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2021/3/19 20:00

営業職から専属アナへ転身!「ABEMA」西澤由夏さんの目標は「安住アナ!?」

「ABEMA」の専属アナウンサーとして、バラエティ、スポーツ、ニュースまで、多彩なジャンルの番組でキャスターやアシスタントを務めている西澤由夏さん。入社当時はサイバーエージェントの営業職に就き、一般公募のエントリーをきっかけに、学生時代から抱いていたアナウンサーの夢を叶えた西澤さんに、これまでのキャリアやアナウンサーとしての矜持などを中心にお話を伺いました。

(構成・撮影:丸山剛史/執筆:猪口貴裕)

 

できたばかりのアナウンス室で試行錯誤を繰り返した

――西澤さんは現在「ABEMA」のアナウンサーとして『チャンスの時間』、『NewsBAR橋下』、など多彩な番組を担当していますが、サイバーエージェントに入社した当時は営業職だったんですよね。

 

西澤 私が入社した2016年は「ABEMA」が開始した年なのですが、当時はアナウンス室がなくて、社会人1、2年目はサイバーエージェントでアメーバブログの営業をやっていたんです。

 

――アナウンサー試験は一般公募だったんですか?

 

西澤 そうなんです。公募が開始されたのも知らなくて出遅れてしまいそうになり、急いで提出しました(笑)。もともとアナウンサー志望だったので、いつかアナウンス室ができたらいいなという気持ちはありました。そんな中、入社2年目に、ABEMA専属アナウンサーの一般公募が開始され、他の公募者同様にエントリーシートとエントリー動画を提出し、合格しました。

 

――営業職のころにも番組には出ていたんですよね。

 

西澤 当時、サイバーエージェント社員が出演する番組もあって、私はずっとアナウンサーをやりたいと言っていたので、起用してくれたんだと思います。あくまで一社員なので、アナウンス力を問われることもなく、できる範囲で喋ってくださいという感じの番組が多かったです。ただ、カンニング竹山さんがMCを務める『業界激震!? マジガチランキング』という番組だけは、アシスタントとしての役割を求められ、大変勉強になりました。

 

――2018年4月にアナウンス室が始動して、西澤さん、藤田かんなさん、瀧山あかねさんの3人が専属アナウンサーに選ばれますが、営業をやっていて良かったなと思う点はありますか。

 

西澤 最初に新卒で社会人経験をしておいて良かったなと感じます。アナウンサーはタレントではなくあくまで社員なので、社会人スキルを身につけた状態でアナウンサー業務をスタートさせることができました。また営業先が芸能事務所さんやタレントさんだったので、そこの繋がりがあったのもコミュニケーションの部分などで役立ちました。

 

――アナウンサーの先輩がいない中で、アナウンス室を作り上げるのは大変なことですよね。

 

西澤 はい。「ABEMA」自体も新しいメディアでしたし、アナウンス室には先輩もいなかったので、試行錯誤を繰り返しました。

 

――3人の中では、年齢も社会人としてのキャリアも西澤さんが上ですけど、2人をリードする立場だったんですか?

 

西澤 確かに2人よりも社会人歴があって、そこは強みでしたが、アナウンス室ができたばかりのころは人のことを考える余裕もなかったですし、自分が任された番組を精いっぱいやることに必死でした。今は、私発信でアナウンス室を引っ張るように意識しています。アナウンス技術は私も勉強中の身ですが、アナウンス室でお互いの近況報告をする時間をとろうとか、それぞれの弱点や身に付けたい技術をスキルアップする場を設けようとか、私が提案してミーティングをする機会も増えました。

 

――技術面で西澤さんにアドバイスをする方は社内にいらっしゃるんですか?

 

西澤 たとえばナレーションですと、番宣映像などを制作するクリエイティブチームの方々に定期的にナレーション音源をお送りし、アドバイスをいただく機会をアナウンス室で設けています。そうやって外の部署の方に教えてもらう機会を、もっと増やしていきたいなと思っています。

 

――西澤さんがアナウンス室を引っ張ろうと思ったきっかけはあったのですか?

 

西澤 それまではプレイヤーとして必死に頑張っていましたが、昇格させていただく機会を経て、その期待に応えられるように、アナウンス室の将来も考えた取り組みをするようになりました。

 

――担当番組はどのように決まるのですか?

 

西澤 番組側からお声がけをいただき決まることが多いです。

 

――「ABEMA」はチャンネル数も多いですし、ジャンルも多岐にわたりますよね。

 

西澤 チャンネル数が多い分、担当ジャンルも幅広いので、毎日勉強している状態です。

 

アナウンサーになるため大学のミスコンにエントリー

――いつごろからアナウンサーになりたいと思っていたんですか?

