今年9月に「iPhone 14」発表イベントが行われた後、10月に新型iPadやMacを発表するイベントが行われると噂されています。そんななか、中国を過去60年で最悪の熱波が襲っていることで、iPadの生産に影響があるかもしれないとの予想が伝えられています。
米Reutersによると、中国・四川省では熱波に対応して、家庭用への電力供給を優先するため、工業用電力の消費を制限しているそうです。それによりリチウムやその他の金属の工場が閉鎖したり、生産を抑えめにしているとのこと。また同省の21都市中19都市の工業用ユーザーが8月15日から8月20日まで生産を停止するよう命じられた、とも報じられています。
この報道の後、有名アナリストMing-Chi Kuo氏は「四川省での一時的な停電は、成都(Foxconn)と重慶(Compal)のiPad組立工場に影響を与える可能性があります」とツイート。今のところ生産への影響を見積もるのは難しいが、8月20日に停電が終われば限定的なものに留まるとの見通しを述べています。
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A temporary power outage in Sichuan may affect iPad assembly plants in Chengdu (Foxconn) and Chongqing (Compal). Although it’s difficult to assess impacts on production currently, impacts should be limited if the power outage can end on August 20.https://t.co/tVmaJq9JsF— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) August 15, 2022
また組立業者が柔軟に生産スケジュールを調整することで、停電の影響を軽くできるはず。とはいえ、今後数か月の間に同じような事故が再び起きて、ピーク時期にアップル新製品の出荷に影響が出ないか注意が必要、とも但し書きを付けています。
ほかReutersが取材したRystad Energy(エネルギー関連コンサルタント会社)のアナリストSusan Zou氏は、中国のEV販売が好調に続けばリチウム価格が上がることは間違いないとしつつ、四川省の猛暑が来週も大きく緩まなければ、サプライチェーンに影響が及ぶ可能性があると指摘しています。リチウムはiPhoneやiPad内蔵のバッテリーにも使われており、そちらの生産にも響くかもしれないわけです。
今年10月のイベントでは、新型iPadがいくつか発表されると噂されています。まず、M2チップ搭載のiPad Proが2つ(11インチと12.9インチ)。それに第10世代iPad、つまり「一番安い無印iPadの新型モデル」が登場する、というもの。このうち新型の無印iPadは、Proっぽいデザインでカメラが強化された「CADレンダリング画像」がリークされていました。
現行のiPad Pro(2021)も、発売直後は何か月も品薄が続いていました。それは新型コロナ禍による工場の生産停止や物流の混乱によるものでしたが、ようやく正常に戻ってきた……と思っていたころに、また異常な熱波が来てしまった格好です。Kuo氏のいうように組立業者が調整を頑張ることで、10月には十分な台数が出荷されることを祈りたいところです。
Source:Reuters,Ming-Chi Kuo(Twitter)
via:9to5Mac