ドラマ「パリピ孔明」で演じた仮面アイドルユニットのメンバー役が話題を呼び、今年は映画『タイムマシンガール』で主演を務めるなど、躍進著しい俳優の葵 うたのさん。20歳でJapan Film Festival Los Angeles2022にてBest J. Horror賞を受賞した若手監督、清水友翔氏の長編映画デビュー作『僕の中に咲く花火』でヒロインを務める彼女に、数年前から始めたという畑や、最近買って良かったもの、ハマっているアニメなどを聞いた。

【葵うたのさん撮り下ろし写真】
身の周りのものは愛着を持ったものだけにしたい
──最近買って気に入っているものはありますか?
葵 風鈴ですね。今まではガラスの風鈴を使っていたんですが、小田原のポーラ美術館に行った時に初めて銅の風鈴を買ったんです。音が全く違うので、より清々しくてお気に入りです。あと買ったものではないのですが、自分で作った器です。4年ぐらい前から陶芸にハマっていて、ワイングラスや、摘んだ葉っぱを柄にしたお皿などを作っています。
──どういうきっかけで陶芸を始めたのでしょうか。
葵 自分の中で、身の周りのものは愛着を持ったものだけにしようというキャンペーンが始まりまして(笑)。ひとつひとつ作って、揃えています。口にするものにもこだわるようになって、2年前に田舎に移住してからは畑もやっていますし、梅酒を作ったり、化粧水を作ったり、家の周りに自生するどくだみで虫よけ・かゆみ止めを作ったり。
──虫よけ・かゆみ止めって自分で作れるものなんですね。
葵 子どもの頃から、ドクダミを摘んで、すり潰したものを塗ると、かゆみが止まるというのは知っていました。学童に通っていた頃に、そういう知識や原始的なものづくりを教わったんです。
──畑ではどんなものを育てているのですか?
葵 いまだとトマト、ナス、ゴーヤなど、夏野菜ですね。鷹の爪やニンニクなど、いろいろ育てています。家庭菜園じゃなくて、ちゃんとした畑で自分が食べる分を作っているんですが、たくさんできちゃうんです。だから近所の人と物々交換をして、よくじゃがいもをもらいます。
──猛暑の中で農作業するのは大変ですね。
葵 暑さも厳しいですが、今年は雨が降らないので問題で。朝に水をあげても暑すぎて野菜がダメになっちゃうんです。農薬を使っていないので、気づいたら雑草も生えてきちゃうし、いろいろ管理が大変です。お仕事もあるので毎日の手入れは難しくて、できる時に一気にやるんですが、とにかく植物は生命力がすごいんです。春先に数日間、家を開けてしまって、久々に帰ったら雑草がとんでもなく伸びていて。その中にネギ坊主が咲いていたり、春菊のきれいな黄色い花が咲いていたりして。だらしない状態の畑から綺麗なものが見えたので良かったです。その花で花束を作って飾ったりもしました。

──自分で育てた無農薬野菜の味はどうですか?
葵 美味しいですね。味が全然違います。初めてナスを収穫した時に、オリーブオイルと塩だけで食べたんですが、こんなにも野菜って美味しいんだと感動しちゃって。甘みやうまみ、柔らかさなどが全然違います。トマトも朝に収穫すると、太陽の温かさが残っているんです。そのまま冷やさないで食べると、太陽の温かさと甘みがあって美味しいです。
──虫は平気なんですか?
葵 全然平気ですね。時間があるときは、テープでペタペタと農作物に付いたアブラムシを取っています。地味な作業ですが、それも楽しいんですよね。
──美術館はよく行くんですか。
葵 お仕事で地方に行った時は、時間があれば調べて美術館に行くようにしています。でも定期的に行くのはポーラ美術館だけで、一年に1回は行きます。建物自体も好きですし、森の遊歩道があるんですけど、そこの展示がお気に入りで。その中に、木に11個のスピーカーが括りつけて、フルートの演奏が一音一音聴こえてくる展示(スーザン・フィリップスのサウンド・インスタレーション「Wind Wood」)があるんですよ。常設展示なので、そこに座っておにぎりなどを食べながら聴いています。
──本当に自然が大好きなんですね。今住んでいるおうちは、古い建物なんですか?
葵 そうです。引っ越したときはボロボロで、お風呂にシャワーがついていなくて、ガスでお湯を沸かして桶に溜めていました。さすがにシャワーはつけましたが、好きなもの以外は増やさないようにしていて。家電も必要最小限にしているのですが、ピアノが置いてあるので、変なレイアウトになっています(笑)。田舎に引っ越して2年が経ちますが、すっかり慣れましたし、都会よりも肌に合って気持ちいいですね。
──ちなみに最寄り駅から自宅までの距離はどれぐらいですか。
葵 徒歩30分ぐらいです。徒歩か自転車で通っています。普通に日常生活を送るだけで十分体を動かしているので、けっこう疲れるんですよ。今年は車の免許を取ろうと思っているんですが。

──いずれ収穫した農作物を出荷する日が来るかもしれないですしね。
葵 畑を広げる際には、車があったほうがいいかもしれませんね(笑)。
──葵さんはアニメもお好きなんですよね。
葵 観るのも大好きですし、グッズも集めています。わりとミーハーなので、最近は『鬼滅の刃』や『薬屋のひとりごと』など、いろいろ観ています。ちなみに劇場版『「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は2回観に行きました。
──『鬼滅の刃』で好きなキャラは?
葵 柱だと冨岡義勇さんと胡蝶しのぶさん、敵キャラだと黒死牟が好きです。よく『鬼滅の刃』の一番くじもやるんですが、セブン-イレブンでアイスを2個買うと、鬼滅の刃オリジナルクリアポスターを1枚もらえるキャンペーンもやっていて、アイスばかり溜まっちゃいました(笑)。日常生活でも、つらいことがあった時は「こんなんじゃ柱になれない!」と思って、木刀まで買って素振りをしています(笑)。影響を受けやすいんですよ。

僕の中に咲く花火
2025年8月30日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
(STAFF&CAST)
監督・脚本:清水友翔
出演:安部伊織 葵うたの 角心菜 渡辺哲 / 加藤雅也
水野千春 佐藤菜奈子 平川貴彬 米本学仁 桜木梨奈 田中遥琉 古澤花捺 國元なつき
(STORY)
田園風景の豊かな岐阜県にある田舎町。小学校の頃に母親を亡くしている大倉稔は、家にほとんど帰ってこない父親と不登校で引きこもっている妹に頭を悩ませていた。10年前に亡くなった母を未だ忘れられない稔は、死者と交流ができる、と話題の霊媒師を訪ねる。そこで「ドラッグ」が臨死体験に似た働きをすることを知った稔は、死後の世界への好奇心から非行の道を走り始める。そんな折、東京から帰省してきたという年上の女性、朱里と出会う。どこか母親のような優しさを併せ持つ朱里は、稔の心の寂しさを埋めてくれる存在になっていく。しかし、稔の前で起こった不幸な事件が稔の心がこれ以上ないほどに引き裂かれてしまう。死への好奇心が恐怖に変わってしまったことで、彼の胸の内に潜んでいた狂気が姿を現し始めるのだった……。
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撮影/河野優太 取材・文/猪口貴裕