合計37インチを持ち運ぶ!? 重さ約3kgの2画面折りたたみモバイルディスプレイは買いなのか使い込んでみた

ink_pen 2025/8/26
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合計37インチを持ち運ぶ!? 重さ約3kgの2画面折りたたみモバイルディスプレイは買いなのか使い込んでみた
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旅とお酒とガジェットが好きなライター。シンプルなものが好き。鹿児島を拠点に月に10日は旅をしながら暮らしている。Twitter:@monono_16

コロナ禍の初期からリモートワークをはじめ、歴が5年にもなるとウルトラワイドディスプレイや昇降デスク、ワークチェアまでそろえた自宅こそ最強の職場だと感じるようになりました。それでも「少し気分を変えたい」「家だとついサボりそう」という日はあるもの。

ところが外出先ではノート PCの1画面しか使えず、オンライン会議の際などは、会議の画面と資料を分割表示できないもどかしさを感じるなど、作業効率が一気に落ちてしまいます。

そこで今回試したのが、18.5インチ×2面を折りたためるモバイルディスプレイ「EHOMEWEI XQG-185PF」。必要な日にだけ“自宅と同じ広さ”を持ち出せるなら、外作業のハードルは大きく下がるはずです。

3.25kgでも持ち出す価値はある?

↑“モバイル”ディスプレイと称するには少々重め。

まずはスペックを見てみましょう。

製品名:EHOMEWEI XQG-185PF
画面サイズ:18.5インチ×2
タッチ機能:搭載
パネルタイプ:QLED
画面表面処理:グレア(光沢)
解像度:1920×1080ドット
アスペクト比:16:9
コントラスト:1000:1
明るさ:400cd/㎡
HDR:◯
色域:100% sRGB
リフレッシュレート:100Hz
スピーカー:1w×2
定格消費電力:30W
本体サイズ:532×428×6.5-15mm
本体質量:3250g

本機の大きな特徴は、やはり18.5インチの2画面を持ち出せることでしょう。そのぶん重さはスタンド込みで約3.25kgと重め。ビジネスバッグには収まりきらない大きさや厚みもあり、移動にはPCと一緒に入る、頑丈なトートバッグを別途用意するのが現実的です。

とはいえ毎日持ち歩く前提ではなく、「週に数度の外打ち合わせ」「月に一度の出社日」など“ここぞ”という日にだけ連れ出す運用なら重さは許容範囲に感じました。

外で広げた瞬間に3面のディスプレイ環境が立ち上がり、ノートPC単体の倍以上の作業領域を確保できる恩恵は大きいです。移動コストより生産性の上昇幅が勝るかどうか――そこが購入判断の分岐点になるといえるでしょう。

準備にかかるのはわずか30秒。スタンド一体型でどこでも即戦力に

↑背面スタンドと上部ディスプレイは好きな角度に調整できる。

スタンドを起こして電源を挿せば、展開から表示まで体感30秒ほど。奥行き25cm程度のカフェテーブルでも設置でき、ダイニングテーブルを仕事机にしている一人暮らし・リモートワーク勢でも必要なときだけ広げられるのが便利です。

外付けディスプレイを置きっぱなしにすると食事のたびに移動する手間が発生しますが、XQG-185PFはたたんで立て掛けておけば場所を取りません。

↑本機とPC本体はUSB Type-Cケーブル1本で接続可能。

限られた居住スペースを有効に使いたい人には、この“一瞬で展開・片付け”という取り回しの楽さが大きな魅力になるはずです。

↑電源ケーブルとデータ通信ケーブルは誤らないように目印がある。

縦2枚でSlackもブラウザーも開きっぱなし

↑最初は慣れないが、慣れると便利な縦表示。

縦置きモードでは中央のベゼルが自然な区切り線になり、たとえば左右のどちらかにSlackやTeams、もう片方にブラウザーといった常駐配置が可能です。通知が来るたびにウィンドウを切り替える必要がなく、会話を確認してすぐ作業に戻れるので思考が途切れません。ノートPCの画面にはエディターやプレゼン資料だけを表示し続けられるため、視線移動も最小限に。

結果としてタスクの同時進行がスムーズになり、外出先でも自宅とほとんど変わらない効率で仕事をすることがかないました。

↑真ん中で不自然に分割はされてしまう。

ただし接続としては縦のディスプレイ2枚ではなく横長のディスプレイ1枚として認識されているため、macOSでMission Controlを開いた際などは少し不自然な表示になってしまうことは留意する必要があります。