 

西澤 アナウンサーになりたいと思ったきっかけは『めざましテレビ』(フジテレビ系)です。小学生のころから毎朝、『めざましテレビ』を見てから登校するのが日課で、高島 彩アナウンサーが出ていらっしゃる時代だったのですが、子どもなりにアナウンサーの仕事が分かってきて、小学2年生の文集に将来の夢として「アナウンサー」と書いていました。

 

――小学2年生でアナウンサー志望は珍しいですね。学生時代、部活はやっていましたか?

 

西澤 中学生のころはバスケ部で、3年生のときは副部長を務めていました。高校生になってからはダンス部に所属して主にヒップホップを踊っていました。

 

――活発な生徒だったんですね。学生時代から人前に出るのも得意でしたか?

 

西澤 かなり目立ちたがり屋だったと思います。学級委員をやっていたのですが、思い返してみれば、ホームルームなどで進行役をするのが好きでした。持久走大会でも絶対に1位を獲りたくて、1か月前から走り込んでいました。それも目立つのが好きだったからですかね?(笑)

 

――高校は中央大学の付属に通っていたそうですけど、自分の意志で選んだんですか?

 

西澤 そうです。ずっとアナウンサーになりたい気持ちがあって、アナウンサーを目指すのであれば、この大学に行きたいというのが幾つかあって、中央大学の付属高校を選びました。校則のない自由な校風が有名な学校で、「ザ・青春」という感じの高校生活を送りながら、真剣に勉強もしていました。

 

――大学選び以外で、アナウンサーになるためにやっていたことはありますか?

 

西澤 大学に入ってから「テレビ朝日アスク」などいくつかのアナウンススクールに通い出しました。2年生のときに「ミス中央大学2013」に出たのですが、それもミスコンが女性アナウンサーになるために活かせると思ったからでした。

 

――ミスコンは自ら立候補したんですか?

 

西澤 自分から立候補する自信はなかったので、ミスコン運営団体の方にアナウンサーになりたいことをアピールして、団体側から声をかけていただきました(笑)。

 

――見事にグランプリを獲得しますが、そのためにどんな努力をしましたか?

 

西澤 半年ぐらいかけて5人でグランプリを争うのですが、思い返すと自分自身との戦いの日々でした。すでにミスコンもSNSを活用していて、全国からの投票枠もあったため、どういう写真を載せればいいのか、どういう内容にすればいいのかなど、自分の見せ方をじっくり考えていました。人前に出て、自分を表現する力はミスコンで身に付いたと思いますし、そこは就活でも活かせたと思います。

 

――ミスコン後に芸能事務所に所属したのは、どういう経緯があったんですか?

 

西澤 ミスコンに出た子たちを集めて「キャンパスクイーン」として活動をするプロジェクトが始動し、そこに声をかけていてだいて、学生リポーターなどをやっていました。

 

――西澤さん的にはアナウンサーになるためのステップみたいな位置づけだったんですか?

 

西澤 正直、そこまで深くは考えていなかったです。すべてが初めての経験だったので怖いもの知らずというか、どのお仕事も楽しくやっていました。今よりも視野が狭かったですし、勉強不足な部分もあり、当時の動画を観ると恥ずかしいですね。

 

――3年生になって、いよいよアナウンサーになるための就活を始めるわけですが、結果は思うようにいかなかったそうですね。

 

西澤 キー局の就職試験に全敗して、だいぶ落ち込みました……。キー局の試験が終わった後にテレビ局以外の就職活動が始まりましたが、リポーターの仕事を続けていれば、いつかチャンスが巡ってくるかもしれないと思い、一般企業で働きながら休日だけリポーターの仕事を続けようと決めました。そこで、幾つかの企業を受けていましたが、その一つがサイバーエージェントで。配属希望先として、メディアを選択した経緯もあり、アメーバブログの営業職に配属されました。自分自身が芸能事務所に所属していたのもあって、その経験も仕事をする上でプラスになったと思います。

 

――サイバーエージェント入社後に再びテレビ朝日アスクに通っているんですよね。

 

西澤 はい。2回目は「ABEMA」のアナウンサーになると決まってからで、研修というかたちで、3人で通っていました。

 

――大学時代とはカリキュラムも違ったんですか?

 

西澤 そうですね。大学時代は就活用で、十人以上の生徒と一緒に授業を受けていましたが、2度目はアナウンサーデビューに向けての、3人だけのマンツーマンのような授業だったので、より細かい指摘をしていただきましたし、自分の中にも緊張感がありました。

 

『チャンスの時間』で共演する千鳥さんに毎回圧倒されている

――特に勉強になるなと感じる共演者は誰ですか?

 

西澤 『チャンスの時間』で共演させていただいている千鳥さんです。私にとってアナウンサーになって初めて担当したレギュラー番組で、芸人さんとの距離感や、アナウンサーとしての立ち位置は、お二人を見て学んでいます。『チャンスの時間』は、今年の4月で4年目に入りますが、毎回圧倒されています。

 

――どんなところに千鳥さんのすごさを感じるんですか?

