き明かされています。

↑Image:Max Tech

 

YouTubeチャンネルMax TechがM2 MacBook Air(256GB)を分解したところ、内部設計は全体的に先代のM1 MacBook Airと似ていることが確認されました。が、前モデルの後ろから前にかけて薄くなるくさび型から、箱型に近い筐体になったおかげで、より大容量のバッテリーを内蔵できるようになったと分析されています。

 

アップルの公式仕様書によると、前モデルのバッテリーは49.9Whに対して、新型モデルは52.6Whへと増量。しかし、M1モデルとM2モデルともに、1回の充電で最大18時間はバッテリーが持つとうたわれています。M2はM1よりもクロック周波数が上昇しているため、消費電力も多くなっていると思われます。

 

さて分解動画では、M2チップを含めた新たなロジックボード(マザーボード)が明るみにされています。そして256GBストレージを持つモデルでは、NANDチップが1つしかないことも確認されました。

 

この事実は、先週アップルがThe Vergeに対して「1つのチップを使って256GBのストレージを実現する、より高密度の新しいNANDを使用しています」との声明を出して認めていたことです。なぜThe Vergeがアップルに問い合わせたかといえば、ベンチマークテストでM1モデル(256GB)よりもSSDの速度が最大で30~50%も遅くなっていたためです。

 

どうしてSSDチップが1つだと遅くなるかといえば、ざっくり説明すると「1度に1つのチップしか読み書きできないため」です。2つあれば一度に2つのデータをやり取りでき、単純に計算して2倍は速くなるわけです。

 

またM2 MacBook AirでもSSDチップ(赤で囲った部分)はロジックボードにハンダ付けされており、購入してから自力で大容量に交換することはとても難しい、あるいは不可能となっています。

↑Image:Max Tech

 

ことは、単に「ストレージからデータの読み書きが遅い」だけに留まりません。Macが重い作業を処理するとき、物理RAMが足りなければ記憶領域(SSD)をRAMとして扱う「仮想メモリー」を利用します。つまりSSDの速度が遅ければ、事実上RAMのアクセスも遅くなり、ひいてはMacBook全体の動きが激重になりかねないわけです。

 

このことから、やはりM2 MacBook Airを買われる人は最低限の256GBストレージを避けて、512GB以上を選んだ方がよさそうです。

 

修理業者サイトiFixitは、いずれM2 MacBook Airの詳しい分解動画を公開するはず。そちらも心待ちにしたいところです。

 

Source:Max Tech(YouTube) 
via:MacRumors