シースルーデザインと、独自OSやAI機能でほかと一線を画すNothingが、注目を集めていたヘッドホン「Headphone (1)」とフラッグシップスマホ「Phone (3)」の日本発売を決定しました。これに合わせて、「NOTHING SUMMER UPDATE」と題した発表イベントを開催。
プレゼンではどちらもデザイン性を強く押し出す内容となっていました。どんな製品なのか改めて見ていきましょう。

目次
見た目と操作性にこだわったデザイン、音はKEFと共同設計したHeadphone (1)
最初に紹介されたのはHeadphone (1)。Nothingブランド初のオーバーイヤー型ヘッドホンです。
外観はNothingらしいシースルーデザインで、イヤーカップの素材には耐久性と軽量を両立させるため、加工されたアルミニウムを採用しています。重さは約329g。また、イヤークッションには低反発のポリウレタンを採用し、頭や耳にかかる圧力を最小限にしているといいます。

見た目のデザインに溶け込んだ、物理ボタンの搭載も特徴。ボリューム調整や音楽の再生/一時停止などを操作する「ローラー」、曲送り/曲戻しと早送り/巻き戻しができる「パドル」、専用アプリの「Nothing X」で操作をカスタマイズできる「ボタン」の3つを内蔵しています。
一方で、最近のヘッドホンに搭載されることの多いタッチコントロールはありません。物理的なボタンを付けることで、触ればわかる直感的な操作を実現したそうです。
【物理ボタンの機能をギャラリーでチェック】(画像をタップすると閲覧できます)
音響面ではHi-FiオーディオブランドのKEFとパートナーシップを組み、共同で音響設計をしています。ドライバーは40mm径のダイナミック型を採用。低音は深みを出し、中音は伸びと艶やかさがあり、高音はクリアに仕上げた、原音に忠実なサウンドとのこと。

空間オーディオやLDACによるハイレゾワイヤレスにも対応。加えて、USB-Cによるロスレス再生、3.5mmジャックの搭載と、あらゆるソースを高音質かつさまざまな方法で楽しめる仕様になっています。

アクティブノイズキャンセリングは、合計で4つのフィードフォワードマイクとフィードバックマイクを使って周囲のノイズを感知し、リアルタイムでAIが処理。マイクとAIは通話にも活用し、特にAIは2800万以上のノイズ環境を学習しており、瞬時に通話の声と雑音を切り分けることで、電車の中といったノイズの多い場所でもはっきりと相手に声を伝えられるそうです。
バッテリーは最大80時間(ANCオフ時)。ANCオンでも35時間とロングバッテリーを実現しています。5分間の充電で2.5時間使える急速充電にも対応しました。
カラバリはホワイトとブラックの2色展開。また価格は3万9800円(税込)です。8月20日から予約を開始しており、8月28日から販売を開始します。
ビジュアルと中身の両方のデザインに力を入れたPhone (3)
Phone (3)は、ビジュアルに加えて中身のデザインもこだわって表現したとうたうフラッグシップスマホです。


これまで代名詞となっていた、背面が光る「Glyphインターフェース」はマイクロLEDディスプレイによる「Glyphマトリックス」に変更。背面右上にカメラホールのような穴を設け、必要なときにアプリや連絡先からの通知を表示してくれるようになります。時計やバッテリー残量の確認も可能です。


Nothing Phone (3a)に搭載されたAI情報整理機能「Essential Space」も採用。アイデアやメモといった情報の保存と整理をAIがサポートし、次のアクションも提案してくれます。
また、スマート検索バー「Essentialサーチ」と録音機能「Flip to Record」を新たに搭載しました。Essentialサーチは現状アプリや連絡先、メッセージの検索が可能で、今後知りたいことを聞くだけでAIが会話形式で教えてくれることを目指しているそうです。

Flip to Recordはスマホを裏返して本体横に付いている物理ボタン「Essential Key」を長押しすると、録音がスタートする機能です。録音内容をAIがテキスト化、要約したうえで、内容をEssential Spaceに保存してくれます。

Phone (3a)同様、これらは機能的に発展途上であり、「段階的に機能をアップデートしていく」としています。
スペックはプロセッサーにSnapdragon 8s Gen 4を搭載。また、メモリー12GB/ストレージ256GBもしくはメモリー16GB/ストレージ512GBのモデルを用意しています。バッテリーは5150mAhで、64Wの高速充電にも対応しています。

カメラはメイン、望遠、広角の3眼構成で、解像度はすべて50MP。また動画は4K/1080Pの撮影が可能です。
メインカメラは1/1.3インチセンサーを内蔵し、Phone(2)に比べて約44%も多くの光を取り込めるようになったとしています。望遠は70mmで、3倍光学ズーム、6倍のロスレスズーム、さらにAI超解像によって最大60倍のズームに対応。広角は画角114度あり、表現力が増したといいます。

ディスプレイは6.67インチで解像度は1260×2800ドット、リフレッシュレートは120Hzです。このほかサイズは約幅75.5×高さ160.6×厚さ8.9mm、重さは約218gとなっています。


カラバリはホワイトとブラックの2色を用意し、価格は12GB+256GBモデルが12万4800円(税込)、16GB+512GBモデルが13万9800円(税込)です。8月20日から予約を開始し、8月28日から販売を開始します。
なお、Phone(3)は楽天モバイルでの取り扱いもアナウンスされ、同じく8月20日予約開始、8月28日に発売します。本体価格は11万9900円(税込)~で、他社からの乗り換えおよび対象製品を48回払いで購入する「買い替え超トクプログラム」を適用すると、月1250円~で利用できます。

デザインに力を入れてきたNothingならではの製品
イベントでプレゼンした、Nothing Japanの黒住吉郎さんは冒頭、近年のスマホについて「周りを見てみると大きな問題に我々は気づきました。まずデザイン。どのプロダクトも似たり寄ったり、だんだんつまらないものになってきました」とコメント。
その点、Nothingはデザインに力を入れ、コミュニティとの共創に取り組んできたとのこと。その言葉どおり、Headphone (1)は見た目のインパクトが大きく、ファッションアイテムとしても大きな役割を担いそうです。
一方、Phone(3)の見た目はNothingの登場から4年経ったこともあり、見慣れてきた印象を持ちます。そこで注目したいのは中身のデザインと位置付けられそうなEssential SpaceなどのAI機能です。
これらはまだアップデート前で、評価が難しい部分があります。Nothing Phone (3a)を見る限り、いまの時点ではまだ実用的ではありません。ですが、今後の進化によってはスマホの使い方が変わる可能性を秘めています。アップデートでどうなるのか、期待したいところです。
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