まばたきするだけでズーム! 続々開発中の「近未来型コンタクトレンズ」

ink_pen 2019/8/26
  • X
  • Facebook
  • LINE
まばたきするだけでズーム! 続々開発中の「近未来型コンタクトレンズ」
佐藤まきこ
さとうまきこ
佐藤まきこ

大学時代に細胞培養の研究を専攻した後、メディア・広告の世界へ。雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。ハワイ、オアフ島在住。Instagram: @hawaii_milestone

まばたきするだけで、コンタクトレンズを自動でズームできる――。SF映画のワンシーンのような、そんなコンタクトレンズが最近ついに開発されました。いったいどんな仕組みのコンタクトレンズなのでしょうか?

 

まばたきの電気信号を読み取る

この未来型コンタクトレンズを開発したのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チーム。彼らは人間の目の動きとコンタクトレンズ間のヒューマンマシンインタフェース技術を開発しました。

 

彼らが使用したのは、バイオミメティクスなソフトコンタクトレンズです。バイオミメティクスとは生物を模倣して作られる技術のことで、このレンズは電気活性する高分子フィルム(誘電エラストマ―)で作られました。2つの電極に挟まれたフィルムは、電位の変化によってフィルムを厚くしたり薄くしたり厚さを調整することが可能。そして、人間が目を上下左右に動かしたり、まばたきしたりするときに生じる電気信号を読み取り、それに応じてレンズの厚みを変えることができるという仕組みなのです。

 

スマートコンタクトレンズの開発も

腕時計タイプや指輪タイプなど、さまざまな種類のウェアラブル機器が生まれていますが、それと同じようにコンタクトレンズにプラスアルファの機能を入れてしまうのが、スマートグラスやスマートコンタクトレンズと呼ばれる分野。

 

例えば、名古屋大学と科学技術振興機構は糖尿病治療分野で、涙液の糖濃度をモニタリングできるスマートコンタクトレンズを発表しました。またGoogleは、AIエンジンを搭載し学習能力もあるスマートグラスも発表しています。

 

このように、コンタクトレンズそのものに必要な機能を搭載してしまう開発がこれからも進んでいくものと考えられます。今回ご紹介したスマートレンズはまだプロトタイプですが、将来的には義眼や度数を調整できるメガネなどに応用できる可能性があるとのこと。たくさんの人たちの役に立ちそうなこの分野の研究からは今後も目が離せません。

 

海に捨てられる「コンタクトレンズ」は年間2万kg以上! 環境汚染の意外な盲点先日、世界各国で行われているレジ袋規制についてお伝えしたように、最近のプラスチック製品による環境問題というと、スーパーの袋のほか、ストロー、ストロー、使い捨てのフォーク、ナイフなどが思いつくでしょう。でも、意外な盲点となりそうなのがコンタクトレンズなんです。米アリゾナ大学の研究チームが8月に発表した報告で、使い捨てコンタクトレンズが海のプラスチック汚染の大きな原因になっている可能性が指摘されました。

 

Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で