セキュリティソフト大手のトレンドマイクロは、ルーターに接続するだけで家庭内のパソコン、スマホ、スマートテレビなどのIoT製品を不正アクセスの脅威から守ることができる「ウイルスバスター for HomeNetwork」を発売しました。同社のオンラインショップなどで販売し、価格は1万9224円。本体には1年間の使用ライセンスが付属し、継続して使用する場合は年間6480円のライセンス料がかかります。
従来、インターネットからの不正アクセスやウイルスの感染に脅かされていたのは、主にパソコンでしたが、近年、スマートフォンやタブレットの利用が増加し、モバイル端末にもセキュリティ対策が必要な状況になっています。加えて、スマート家電などインターネットに接続できるIoT製品も増加の傾向にあり、家庭内のスマートテレビがランサムウェアに感染し、視聴できなくなる事例などが報告されていました。
こうしたIoT製品がウイルスなどに感染してしまう理由のひとつに、家庭内に設置されたルーターが攻撃される事例が挙げられています。不正にハッキングされたルーターを介してIoT家電がネットにつながることで、不正サーバーにアクセスするように誘導されてしまうことが実際に起こっているのです。
また、スマートテレビやエアコン、冷蔵庫などのIoT製品は、まだセキュリティ対策が十分でないことが多く、あとからソフトやアプリでセキュリティを強化することもできないため、悪意ある攻撃を受けるリスクに晒されているのが現状です。
ウイルスバスター for HomeNetworkは、それら製品単体でセキュリティ対策ができないスマート家電を含めた、家庭内のインターネットに接続する製品のすべてをサイバー攻撃の脅威から保護することを目的に開発された製品。
家庭に設置されたルーターに接続することで、家庭内のネットワークからのインターネットへの通信を監視します。不正サイトや攻撃者からの侵入が試みられた場合や、ウイルスやランサムウェアなどがダウンロードされそうになると通信をブロック。さらに、パソコンやスマホ、IoTデバイスが詐欺サイトや不正サイトへにアクセスしようとした場合にも、警告を発し通信を防ぎます。
最大の特徴は、設定が簡単で誰でも安心して利用できること。本モデルと家庭内のルーターを有線LANケーブルで接続し、スマホから設定を行うだけで、インターネットに詳しくない人でも手軽に自宅内の機器を保護することが可能です。
家電やデバイスがネットに接続することで、さらに使いやすく進化するIoT社会において、今後ますます重要になってくるセキュリティ問題。自宅とネットを結ぶルーターにセキュリティを施すというトレンドマイクロの新しい提案に注目が集まりそうです。