パネライは、中国十二支の伝統に敬意を表した“シーランド”シリーズを2009年から毎年製作してきました。丑年から始まった本シリーズも、2018年で10作目。最新作のモチーフは、もちろん「戌」です。イタリアのデザインセンスとオリエンタルな伝統文化が融合した本機の魅力に迫ります。
イタリアの古代技法を駆使して戌の彫金をカバーに施す
パネライが手がけるシーランドシリーズは、文字盤を覆うカバーを取り付け、その表面に十二支にちなんだエングレービングを施した特別仕様。
2018年2月16日からはじまる戌年(旧暦)を祝福する最新バージョンは、自社製Cal.P.9000を搭載した「ルミノール 1950 スリーデイズ オートマティック アッチャイオ – 44mm」をベースモデルに採用しています。
カバーに施された戌のエングレービングは、すべてイタリアの熟練彫金職人が、SPARSELLOという特殊な器具を用いる古代技法を駆使したものです。
スティールに刻まれた溝に金の糸を何層にもなるように並行に埋め込み、戌をはじめとする精巧な装飾のアウトラインの溝が完全に埋まるように打ち伸ばしていく作業には、想像もつかないほどの集中力と卓越した技術力が必要となります。
というのも、金糸を埋め込み作業を行う時点で、カバーにはエングレービングと磨きの仕上げがすでに施されているため、わずかなミスですべてが台無しになってしまうからです。
文字盤にも特別なデザインを採用
カバーを開くと現れる文字盤は、グレートーンのダイアルにアラビア数字とバーインデックスの組み合わせ。9時側にスモールセコンドを、3時側にデイト表示を設置しています。シンプルなデザインですが、パネライの現行ラインナップにはない特別なものとなっています。
裏蓋はシースルー仕様になっており、パネライが自社製造した3日間パワーリザーブを誇るCal.P.9000の動きが確認できます。
本機には、ソフトブラウンのレザーストラップのほか、スペアのブラックラバーストラップが付属。加えて、ストラップ交換ツールとスクリュードライバーも付いています。
年男にとってこの上ない縁起物となりそうなシーランドシリーズも、いよいよ戌年が発表されて残り2作。毎年恒例のまま継続されれば2020年には十二支が完成されることになります。歴代モデルは製造本数がどれも少なく入手困難ですが、新作の戌と、今後発表されるであろう亥、子なら、まだ手に入れるチャンスがあるかも!?