iPhone Air、買ってよかった? Proからの乗り換えはプラス面もマイナス面もあり

ink_pen 2025/10/16
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iPhone Air、買ってよかった? Proからの乗り換えはプラス面もマイナス面もあり
山本 敦
やまもとあつし
山本 敦

オーディオ・ビジュアル誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ハイレゾに音楽配信、スマホなどポータブルオーディオの最先端を徹底探求。海外の展示会取材やメーカー開発者へのインタビューなども数多くこなす。

アップルが2025年の新しいiPhoneを発売して1か月ほどが経ちました。筆者は2019年に「iPhone 11 Pro」を購入して以来、ずっとProシリーズのiPhoneを使い続けてきましたが、今年は先進性に惹かれて「iPhone Air」に乗り換えています。果たしてこの選択は正解だったのか…。

Proシリーズと比べて見えてきた「良いところ」と「物足りないところ」をレポートします。

↑iPhoneのまったく新しいラインナップとして加わった「iPhone Air」を購入。Proから乗り換えて正解だったのか? レポートします。

片手持ち操作が本当に快適! バッテリーに不満は?

筆者はiPhone Airの256GB・スカイブルーをApple Storeで購入し、無事発売日に受け取りました。写真やビデオはクラウドに保存しているため、本体ストレージは小容量でも問題ないと考えて256GBを選んでいます。

ところが、さっそく問題が。Apple Intelligenceの「ライブ翻訳」を試す際、オフライン利用をするには言語モデルをデバイスにダウンロードしておく必要があることに気付きました。結果的に数百MB前後のストレージを消費することを考えると、Apple Intelligenceの時代には、ストレージの容量はこれまで以上に確保しておくべきだったなと思い直している次第です。

さて、iPhone Airを購入した直後から海外出張の用事が立て続きました。旅行中は、片手で持ちながらマップを開いたり、電子書籍を読んだり、軽快にアプリを操作したりできるiPhone Airの薄さと軽さを存分に実感できます。

↑片手で持ちながらの操作は心底快適。6.5インチのディスプレイにゆったりとマップを表示できます。

バッテリーの持ちは、iPhone 16 Proと比べても特に力不足を感じません。よほど長い時間ビデオを撮影したり、動画コンテンツを視聴したりしない限り、今のところは1日中使えるバッテリーのパフォーマンスを実感しています。

バッテリーについては、いざとなれば専用アクセサリーの「iPhone Air MagSafeバッテリー」を買い足す手があります。iPhone Airの背面にぴたりと装着できる薄型のバッテリーパックです。iPhone Airのバッテリーを最大65%追加で充電できるほか、最大12Wの高速ワイヤレス充電パッドとして、AirPods Pro 3やGoogle Pixelスマホも低速ですがチャージできました。15,800円(税込)と、まあまあ値の張る専用充電器ですが、コスパは悪くないアイテムだと思います。

↑iPhone Air MagSafeバッテリー。マグネットでしっかりと装着できるのはiPhone Airに限られますが、AirPods Pro 3のワイヤレス充電もできました。

iPhoneにケースを着けるか、裸のまま使うかはユーザーによって好みが分かれるところでしょう。筆者はiPhoneにケースを着けてしっかりと保護したい派なので、アップル純正の「MagSafe対応iPhone Airケース – フロスト」を使っています。

今までiPhoneにボディストラップを着けたことはなかったのですが、アップル純正のクロスボディストラップも試してみました。純正ケースとの着脱がスムーズにできるし、取材のときにiPhoneのカメラをさっと構えられるので便利ですね。ただし、海外で治安が気になる街を歩くときには若干そわそわしてしまいました。もう少し使い慣れる必要がありそうです。

↑フロストケースにクロスボディストラップを装着。筆者的には腰のあたりにiPhoneがぶらぶらしている感じに慣れるまで時間がかかりました。

ちなみに、iPhone Airはある程度の時間ゲームをプレイしたり、音声通話をしたりするとカメラの周辺が多少熱を持ってきます。iPhone 16 Proを愛用してきたユーザーからすると、iPhone Airの方が熱くなりやすい感覚があるのですが、この点はケースを着けると少し和らぐように思います。