ミニHDMI+USB Type-Cで“仕事⇄娯楽”を両方楽しむ

↑上下のディスプレイはそれぞれ独立して入力端子が備わっている。端子が充実しているのもうれしい。

ミニHDMI2ポートとUSB Type-C3ポートを備える本機は、日中はUSB Type-CでノートPCをつなぎ、夜は入力をミニHDMIへ切り替えてNintendo SwitchやPS5などの据え置きゲーム機を楽しむ、そんな“使い分け”もできてラクです。

ゲームプレイ時に気になるであろうリフレッシュレートは100Hz、応答速度も約8msと遅延を体感しづらいため、ジャンルを問わずに遊ぶことができます。

本格的にゲームを楽しむには物足りない部分もありますが、「使わないときには収納できて、一台で仕事・娯楽を完結できる」のが大きな魅力といえるでしょう。

色はMacで確認、広さは2画面で稼ぐ――クリエイター作業がラクになる

肝心の画質はどうでしょうか。結論としては、動画編集やデザインでは、MacBook Proの広色域パネルを“色基準”としつつ、本機にPremiere ProのタイムラインやPhotoshopのツールパネル、企画書のドキュメントなどを広げると作業がスムーズになるように感じられました。

色の確認、動画や写真のチェックはやはりMacの方に優位性がありますが、アプリやファイルの表示であればXQG-185PFでも十分。メイン画面をフルサイズで確保したまま補助情報を並べられるので、これまた都度ごとに画面を切り替えなくても良いというのはとっても便利です。

実売8万円台は高い? ほかのモデルと比べたコスパ

↑“インチあたり”の単価で比べたら、思ったより高くないかも?

折りたたみ型のデュアルディスプレイは15〜16インチで実売5万円前後の製品が多いなか、本機は公式サイトで8万7980円(税込)と少し高めです。ただ比較するモバイルディスプレイと比べて画面面積はおよそ45%広く、面積あたりの価格を計算すると意外と割高感はありません。

そもそもモバイルディスプレイの多くは1画面なのに対して、本機は2画面。モバイルディスプレイを2枚買うと考えるだけで割安感が得られます。

さらにsRGB100%対応のQLEDパネルや輝度400cd/㎡、10点タッチと4096段階の筆圧検知まで備えていることを考えると、単なる“大きいだけ”のディスプレイではなく、多用途に応えてくれるツールといえそうです。自宅据え置きと外出用を一台で兼ねたい方なら、投資対効果を感じやすい価格帯ではないでしょうか。

指紋・重量・ベゼル問題……それでも“買い”か?

↑グレア液晶のタッチパネルでは避けられない指紋問題。

もちろん、気になる点もあります。ひとつは光沢パネルゆえ指紋や映り込みは避けにくく、タッチキーボードを頻繁に使うと跡が気になる場面があること。保護フィルムを貼り、長文の入力は外付けキーボードに任せると快適さが保てるでしょう。

↑「1枚のディスプレイ」として認識しているため、ベゼルによる分断は気になるかも。

また重量3.25kgと中央ベゼル約4.5cmの存在感は事前に理解しておきたいポイントです。1kg前後のノートPCと合わせるとそれなりの重さになってしまうので、普段から荷物の多い人は苦労するはず。

一方で持ち運ぶ物が少ない人や、逆にガジェットなどの持ち運び機会が多くて重い物も平気であれば気にならないかもしれません。

ベゼルについては、使っているうちに目が慣れて自然に見えてきますが、使い始めは気になります。また、写真のようにベゼル部分で操作が必要になってしまった場合は、画面をスクロールしてずらすなどの手間が発生してしまいます。

据え置きと移動を1台で賄えるならアリな選択!

広い作業領域がほしいけれどディスプレイを常設するにはスペースが足りない……そんなジレンマを抱えるリモートワーカーに、XQG-185PFは“持ち運べる据え置きディスプレイ”という妙案を提案してくれます。

ノートPCだけでは狭いと感じる外での作業日も、折りたたんだ1枚をトートに忍ばせれば、自宅と同じ快適さを外でも再現できてしまいます。

作業も余暇も画面の広さで妥協したくない人は、ぜひ一度このサイズ感を体感してみてはいかがでしょうか。

【フォトギャラリー】(画像タップで閲覧できます)

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