Tシャツやサマーニットなどを着て、腕元がオープンになる季節。そこはぜひ、お気に入りの腕時計で飾りたい。休日をアクティブに過ごすのであれば、外装素材にこだわりのあるモデルをオススメする。今回紹介するのは「チタニウム」。鉄の60%程度の質量ながらステンレスのような質感を持つ「チタニウム」は、成形に高度な技術を必要とするほか、合金化や特殊な加工を施している例が多い。また、金属アレルギーを引き起こしにくいことも特徴である。
※こちらは「GetNavi」 2023年9月号に掲載された記事を再編集したものです。
ザラツ研磨でチタンを美しく仕上げる
グランドセイコー
ヘリテージコレクション「花筏」
Ref.SBGA443
83万6000円
独自開発のブライトチタンをケース&ブレスレットに使った、GSマスターショップ以上で扱われる店舗限定モデル。文字盤には風に舞い散った桜の花びらが川の水面を覆う「花筏(はないかだ)」と呼ばれる、日本らしい情景を美しく描いた。直径40mm。10気圧防水。
【最新チタンウォッチ】
シチズン
アテッサ エコ・ドライブ
電波時計 ダイレクトフライト ムーンフェイズ
Ref.BY1006-62E
17万500円
表面硬化技術「デュラテクトDLC」を施した「スーパーチタニウム」を外装素材に用い、フルブラックデザインを構築。アナログ式で世界初の月齢自動計算機能「ルナプログラム」を搭載する。光発電エコ・ドライブ。
エドックス
クロノオフショア1 クロノグラフ
ジャパン リミテッドエディション
Ref.10242-TINB-BBUINGM
25万3000円
パワーボートのプロペラを模った裏蓋までチタンで作り上げたタフなケースに、セラミックの逆回転防止ベゼルを備えた日本限定クォーツ・ダイバーズ。ラバーベルトもホワイトに揃えた夏に映える一本だ。100気圧防水。
ステンレスの代替素材として技術発展が進みシェアが急伸
腕時計の定番素材と言えばステンレスだが、重いうえに腐食があり、肌荒れの心配もある。そこで1970年代に採用が始まったのが「チタン」で、その進化は著しい。
日本の四季の移ろいを桜模様の文字盤で表現した「グランドセイコー ヘリテージコレクション『花筏』」は、ステンレスよりも遥かに軽量なブライトチタンを使用。チタンの特性を保持しながら硬度を高めたこの素材を、1967年発売の名機「62GS」をモチーフとする現代的なデザインに仕上げている。平面と曲面、そして筋目と鏡面が複雑に連続する外装は、匠によるザラツ研磨によって工芸的な美を追求したものだ。
世界初のチタン製腕時計を手掛けたシチズンは、ステンレスの5倍以上の表面硬度を持つ「スーパーチタニウム」のモデルを多数展開している。またチタンは耐海水性に優れるため、ダイバーズに利用される例が多々あるのも特徴だ。