まさに「紙」技! 新しい印刷技術が「キーボード」に革命を生み出す

ink_pen 2020/9/19
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まさに「紙」技! 新しい印刷技術が「キーボード」に革命を生み出す
佐藤まきこ
さとうまきこ
佐藤まきこ

大学時代に細胞培養の研究を専攻した後、メディア・広告の世界へ。雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。ハワイ、オアフ島在住。Instagram: @hawaii_milestone

ワイヤレスや有線、メンブレンやパンタグラフ、メカニカルなど、キーボードの種類や方式にはさまざまな種類がありますが、現在まったく新しいキーボードが生まれようとしています。それが、ただの紙切れや段ボールを使ったキーボード。将来のキーボードは現在のものより、はるかにもっと薄くて持ち運びやすくなるかもしれません。

↑単にテンキーが書かれた紙っぺらではない

 

どこにでもあるただの紙をキーボード代わりに操作可能にする技術を発表したのが、アメリカのパデュー大学のエンジニアチームです。このチームは特別な印刷技術を開発して、ただの紙や段ボールをキーボードとして使えるようにしました。

 

この技術はフッ素系高分子の働きにより、紙に水や油、ホコリをはじく加工を行います。それにより、印刷したときにインクがにじまず、何層もの回路を紙に印刷することができるうえ、この印刷した回路は摩擦によって生じる静電気で動く構造のため、外部から電源を得る必要などもないそう。文字や数字などのデータはBluetoothを利用したワイヤレス通信でPCへ通信する仕組みです。

 

パデュー大学が公開した動画では、テンキー(数字キー)、音楽の再生や音量調整キーを印刷した紙が紹介されており、従来のキーボードと同じように、紙を指でプッシュしたりなぞったりすると、接続先のPCが反応して動いている様子がわかります。

 

また、段ボールの切れ端など表面が紙ベースのものなら印刷可能ということで、この技術は比較的安価に利用することができそう。紙や段ボールに印刷したキーボードは、折ったり湾曲させたりしても使えるようです。

 

食品パッケージなどに応用可能

この技術は、現在の大量印刷技術とも互換性があり、製品パッケージの印刷などにも簡単に利用できる可能性があるとのこと。このエンジニアチームの助教授は食品のパッケージへ利用できると考えており、例えば、食品が配達された際、受取人がこのキーボードを使って印刷面をドラッグして、届いた商品が自分の注文と合致するか確認するといった具合です。

 

ただの紙がキーボードになって折ることも可能なら、持ち運ぶときに重さを大きさを気にする必要が一切なくなって、かなり便利になることは間違いなさそう。打ちやすさが気になるところですが、これはもう少し先の問題でしょう。普段からPCやタブレットを持ち歩く方にとって、楽しみな将来が待っているかもしれません。

 

 

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