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2021/4/20 20:30

寺尾 聰のレコードを部屋に飾る!! BEYOOOOONDS島倉りかの「昭和歌謡」愛がすごすぎる!

個性派アイドル集団「ハロー!プロジェクト」のメンバーが、趣味や大好きなものを徹底的に語り尽くす特別企画。第2弾はBEYOOOOONDSから、昭和歌謡に造詣が深い島倉りかが登場。ブログやグループのYouTubeチャンネルなどで昭和歌謡愛を発信し、「20代なのに80’sアイドルに憧れる女」がテーマだった回の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演したのも話題になった彼女に、80年代の昭和歌謡にテーマを絞って話を聞いた。

(構成・撮影:丸山剛史/執筆:猪口貴裕)

 

BEYOOOOONDSオフィシャルサイト

 

 

両親が結婚したきっかけは松田聖子の曲

――島倉さんは2021年3月14日に放映された『霜降り明星のゴールデン☆80’S』(BSフジ)に、「昭和歌謡曲大好きアイドル」としてゲスト出演しましたが、番組には横浜銀蝿40th、南野陽子さん、岩崎宏美さん、工藤静香さんと80年代を代表するアーティストの方が一堂に会しました。

 

島倉 以前、YouTubeで「昭和歌謡」を検索していたら、霜降り明星のせいやさんがYouTubeチャンネルで昭和歌謡をテーマにお話している動画を見つけて、それを見てせいやさん、霜降り明星さんのファンになったんです。なので番組出演のお話をいただいたときは本当にうれしかったです。南野陽子さんと同じコーナーに出させていただいたのも光栄でしたし、岩崎宏美さんは歌の収録を見学させていただきました。岩崎宏美さんの曲は中学生のころから聴いていたので、目の前で歌ってらっしゃるのが不思議でした。歌声にも圧倒されて、神様みたいに見えましたし、夢のような時間でした。

 

――改めて昭和歌謡が好きになったきっかけから教えてください。

 

島倉 中学2年生のときに、80年代当時の(松田)聖子ちゃんが「赤いスイートピー」を歌っていた映像がテレビで流れていたんです。それを観て可愛いと思うのと同時に、歌の上手さに衝撃を受けて。父の部屋にあった聖子ちゃんのベストアルバムを聴いて、家にないものはレンタルCD屋さんで借りて聴いていました。その流れで昭和歌謡を意識して聴くようになりました。ただ思い返してみれば、両親が聖子ちゃんの大ファンで、小さいころからクルマの中で聖子ちゃんの曲がよく流れていたんです。話はそれますが、両親が結婚したきっかけも聖子ちゃんなんですよ。

 

――どういうことですか?

 

島倉 両親が初めて会った日に、聖子ちゃんが好きということで意気投合して、好きな曲を言い合ったら、二人ともアルバム『Pineapple』収録の「P・R・E・S・E・N・T」という曲を挙げたそうなんです。

 

――それはロマンティックな話ですね。松田聖子さんは最近の曲も聴いているんですか?

 

島倉 はい。ザ・アイドルと言われていたころも好きですし、大人になって結婚されてからの楽曲も好きですが、中でも80年代の曲をよく聴きます。

 

――ウェブサイト『NewsCrunch』で島倉さんが昭和歌謡愛を炸裂させる「りかワニ紅白歌合戦」を連載していますが、そこでの選曲を見ると、60年代から90年代まで幅広い楽曲をセレクトしているのが印象的でした。

 

島倉 あまり偏りたくないので、幅広く聴くようにしています。

 

――昭和歌謡はどういう方法で聴くことが多いんですか?

 

島倉 サブスク(音楽配信サービス)かCDです。最近レコードも集めているんですが、まだレコードプレーヤーを買ってないんです(笑)。

 

――前述の連載で「スローモーション」、YouTubeチャンネル内の「お家でもびよんず学校」という企画で「セカンドラブ」と2曲、中森明菜さんの曲を挙げていましたが、中森明菜さんも好きなんですか?

