デジタル
Apple
2023/2/13 5:30

「製品として魅力ある」2022年注目集めたApple Watch Ultraをプロが判定

iPhoneをはじめとして、Appleの新製品が今秋続々と登場。円安の影響もあり全体的に価格が上昇したが、果たして性能はそれに見合うレベルに高められているのか? Apple製品に精通するプロが、各アイテムの進化ぶりに判定を下す!

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

私たちがJUDGEします!

ジャーナリスト

西田宗千佳さん

モバイル機器、PC、家電などに精通するジャーナリスト。取材記事を雑誌や新聞に寄稿するほか、テレビ番組の監修なども手掛ける。

デジタルライター

井上 晃さん

スマホやスポーツウオッチなどを中心にデジタル系の新製品やサービスを紹介。情報誌やウェブメディアに幅広く寄稿している。

Ultraが加わりより幅広い層へ訴求する

3ラインが新たに登場したApple Watchの、注目はやはりApple Watch Ultra。日ごろのフィットネスやトレーニングというレベルを超えた、極限での使用も想定したスペックを備え、タフさを誇るモデルだ。

 

「機能アップはかなり落ち着いてきた印象。そのために、デザインを大きく変えた『Ultra』を用意したのでしょう。素材を変えた“ラグジュアリー路線”より、製品としての魅力があります」(西田さん)

 

これまでApple Watchでは、スタンダードモデルのほかに、Apple Watch NikeやApple Watch Hermèsなど、機能面やデザインで“選ぶ”魅力を付加してきた。今回は“タフさ”という新たな選択肢をUltraでアピールしている。

 

「12万円超という価格はインパクトがありますが、実はアウトドア向けのスマートウオッチとしては適正。電池の持ちもGPSを使用した屋外ワークアウトで最大12時間まで伸びたので、1泊2日程度の登山などでも利用しやすくなったと言えます」(井上さん)

 

またApple Watch UltraとApple Watch Series 8が新対応した皮膚温の測定は、女性が便利に使える機能として注目したいポイントだ。

 

「約5日間就寝時に着用することで、手首の皮膚温の基準値が判定され、そこからの変動を毎晩計測する仕組みです。測定したデータによって、過去に遡った排卵日の推定や、周期予測の精度向上などに役立てられます」(井上さん)

 

Apple Watch Ultra

耐久レースや探検、冒険など、過酷な環境に挑むアスリートのために加わった新たなラインが「Apple Watch Ultra」だ。搭載される高精度なGPSアンテナは、トレーニングやレースの際に重宝する。

 

アスリート必携! 過酷な環境に耐えるタフな新ライン

↑3種類のバンドが付属。探検家向けのアルパインループバンド(左)、耐久レースのアスリート向けとなるトレイルループバンド(中)、ウォータースポーツ向けのオーシャンバンド(右)を用意している

 

Apple Watch Ultra

12万4800円

 

アスリートや冒険家向けに開発された新ラインが登場。-20℃〜55℃の温度帯で可動するタフなスペックがウリだ。高精度なGPSアンテナを搭載し、Apple Watch史上最も正確な位置やルートの情報を提供する。

↑Apple Watch Ultraは3つのマイクを内蔵。マイクで音声を取り込むと同時に周囲の背景音を低減するので、鮮明な音質を実現する。風が吹きつける環境下では、独自のアルゴリズムで風の音を低減する

 

↑暗闇で文字の視認性が向上する「ウェイファインダー」。ナイトモード有効時に表示されるモードだ

 

↑GPSを使って移動したルートを表示する「バックトレース」。道に迷ったときに足取りを確認できる

 

【JUDGEMENT】

≪◎≫ 価格が高いのは事実だが安心感や満足度も高い

「アウトドア向けではありますが、むしろ“最新機能全部入り”であり、バッテリー動作時間も通常使用時でもほかのラインより長い36時間というApple Watchです。高価ですが、安心して長く使いたい人向けですね」(西田さん)

 

≪○≫ -20℃でも動くので雪山で頼りになるはず

「動作温度が-20℃までに拡大したことに注目。寒さが厳しい地域の方やウィンタースポーツが好きな人、あるいは雪山登山をする方で、従来モデルの挙動に不満があった人ならば、Ultraに変えるメリットは大きいです」(井上さん)

 

■Apple Watchシリーズ 新旧スペック比較表