アップルの忘れ物トラッカー「AirTag」は本来、なくしたものや忘れ物を探すために使われますが、残念ながらストーキング目的で使う人も後を絶たないようです。しかし、そうした悪意ある使われ方をされたものの、アップルがAirTagに組み込んだ安全対策によって旅行中に危機を逃れた人たちが体験談を語りました。
オーストラリアのメディア・7NEWSによると、エミリー・シンクレアさんとジェーンさんが一緒に旅行し、初めてバリ島に行きました。その数日後、奇妙な音が聞こえてきたため荷物を探ると、何者かがAirTagを忍ばせていたそう。おそらく目的であり、到着した空港で入れられたと推測されています。
アップルはAirTagに数々の安全対策を施しており、おかげでストーキングに気づいた人たちも数多くいます。ただ、シンクレアさんたちはアップル製品を一切持っておらず、よってiPhoneを通じて警告を受け取ることもできませんでした。
すぐにAirTagのバッテリーを取り出したものの、すでに居場所を知られている恐れもありました。そのためシンクレアさんたちは8泊分の宿泊をキャンセルし、その日のうちにタクシーで移動して、より人口の多い地域にいるようにしたとのこと。結局、旅行も途中で切り上げて帰国したそうです。
AirTagは悪用されることを防ぐため、登録者の手元から離れてしばらく経つと、動いた時点で音が鳴る仕組みになっています。シンクレアさんたちはこの音を聞いたためにストーキングに気づいたと考えられるので、アップルの対策が機能した一例と言えるでしょう。他社のBluetoothトラッカーでは、こうしたセキュリティへの配慮を欠いた製品が珍しくありません。
また、アップルはAndroidデバイス向けにも、不審なAirTagを検出できるアプリ「トラッカー検出」を提供しています。プライバシーや自分の身を守るためには、こうした安全対策を賢く使っていきたいところです。