 

島倉 ずっと聖子ちゃん派だったので、あまり聴いてこなかったんです。でも昨年、ハロー!プロジェクトのメンバーがバラードのカバー曲を歌うコンサート「Hello! Project2020~The Ballad~」で、「スローモーション」をカバーさせていただいたんです。そのときに改めて原曲を何度も聴いて、明菜ちゃんの魅力を再発見しました。まず低くて太い歌声がかっこいいなと思いました。デビュー当時の明菜ちゃんは、まだ声も可愛らしくて、当時の歌番組を観るとニコッと笑うこともあるんですけど、どこか影があるんですよね。私たちの世代にも明菜ちゃんは人気なんですけど、いわゆるザ・アイドルではないところが同性からも支持されたんだろうなと思います。可愛くて明るいイメージの聖子ちゃんとは対照的に、明菜ちゃんは憂いを感じさせて、二人が対になっているところが面白いなと感じました。

 

大瀧詠一の『A LONG VACATION』を聴いてドキドキした

――今の気分で好きなアーティストを3組挙げていただきたいのですが、範囲が広いと選ぶのも大変だと思いますので80年代縛りとさせてください。

 

島倉 最近、大瀧詠一さんのアルバム『A LONG VACATION』をよく聴いています。有名な「君は天然色」ぐらいは知ってたんですけど。サブスクが解禁されていなかったので、あまり聴く機会がなかったんです。でも、ちゃんと聴く前から、絶対に好きだろうなという確信はありました。

 

――どうしてですか?

 

島倉 聖子ちゃんの「風立ちぬ」を始め、大瀧詠一さんが他のアーティストに提供した曲が好きだったからです。それで『A LONG VACATION』のCDを買って聴いたら、曲を聴いてドキドキするという初めての経験をしました。気軽に流して聴くのではなく、しっかり向き合って、アルバムの始まりから終わりまでを聴かないといけないという気分になります。それぐらい音の使い方が贅沢で、歌詞もキラキラしていて、完全にとりこになりました。そういえば先日、ディスクユニオン昭和歌謡館に『A LONG VACATION』のレコードがないか探しに行ったんですが売ってなくて。レジの前に『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』(※佐野元春、杉 真理、大滝詠一がコラボしたアルバム)が売っていたので買おうとしたら、タッチの差で中学生ぐらいの女の子に買われてしまって、悔しい思いをしました(笑)。

 

――島倉さんは歌詞を重視して聴くタイプだと思いますが、『A LONG VACATION』の作詞は1曲を除いて松本 隆さんが担当しています。松田聖子さんの80年代の作品も松本 隆さんが数多く作詞を手掛けていますし、かなり好きな作詞家さんではないでしょうか。

 

島倉 確かに、自分の好きな曲の作詞家さんを調べると、松本 隆さんの名前が一番多く出てきます。最近、どうして私は「赤いスイートピー」に引き込まれたのか考えたんですけど、歌詞の力が大きいことに気付いたんです。「春色の汽車に乗って海に連れて行ってよ」で恋人同士なんだなとか、「煙草の匂いのシャツにそっと寄りそうから」で主人公は年上の彼氏に引っ張ってもらっている関係なのかなとか、最初の2行だけで曲の世界観がバーッと伝わってくるんですよね。私は歌詞からストーリーを想像するのが好きなんですが、松本 隆さんの歌詞は情景が伝わってくる曲が多くて惹かれますし、まるでドラマや映画を観ているような気持ちになります。

 

――2人目のアーティストは誰でしょうか。

 

島倉 寺尾 聰さんです。アルバム『Reflections』が大好きで、CDなんですけど、それこそ擦り切れるぐらい聴きました。今はレコードも持っていて、お部屋に飾っています。大人の余裕を感じさせる歌声でかっこいいんですよね。このアルバムを聴くまでは役者さんとしての寺尾さんしか知らなくて、優しいお父さんという印象があったんです。かっこよく決めている当時の寺尾さんと、現在の寺尾さんのギャップにも驚きましたし、今の時代に当時の寺尾 聰さんのようなかっこよさを醸し出せる人はいないなと思います。

 

 

――寺尾 聰さんが60年代に「ザ・サベージ」というグループで活動していたのは知っていますか?

 

島倉 聴いたことはないんですけど知ってます。『Reflections』は「渚のカンパリ・ソーダ」「喜望峰」「ルビーの指環」の3曲が松本 隆さんの作詞なんですけど、松本 隆さんはザ・サベージに憧れていたらしくて、オファーがあったときはうれしかったというエピソードを聞いたことがあります。

 

――では3人目のアーティストをお願いします。

 

島倉 チェッカーズさんです。初期のバリバリな感じも好きなんですけど、個人的には落ち着いたころの曲が好きです。中でも好きなのが「Jim&Janeの伝説」で、この曲も物語があって、「こういう青春を送りたかったな」という理想の青春像が描かれているんです。自分は経験したことがないのに、どこか懐かしいような気分になって、若いっていいなと(笑)。青春の良い部分を詰め込んだ曲ですね。

 

――今の気分は、洗練された曲が好きなんですね。

 

島倉 確かに意識はしてなかったですけど、おしゃれな感じの曲ばかりですね。

 

