動画共有サービスのYouTubeは、ドナルド・トランプ前米大統領のチャンネルを復活させたことを発表しました。大手SNSとしては、TwitterやFacebookに続く動きとなります。
YouTubeによれば暴力の「継続的なリスク」と、有権者が(米大統領選挙の)主要な候補者から意見を平等に聴ける機会のバランスを取るため、この決定を下したと述べています。
1/ Starting today, the Donald J. Trump channel is no longer restricted and can upload new content. We carefully evaluated the continued risk of real-world violence, while balancing the chance for voters to hear equally from major national candidates in the run up to an election.
— YouTubeInsider (@YouTubeInsider) March 17, 2023
YouTubeは2021年1月6日、トランプ氏の支持者による米連邦議会への襲撃事件を受けて、トランプ氏のチャンネルでのアップロードを禁止。また特定の動画も削除されました。しかし、チャンネルそのものが閉鎖されたわけではありませんでした。かたやTwitterとFacebookの処分はさらに厳しく、トランプ氏の発言が暴力行為を誘う恐れがあるとしてアカウントを全面凍結していました。
トランプ氏はアップロード制限が解除された直後、さっそくYouTubeに新たな動画を投稿。そしてFacebookにも同様の動画を公開し、どちらも「I’m Back!(戻ってきた!)」とタイトルを付けています。
こうしたYouTubeの方針変更は、ちょうど米下院の共和党がコンテンツモデレーション(投稿規制)につきハイテク大手のCEOを尋問する計画を発表した直後のことです。
長年にわたり共和党はYouTubeの親会社Googleや、Facebookを傘下に持つMetaなどが誤報やヘイトスピーチと戦うとの名目で、右派の意見を検閲していると主張してきました。YouTubeもさらに政治的な圧力が強められるのを恐れて、歩み寄ったのかもしれません。
Source:Reuters
via:Engadget