 

西澤 いろいろとありますが、特に台本にない部分をお二人がアドリブで作っていくところです。番組的に若手芸人さんが出ることが多いのですが、自分たちだけではなく、共演者をより面白くする手腕が素晴らしいなと感じます。ノブさんが中継先でほかの芸人さんと絡むシーンがあるのですが、大悟さんがスタジオから指示を出すときも完全にアドリブで、どんなときでも面白いんです。

 

――目標にしているアナウンサーはいらっしゃいますか?

 

西澤 TBSの安住紳一郎アナウンサーです。私自身、バラエティ、スポーツに加えて、1年前からニュースもやらせていただいていますが、ジャンルによって準備の仕方や当日のパフォーマンスも違うので悩むことが多いんです。そんなときに安住アナウンサーは、どのジャンルも見事に網羅していることに気付いたんですよね。

『ぴったんこカン・カン』では1日ロケをしながらゲストのパーソナリティーを巧みに引き出して、『新・情報7DAYS ニュースキャスター』では(ビート)たけしさんとやり取りをしながら、しっかりとニュースも伝える。どちらも完璧で、いつ準備をしているのかなって不思議になるほどです。私も番組で様々な業界の方にインタビューをさせていただきますが、やっぱり緊張しますし、どこまで準備をして臨もうかと、今も試行錯誤しながらやっています。真面目なだけではなく、時には共演者の方を上手くいじる安住アナウンサーの柔軟さも見習いたいです。

 

――今まで担当した中で、特に大変だった番組は何ですか?

 

西澤 忘れもしない『72時間ホンネテレビ』(2017年11月2日~11月5日放送)です。

 

――稲垣吾郎さん、草彅 剛さん、香取慎吾さんの3人が、72時間ぶっ通しで生配信に挑んで大きな話題になった特番ですね。

 

西澤 それがアナウンス室に配属されて、初めて担当する番組でした。「いきなりこんな大きな番組!? しかも72時間!?」と戸惑いましたし、右も左も分からないままやっていました。しかも自己管理ができてなくて、のどを壊した状態で臨んでしまったんです。自分でもバカだなと思いますけど、当時はのどをケアする方法も分かっていませんでした。アナウンサーとしてのデビューなのに、ずっとガラガラ声でしたし、今でも悔しく思っています。

 

――アナウンサーとしてのこだわりを教えてください。

 

西澤 準備を万全にすることです。以前よりも任せてもらえるジャンルが増えて、自分の中でジャンルごとの準備スタイルみたいなものが出来上がりつつあります。

 

――今年2月から『にしざわの30/24 LIVE』という声だけの配信をしていますよね。

 

西澤 いろんな番組をやってきた中で、配信なら普段の番組とは違う素の自分を見せられるのかなと考え、声だけで表現する番組をやってみたいと思い、自主的に始めました。みなさんからの質問に答える場にしているのですが、約30分間を一人でどう使うかを考える勉強にもなります。“友人と話しているような自分を出す”というのをテーマにしているので、喋り方は普段の番組とは少し違うカジュアルな感じですけれど(笑)。

 

――これから挑戦したい番組は何ですか?

 

西澤 就活のころからずっと情報バラエティ番組の司会やアシスタントをやってみたいと思っていました。いつか「ABEMA」で情報バラエティ番組に挑戦するのがアナウンサーとしての夢です。また、「ABEMA」の恋愛リアリティショーを見るのが大好きで、誰よりも恋愛リアリティショーを見ている自信があるので、スタジオで見届け人(※番組MC)もやってみたいです。

 

――最後にアナウンス室の長期的なビジョンがあれば教えてください。

 

西澤 アナウンス室を大きくするのが目標です。今すぐには難しいですが自分たちで基盤を作って、数年後には新卒を入れられる環境にしたいです。

 

【プロフィール】

西澤由夏(にしざわ ゆか)

1993年8月12日生まれ。埼玉県出身。中央大学在学中、「ミス中央大学2013」グランプリを受賞。大学在学中、芸能事務所に所属し、タレント活動を行う。2016年、サイバーエージェントに入社。2018年4月よりABEMA専属アナウンサーとなる。

▼ABEMA『チャンスの時間』

身近にある、言われてみれば気になるクセ強めの疑問を取り上げたり、気になる若手芸人が対決したり、今後活躍するであろうニュースターを発掘していく番組! 千鳥もこの番組に出る人も、またこの番組を観る人もチャンスをつかむための時間!

毎週水曜配信
番組URL:https://abema.tv/video/title/90-979

 

▼ABEMA『NewsBAR橋下』

世間がザワつく注目ニュース”から”身の周りの気になること”まで! 様々な時事ネタで盛り上がるBARが開店!橋下徹が毎回変わるゲストとお酒を酌み交わしながら、白黒ハッキリつけてほしい話題を喧々諤々!生放送中には「視聴者投票」も実施!トークテーマについて「賛成・反対」など世間の意見も伺います。橋下の主張と世論は一致? それとも…? 皆様の”ご来店”お待ち申し上げます!

毎週土曜配信
番組URL:https://abema.tv/video/title/89-77