好きな80年代アイドルベスト3

――続いて好きな80年代アイドルを松田聖子さん、中森明菜さん以外で3人挙げてください。

 

島倉 河合奈保子さん、岡田有希子さん、斉藤由貴さんです。

 

――全くタイプの違う3人ですが、それぞれの魅力とオスス曲を聞かせてもらえますか。まずは河合奈保子さんから。

 

島倉 河合奈保子さんは健康的で元気なところが魅力です。聖子ちゃんと仲が良かったと聞いたことがあるんですけど、聖子ちゃん以上に弾けるような明るさがあって、太陽みたいな存在です。「晴天!」みたいなパーンと突き抜ける太い歌声で、聴いていて元気をもらえますし、私にとって理想の女性です。オススメ曲は思春期の女の子にしか分からないようなナイーブな気持ちを歌った「Invitation」です。初めて聴いたときは19歳だったんですけど、子どもでもなく、完全な大人でもない少女の複雑な気持ちに共感しました。

 

――続いて岡田有希子さん。

 

島倉 ユッコは守りたくなるような、どこか不安げな佇まいが胸に刺さります。歌声は雲の上を歩いているようなイメージがあって、ふわふわと可愛らしいんですけど、どこか儚さもあるんです。オススメ曲は「二人だけのセレモニー」です。相手に身を委ねながらも、ちょっぴり本音も覗かせていて、控えめな感じがユッコのキャラクターにピッタリです。

 

――最後に斉藤由貴さん。

 

島倉 デビュー当時から制服を着ていても、どこか大人っぽくて。可愛らしい女の子の要素もありますけど、何かを胸に秘めているような色気があります。一言で言えば“魔性”ですね。オススメ曲は中学生のころから聴いている「卒業」です。斉藤由貴さんは切なく歌うのが上手で、困った表情で歌う姿が可愛らしいんですけど、懐かしさを感じさせるような胸に響く歌声が素晴らしいです。

 

――つんく♂さんの手がける作品には、昭和歌謡にオマージュを捧げた楽曲も多いですが、ハロー!プロジェクトの曲で、もっとも80年代の昭和歌謡を感じさせる曲は何ですか?

 

島倉 「シャイニング 愛しき貴方」です。

 

――カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)の3rdシングルですね。

 

島倉 他の女の子と付き合っている男性を好きになった女の子が主人公なんですけど、そのストーリーが80年代の昭和っぽいですし、ジャズ風のゆったりした曲調も好きで、バースデーイベントでも歌いました。

 

――BEYOOOOONDSのトリプルA面となった2ndシングル収録の新曲「激辛LOVE」も昭和歌謡ではないですけど、1982年にToto Coeloというイギリスの女性グループが発表した「Dracula’s Tango(Sucker for Your Love)」のカバーです。

 

島倉 激辛な女性の恋を歌った曲なんですけど、ただのラブソングではなくて、歌詞も曲調も一癖も二癖もあって、激辛料理みたいに何度も味わいたい癖になる曲です。

 

――そのほかの収録曲も聴きどころを教えてください。

 

島倉 「Now Now Ningen」は元気をもらえる曲で、歌っている自分たちも励まされます。自由に出歩けなくて、会いたい人にも会えない今の時代を反映した歌詞ですが、当たり前のことができなくなってしまったけど、新しい方法を考えて頑張っていこうというポジティブなメッセージが詰まっています。「こんなハズジャナカッター」はいろんな要素が入った、BEYOOOOONDSの歴史を詰め込んだ曲です。今まで私たちの曲を聴いたことがない人にもBEYOOOOONDSのことを分かってもらえる入門編のような曲になっているので、ぜひ聴いてください!

 

 

島倉りか(シマクラ リカ)

2000年8月20日東京都生まれ。趣味はバドミントン、映画鑑賞、フルーツ狩り、恐竜鑑賞。好きな音楽ジャンルは昭和歌謡、JPOP

 

【INFORMATION】

眠れる森のビヨ

【出演】BEYOOOOONDS
※出演者は変更になる場合がございます。

【日程】2021年4月16日(金)~2021年4月25日(日)
【会場】こくみん共済 coop ホール(全労済ホール)/スペース・ゼロ
【料金】¥8000(税込)

※全席指定
※3歳以下入場不可・6歳以上チケット必要

【脚本・演出】中島庸介
【音楽】和田俊輔
【振付】YOSHIKO
【プロデューサー】丹羽多聞アンドリウ
【主催】アップフロントプロモーション
【企画・制作】High-position
【お問い合わせ】オデッセー 03-4426-6303 (平日11:00~18:00)
【特設サイト】http://gekijyo.net/performance/sleepingbeyo/