これは一生モノ! 「もったいない精神」が息づく腕時計がまもなく誕生

ink_pen 2018/9/25
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これは一生モノ! 「もったいない精神」が息づく腕時計がまもなく誕生
佐藤まきこ
さとうまきこ
佐藤まきこ

大学時代に細胞培養の研究を専攻した後、メディア・広告の世界へ。雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。ハワイ、オアフ島在住。Instagram: @hawaii_milestone

古い時代に使われたものに光を当て再利用しようとする取り組みは様々なアイテムで行われていますが、フランスでは60年以上も前に作られた時計のムーブメントを使って新しい時計を作る工房があります。惜しみないほどの手間と時間をかけ、現代によみがえるロマンあふれる時計とは、どんなものなのでしょうか?

 

1930~60年代のムーブメントが現代の時計によみがえる

現在、クラウドファンディングで腕時計の製作に関する資金集めを行っているのが、「Semper & Adhuc」という時計工房です。「Semper & Adhuc」とはラテン語で「from always until now」という意味。優れた技術や伝統的な時計のメカニズムを復活させ、新しい製品として再生させるという彼らのコンセプトを表しています。

 

1930年~60年ごろ、腕時計や時計ケースには貴金属や宝石などがあしらわれていることが多く、それらを売りに出したり新しい装飾品を作ったりするため、時計を所有していた多くのオーナーが時計のパーツを溶かすことがあったそう。そのときにケースやベルト部分から外されたムーブメントが状態の良いまま、長いこと忘れ去られていたそうです。そこに彼らは注目。古い資源を活用しようとしているんです。

しかし、古いムーブメントを現代の時計として使うには、当時の時計作りの技術を理解したうえで、手作業で調整する必要があります。そのため、このスタイルの時計を作れるのは年間で最大150本。

 

それだけの手間をかけて、あえてアンティークのムーブメントを使うのは、彼らのサスティナブルな精神があってこそです。消費だけに走る現代に彼らは一石を投じようとしているとも言えるかもしれません。

 

ファーストコレクションの特徴

では、彼らが手がけようとしているファーストコレクションの時計の特徴を紹介しましょう。すべての時計にはモデルナンバーが記載されます。

 

ムーブメント

1960年頃まで盛んに使われていたムーブメントで、スイスのAS1012を使用。

 

ケース

ステンレスを採用。ラウンド、楕円、クッション型の3種類のシェイプを用意。

 

リューズ

「Semper & Adhuc」のロゴがあしらわれた竜頭。

 

文字盤

シンプルな文字盤には、「アトリエフランセ(フランスの工房)」のデザイン。

 

ベルト

時計の品質に合う、フランス製の上質なレザーを使用。ボルドーのレザー職人とコラボ。

 

この時計製作のクラウドファンディングは9月25日の時点で目標金額を上回る1250万円以上を獲得しています。出資期限は10月7日まで。1125ユーロ(約14万9000円)の資金を出せば同社の時計1本を受け取ることができます。発送は2019年4月の予定。フランスの時計技師の熱い情熱と気品にあふれた唯一無二の時計に酔いしれてみてはいかがでしょうか?

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