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2019/4/5 21:15

ほっこりしたいときに! 春を呼び込む「エレクトロニカ」30曲

長い長い冬も終わり、待望の春がやってまいりました! ということで、季節と照らして春をもっと呼びこんでくれるような“ほっこりする音楽“をお届けしたいと思います。今回スポットを当てるのは「エレクトロニカ」というジャンルです。「エレクトロニカ」は人によって特に解釈の異なるジャンルであると認識しているので、自分なりの見解をまず述べておきます。

 

おおもとにあるのはエレクトロニック・ミュージックと呼ばれる大きなジャンルです。ざっくりというとその言葉通りに電子音楽全般を指す言葉で、テクノ、ハウス、ビッグビート、トリップホップ、ダブステップ、エレクトロ、アンビエント、チルアウト、ジャングル〜ドラムンベース、トランス、EDMといった様々な音楽性の総称です。そして「エレクトロニカ」もエレクトロニック・ミュージックに属します。

 

ここからが極めて個人的な見解ですが、エレクトロニック・ミュージックは主にクラブ・ミュージックとしても機能する音楽ですが、今回紹介する「エレクトロニカ」はベッドルーム・ミュージック、つまり家でも聴けるホーム・リスニング的な側面を持つ音楽性を特徴としています。踊らせることを目的としていない非クラブミュージック、いわゆるIDM(インテリジェント・ダンス・ミュージック)ともうたわれるのはこうした所以です。

 

具体的には、アンビエント寄りのダウンテンポ、またはビートレス、複雑なサウンドの緻密なレイヤード、牧歌的で幻想的なサウンドスケープのものがあるかと思えば、あの世の世界を具現化したような漆黒の音像にまみれたものもあります。またノイズ音(クリックやグリッチ)や不協和音を多用した実験的なエレクトロニカも存在しますが、いまではこちらが主流かもしれません。

 

そしてもうひとつ。2000年代前半にアコースティックサウンドとエレクトロニカを融合させた「フォークトロニカ」というジャンルが登場したのですが、これは2001年にリリースされたフォー・テット(イギリスのキーラン・ヘブデンのソロ・プロジェクト)のアルバム「Pause」のリリースを機に大きく広がっていったと記憶しています。自分的にはこの感触のサウンド=フォークトロニカを「エレクトロニカ」的なサウンドとなんとなく捉えています。

 

さらにもうひとつ。これが重要なのですが、先鋭的なクラブミュージックを発信してきたイギリスの老舗レーベル「Warp Records(ワープ・レコーズ)」の功績も忘れてはなりません。今年で創立30周年を迎えるワープ・レコーズは早い段階からカッティングエッジなテクノ、IDM、そしてエレクトロニカを牽引し続け、とりわけボーズ・オブ・カナダとオウテカの2組はエレクトロニカの新たな地平を切り開いたといっても過言ではありません。

 

彼らが刻むサウンドはハイエンドなクラブミュージックとして200%機能しますが、エレクトロニカやIDMでもあると解釈しています。非クラブミュージックとクラブミュージックの両極を兼ね備えたこの2組は、もはや別格の存在のような気がします。とりわけボーズ・オブ・カナダが放つ、黄泉の国に足を踏み入れたかのようなサイケデリア感は唯一無二の音世界ですので、機会があればぜひ聴いてみてください。ちなみに、みんなが大好きな鬼才エイフェックス・ツインもワープ・レコーズ所属です。

 

今回は「エレクトロニカ」というジャンルから、春をなんとなくイメージさせる楽曲を中心にセレクトしてみました。「エレクトロニカ」の枠を超えたチルウェイブやドリームポップ寄りのサウンドもありますが、広義のエレクトロニカということでご理解ください。そして前述したワープ・レコーズ系のサウンドは「春」「ほっこり」とは真逆のストイックなサウンドですので、今回は見送らせていただきました(笑)。

 

「Spotify」アプリをダウンロードすれば有料会員でなくても試聴ができますので、多種多様のエレクトロニカを聴きながら、春を感じていただければうれしいです。

 

 

【春を呼び込むエレクトロニカ30曲】

1.My Things/Alpha  アルファ
2.We Can’t Be Friends/Dream Koala  ドリーム・コアラ
3.Curls/Bibio  ビビオ
4.Six Pianos – Arranged by Jimi Tenor – Remix/Steve Reich, Jimi Tenor  スティーヴ・ライヒ、ジミー・テナー
5.Climbing Up the Walls(Zero7 Mix)/Radio Head  レディオヘッド
6.Home And Dry – Ambient Mix/Pet Shop Boys  ペット・ショップ・ボーイズ
7.Atoll Moao/Goldlix  ゴールディックス
8.24/7/Smith & Mudd  スミス&マッド
9.Soft/Washed Out  ウォッシュト・アウト
10.Into Forever/Eat Lights Become Lights  イート・ライツ・ビカム・ライツ
11.Homing(NSD mix)/tinorks  ティノークス
12.Immunity/Jon Hopkins  ジョン・ホプキンス
13.Hope Valley Hill/Helios  ヘリオス
14.Green Green Grass of Tunnel/múm  ムーム
15.Apocalypse/Cigarettes After Sex  シガレッツ・アフター・セックス
16.Road Head/Japanese Breakfast  ジャパニーズ・ブレックファスト
17.Feel Your Weight – Poolside Remix/Rhye  ライ
18.British Summertime/Bent  ベント
19.For the Friendships(along the way)/Mark McGuire  マーク・マグワイヤ
20.calm/haruka nakamura  ハルカ・ナカムラ
21.Depression/Otxhello  (日本語表記不明)
22.You’re The Best Find/Stuntman  スタントマン
23.This Unfolds/Four Tet, Kieran Hebden  フォー・テット、キーラン・ヘブデン
24.On Sunday/Kim Hiorthoy  キム・ヨーソイ
25.Sometimes/Goldmund  ゴールドムンド
26.Come Here Go There/Rei Harakami  レイ・ハラカミ
27.Out the Window/With the wWndow/Tunng  タン
28.Aquarium/Nosaj Thing  ノサッジ・シング
29.Film/Aphex Twin  エイフェックス・ツイン
30.Fahrenheit Fair Enough/Telefon Tel Aviv  テレフォン・テル・アヴィヴ