カメラの画質は文句なし。ただし機能が物足りない

物足りないところは、ある程度覚悟はできていたはずの「カメラ」でした。48MP Fusionメインカメラの画質については特に不満は感じていないのですが、やはり長年に渡ってiPhone Proユーザーだったので、望遠とマクロの両方の機能がなくなることに慣れません。

光学2倍相当の画質によるズーム撮影は、手もとの料理などを撮るときには被写体に自分の影を落とすことがないので便利です。一方で、さらにグンと被写体に寄って撮りたい時に、Proシリーズのマクロ撮影が恋しくなります。

特に旅行のときにはズーム撮影を使いたくなるので、光学でも最大10倍までしか寄れないiPhone Airが心許なくなります。これからもiPhone Airを長く愛用するためには、サードパーティの外付けレンズを物色するなど、試行錯誤が必要になる気がしています。

↑iPhone Airの48MP Fusionカメラで撮影した夕焼け。色合いや解像度など文句なしです。
↑iPhone 17 Proの48MP Fusion望遠カメラで同じ景色を撮影。8倍ズームモードで景色を切り取れますし、いろんな写真やビデオの楽しみ方ができます。
↑左がiPhone Airの2倍ズームで、右がiPhone 17 Proの8倍ズーム。どうやっても近寄れない遠くの被写体にズームできるところがProシリーズの魅力なのだと実感します。

なお、先日の旅行に持参したiPhone 17 Proは、光学8倍相当の画質が楽しめる48MP Fusion望遠カメラが使えます。やはり、遠くの被写体が美しく撮れて迫力を実感できるのはうれしいです。カメラ機能を気持ちよく使いたい方は、やはりProを選ぶべきだと思います。

↑実用的で安定感のあるカメラを重視するのであれば、やはりiPhone 17 Proシリーズを選ぶべきかもしれません。

もう1点、iPhone Airに物足りなさを感じるとすれば、スピーカーがモノラル仕様なことです。ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンを使えば体験に差が付くことはないのですが、筆者の場合、自宅にいるときには特にゲームのサウンドはiPhoneの内蔵スピーカーで鳴らしていました。Proシリーズに比べると圧倒的に没入体験が下がってしまったことが残念です。

eSIMオンリーの仕様について注意すべきこと

しばしば話題になっているeSIMについても言及しておきましょう。筆者もiPhone Airを購入する前に、eSIMの準備で少し戸惑いました。Apple StoreからiPhone AirのSIMフリーモデルを購入したのですが、通信会社はIIJmioのプランを使っていたので、従来のSIMカードの抜き差しにより簡単に機種変更することがかなわず。別途、有料のeSIMプロファイルの再発行手続きを行っています。

新しいiOSに実装され、iPhone同士でのみ使える「eSIMクイック転送」を使えば、日本国内の大手4大キャリアの場合は無料で新しい端末にeSIMを移せるようです。IIJmioについては「eSIMクイック転送」の機能には今のところ対応しておらず、今後の対応も未定としています。おそらくアップルは、今後日本で発売するiPhoneもすべてeSIM専用機にするはずです。願わくば今後、国内で「eSIMクイック転送」が利用できる通信事業者が拡大してほしいと思います。

↑iPhone Airは2つのアクティブなeSIMが利用できるデュアルeSIM対応のスマートフォンです。海外を旅するときには、設定がとても簡単なeSIMに抜群の心地よさを感じます。

結論:デザインは満足だが、Proのカメラは恋しい

乗り換えてまだ間もない現時点の印象ですが、iPhone Airのデザインには大いに満足しています。とりわけ薄さと軽さがもたらす高いポータビリティは、日常の持ち歩きで大きな利点です。A19 Proチップによる快適な動作や、120HzのProMotionに対応したSuper Retina XDRディスプレイの滑らかな表示と美しさも日々実感しています。ディスプレイはiPhone 16 Proより0.2インチ大きくなっただけですが、そのわずかな差でも没入感の向上を実感します。

一方、カメラについてはまだ使い慣れる必要がありそうです。これまでは新しいiPhoneを購入するたびに、使い終わった旧モデルをすぐ下取りに出してきましたが、今回はしばらくの間、少なくとも取材など仕事で外出する際にはiPhone 16 Proとの2台持ちで乗り切ろうかと考えています。

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