かつて、MEN’S CLUB編集長を務めた名物編集者・戸賀敬城。現在は、「ナノ・ユニバース メンズ・ディレクター」「ヒルトン・アンバサダー」など、名だたるブランドをコーディネートする役割を務めながら、多岐に渡ってファッションアイテムの価値を啓蒙しています。また、そんな毎日をつづったブログ「トガブロ。」が、アパレル業界内外を問わず大きな反響を呼んでいます。
そんな戸賀さんのラグジュアリーな価値観を、一冊にまとめたムック本が先日発売されました。
トガ本。The Bag
多くのファッションメディアを牽引してきた戸賀敬城がプロデュースする、ラグジュアリーブランド読本。本作がテーマとするアイテムは、「バッグ」。定番品から新作まで、大人の男を格上げするバッグを独自の目線で紹介しています。また私物コレクションも披露した、豪華な仕上がり。
本記事では特別に、誌面で紹介している企画をチラ見せしたいと思います。
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戸賀さんが特に思い入れを持っている「エルメス」のストーリーを、ぜひご覧ください!
本当にエルメスを知る人だけが持つキャンバス内装の「バーキン」。
初めてバーキンを購入したのは35歳のときのこと。
「黒のボディにゴールドの金具。その後、白に近いアイスブルーにマットシルバーの金具のモデルも持ってました。ヌメ革のバーキンも買ったけど、全部人にあげちゃった。当時はボディと金具の組み合わせだけで、バーキンを選んでたんです」
現在、所有する唯一のバーキンは、10年以上前に購入したものだ。決め手はやはり色の組み合わせだったが、本気で買おうと決めた理由は別にある。
「普通、バーキンの内張りはレザーなんですが、これはキャンバスだったので即買いを決めたんです。長いこと内張りはレザーがいいと思ってたんですが……」
エルメスをいくつも持つ友人に聞いた「本当にエルメスを知っている人は、キャンバスの内張りを選ぶ。なぜなら軽くて持ちやすいから」という話に、目からウロコが落ちたのだそう。確かに手にしてみると、普通のバーキンより重さは3分の2ほどに感じられた。
「だから、これは人にあげずにボロボロになるまで使おうと思っています。使い込んでこそわかるエルメスの良さを、もっと教えてほしいんです」
「トガ本。 The Bag」では、これらのようなエルメスに対する人並み外れた戸賀さんの思いをはじめ、さまざまな高級バッグへの思想が読み取れます。興味を持って頂いた方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
トガ本。The Bag
文/ゼロヨンラボ 撮影/鈴木泰之(Studio Log)