貯金してもお金の価値は減る一方!? 税理士・公認会計士で投資家でもあるお金のプロ直伝、「儲かる人」になるためのアクション

ink_pen 2025/10/10
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貯金してもお金の価値は減る一方!? 税理士・公認会計士で投資家でもあるお金のプロ直伝、「儲かる人」になるためのアクション
藤原 綾香(GetNavi Salonマネージャー)
藤原 綾香(GetNavi Salonマネージャー)

「GetNavi web」のモノ系コミュニティ「GetNavi Salon」の運営マネージャー。報道系ニュースメディアでの勤務や、公式Xアカウント中の人経験アリ。三度の飯よりゲームとコーヒーと、人と語らう時間が好き。

物価高と円安に生活を圧迫され、毎月貯金するのもやっと……という人が少なくないのでは。しかし税理士・公認会計士で投資家の永江将典氏によれば、「貯金しているだけでは、お金を捨てているのと同じ」だと言います。せっかく貯めたお金の価値が知らぬ間に目減りしていくというのは、信じ難い話です。

永江氏は最新著書『最強の投資と節税 二刀流税理士のお金の増やし方』(10月2日発売)で、「何もしないこと」こそが最大のリスクだと警鐘を鳴らしています。取材をすると、「今の懐状況で、投資なんてとんでもない!」と考えている人ほど、先を見据えたアクションが求められているとわかりました。前編では“投資に回すためのお金”を確保するために今すぐできることをお伝えします。

永江 将典(ながえ まさのり)
税理士・公認会計士・投資家。
1980年愛知県生まれ。早稲田大学を卒業後、半年後に公認会計士試験に合格。監査法人トーマツやトヨタ自動車での勤務を経験、一部上場企業の監査や株式公開支援、税務調査の業務に携わる。2012年に独立し税理士事務所を開業。5店舗に拡大し200社以上のクライアントや富裕層から、お金の守り方、増やし方を学ぶ。投資家としては20代から株式投資、30代で不動産投資を始めるも、数々の失敗を経験。これまで投資の失敗で約5,000万円を失いながらも試行錯誤し、投資収入が年間1,000万円を超えたのち、税理士事務所を売却。現在は投資家として総資産10億円を運用している。著書に『税金でこれ以上損をしない方法』等がある。

行動した人・しなかった人とで「30年後に130万円」の差がつくワケ

――物価高で、生活費の余裕がない人が増えています。投資を始めるタイミングではないように思えるのですが……。

永江:だからこそ、今すぐ行動を起こす必要があるのです。物価高の時代に何もしないでいるのは、実質的にお金が減っていくことを意味します。もちろん銀行に貯金していれば、数字上のお金は減りません。しかし物価が上昇すれば、買えるものが必然的に減ってしまいますよね。

例えば、年利2%で物価が上昇するとしましょう。何も投資せずにいた場合、100万円の実質的な価値は10年後に82万円、20年後に67万円、30年後には55万円と目減りしていきます。年金が当てにならないと想定すれば、この損失はさらに深刻ですよね。

しかし、もし年利2%で運用できたと仮定すると、10年後には121万円、20年後には148万円、30年後には181万円にまで資産が増加します。何もしなかった人と比べると、30年後にはなんと130万円もの差が生まれることになりますね

つまり単に貯金しているだけでは、お金を捨てているのと同じ。「何もしないことが最大のリスクである」と理解することが、第一歩です。

――額面で見るとものすごいインパクトですね! といっても、いきなりまとまったお金を用意するのは難しそうです。

永江投資に回すためのお金は生活費とは切り分けたほうがよいので、そういった意味でも、まずは「投資に使えるためのお金」を増やすための行動が必要です。

投資で資産を増やすことが「攻め」なら、その土台となる「守り」は、節税や固定費の見直しを通じて不要な出血を減らすことです。

――なるほど。まず、今すぐできる節税術を教えてください。

永江:最も手軽で効果的なのは「ふるさと納税」です。まだやっていない方は、ぜひ今すぐ調べてみてください。返礼品を受け取りながら住民税が控除される、非常にお得な制度です。

その他には、生命保険料控除や地震保険料控除などがあります。貯蓄性のある生命保険に入っていれば、年末調整で控除を受けられますし、火災保険とセットで加入する地震保険も対象です。

そして、投資を意識するならば「NISA(少額投資非課税制度)」という手もあります。運用益が非課税になる制度なので、運用で得た利益に対して税金がかからないという点で、非常に強力な節税効果があります。投資と節税は別物ではありますが、セットで考えておくとお金がより増えるのは間違いありません。

私の著書『最強の投資と節税 二刀流税理士のお金の増やし方』では、さらに相続税対策や副業といった節税方法についてもお伝えしています。気になる方はぜひお手に取ってみてくださいね。

↑『最強の投資と節税 二刀流税理士のお金の増やし方

一度見直せば、効果が持続する節約項目5選

――固定費の見直しも重要な「守り」の一つだと仰っていましたね。具体的にはどんな項目を見直すべきでしょうか。個人的に、食費は削りたくないなと……。

永江:一度見直すとその後も効果が持続する「永続的な節約項目」を5つ紹介しますが、やめたり削ったりするとストレスが溜まるものは、無理に見直さないほうがいいと思います!(笑)

一つ目が「サブスク」です。動画配信サービスやアプリなど、惰性で払い続けてしまっているものがないかクレジットカードの明細で確認し、不要なものは解約しましょう。ここと関連して「クレジットカード」も見直し対象です。使っていないカードの年会費は無駄ですからね。

あとは、「格安スマホへの乗り換え」もおすすめ。キャリアスマホから格安スマホに変えるだけで、毎月数千円の節約になります。年間で見れば数万円、10年で数十万円にもなります。

それから金利が低い時期に「住宅ローンの借り換え」をすることで、総返済額を大幅に減らせる可能性があるので要チェックです。最後に「生命保険、火災・地震保険の見直し」もしましょう。保障内容が適切か、保険料が高すぎないか、“定期的に”確認することが大切です。

――色々やりくりしても、浮いたお金はたった数千円という人もいるかもしれません。投資に回す意味はありますか?

永江:もちろんあります。お金に対する意識が大きく変わってくるからです。投資額が小さくても自分の資産が動くことで、経済や世界情勢に目が向くようになり、結果としてお金を増やすための行動へと繋がります。

完璧なスタートを切れるタイミングを待つのではなく、「今できることから始める」。これが何より大切です。私も最初は不安だらけでしたが、とにかく行動に移しました。

――今や永江先生の投資歴は20年、運用総額は10億円以上ですよね。初心者時代の想像がつきません! 投資を始めたきっかけは何だったんでしょうか。

永江:会社員時代、「普通に働いていても豊かになるイメージが持てない」と、漠然とした不安があったんですよね。「会社を辞めたい」「働きたくない」という思いも強かったです。

そんなときに出会ったのが、『金持ち父さん 貧乏父さん』という書籍。ここに書かれていた「投資収入が生活費を上回れば、好きなことをして生きていける」という考え方に衝撃を受け、投資の世界に足を踏み入れました。

後編では「投資」をキーワードに、100円からでも始められる方法や、NISAについてお話します。ざっくりご紹介すると、NISAで毎月5万円を投資した結果、30年後に約1780万円の利益が出るシミュレーションもお伝えしますよ。

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