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2019/4/3 21:00

え、このスニーカーって人の名前だったの!?――意外なルーツをもつシグニチャーモデル5選

ナイキの「AIR JORDAN(エア ジョーダン)」、アディダスの「STAN SMITH(スタンスミス)」に代表される「シグニチャーモデル」。著名なスポーツ選手などの名前をスポーツシューズに名づける手法は古くから用いられているが、スニーカーとしての人気が定着するにつれ、いつしかその名前の起源が忘れ去られてしまうモデルも。

 

今回は、誰もが知る定番スニーカーの中でも、実は人名が由来となっている5モデルと、その由来をピックアップ。皆さんはいくつ知っていましたか?

 

【01】

何かといわく付きのルーツをもつ‟ド定番”

ナイキ
CORTEZ
実売価格1万999円前後

1972年に発売されたナイキのクラシックランニングシューズ「 CORTEZ(コルテッツ)」。その名前の由来は、16世紀にアステカ帝国を征服したスペイン人、エルナン・コルテス・デ・モンロイ・イ・ピサロ。実はこのモデル、もともとはオニツカ(現アシックス)が、1968年のメキシコ五輪に向けて開発したもの。ナイキの前身であるブルーリボンスポーツ社(BRS)はその米国販売代理店だった。

 

 

2社は当時市場で人気だったアディダスのシューズ「アステカゴールド」に対抗、「アステカ帝国を滅ぼす」という気持ちを込め新作シューズにコルテスの名前をつけた。BRSとオニツカはのちにこの「CORTEZ」の商標をめぐって裁判で係争し、袂を分かっている。

 

【02】

全米を飛び回った“バスケの伝道師”

コンバース
CHUCK TAYLOR(ALLSTER)

実売価格1万664円前後

米国では「CHUCK TAYLOR(チャック・テイラー)」の愛称で知られるコンバースの大定番バスケットボールシューズ。その名の由来は1921年、コンバースのシカゴ営業所に採用されたセールスマン、チャールズ・H・テイラーという人物。高校生のころからバスケのセミプロとして活躍していた彼は、自身の経験をもとに入社早々コンバースのシューズに幾つもの改善点を提案。くるぶしを保護するためにシューズの内側に付けられたアンクルパッチもテイラーのアイデアによるもので、1923年には彼のサインがあしらわれるようになった。

 

 

 

コンバースはのちにシューズの販促を兼ねたバスケクリニックを各地で開催、テイラーは “バスケの伝道師”として全米を飛びまわる生活を続けた。その活動が認められ、現在ではバスケの殿堂に名を連ねている。

 

【03】

シグニチャーモデルの元祖的存在

 

コンバース
JACK PURCELL
実売価格5830円前後

こちらも現在ではコンバースの定番モデルとして知られる「JACK PURCELL(ジャック・パーセル)」。もともとはB.F.グッドリッチ社が1935年に発売したバトミントンシューズで、ジャック・パーセルはその開発に協力したカナダの伝説的バトミントン選手の名前。いわば「シグニチャーモデル」の元祖的存在だ。

 

 

パーセルは1920年代からカナダでは無敵の存在で、1933年に世界王者の座に就くとその後1945年に現役を引退するまで無敗を貫いたという。1991年に87歳で死去しているが、地元カナダではその名声は揺るがず、五輪出場経験がないにも関わらず五輪の殿堂入りが決まったほど。

 

【04】

現役時代から激しい気性で知られ・・・

アディダス
NASTASE

実売価格7800円前後

 

「STAN SMITH」と並ぶアディダスの名作テニスシューズ「NASTASE(ナスターゼ)」は、1970年代に活躍したルーマニアのプロテニス選手、イリー・ナスターゼのシグニチャーモデル。1972年にアディダスと契約したナスターゼは、同年のウィンブルドンで(同じアディダスの顔となる)スタン・スミスと決勝を戦い、惜しくも準優勝。だがその後の全米オープンで優勝し、ルーマニア人初の4大大会制覇を達成。翌1973年の全仏オープンでも優勝を勝ち取り、世界ランク1位に上り詰めた。

 

 

現役時代から激しい気性と言動でも知られた彼は2017年にルーマニアの監督として出場したフェド杯で差別的な言動を繰り返し、テニス界から追放の憂き目にあっている。

 

【05】

オーストラリアを代表するテニス界のレジェンド

アディダス
ROD LAVER
実売価格1万7610円前後

1970年に発売された「ROD LAVER(ロッドレーバー)」も、アディダスを代表するクラシックテニスシューズ。1962年と1969年の2度にわたり年間グランドスラムを達成したオーストラリア人テニス選手、ロッド・レーバーにちなんで名づけられた。ナイロンメッシュのアッパーとポリウレタンのソールを採用し、それまでの天然皮革製テニスシューズと比べて大幅な軽量化を実現している。

 

 

レーバーは現在でもテニス界のレジェンド的存在。特に母国オーストラリアには彼の名を冠した「ロッドレーバーアリーナ」があり、全豪オープンのセンターコートとしても使用されている。